はい、形勢逆転♪

数多くいるうちの一人だったのに…

「…あ、誰かから連絡来てる。」


そう言いながら
携帯を慣れた手つきで操作する私、松田　千絵（マツダ　チエ）。
最近流行っているマッチングアプリというものに出会って約一ヶ月。
登録したその日からたくさんの男性からメッセージがきていたものの、
どれもピンと来ず、会うに至らない今日この頃。


今回もきっと…と期待値は低めに
メッセージをくれた男性のプロフィールを確認する。





「…え、マジ？七個も年下じゃん。」


連絡をくれたのは自称二十歳の【リク】という男の子。
現在二十七歳のわたしにとって、
何かなければ絶対に出会うはずのない年齢の男の子に少し興味が湧いた。




「…まぁ、メッセージ返すだけでも。」


そう思い立ち、リクに返信をすることにした。