続・妄想女子の青春記。

第一章 人混みロマンス

４

「あ、にぃちゃんたちきた！」
「おー、おはよ。」
「うす。」
「おはようございます！」


４人で何事もなく電車に乗る。
座席は向き合う形での４人席が空いていたため、
カップル同士で隣り合わせに座ることにした。
座っている間、私の心臓の音が優羽先輩に
聞こえてしまっているのではないかと気が気ではなかった。


「…にぃちゃん、顔（笑）」
「え、変な顔してた？」
「…いや、強張りすぎてて可愛い（笑）」
「…！」


そんなことをさおちゃんにツッコまれてしまったため、
不意に優羽先輩が私の顔を覗き込んできた。



「…！」
「（笑）」
「何、笑ってるんですか！」
「いや、反応が面白くて。」
「それ、私のことバカにしてます？」
「なわけ（笑）」
「（…優羽先輩の微笑み…神すぎる…）」


それなりな会話をしながら駅に着き、
少し歩くとショッピングモールに着いた。
土曜日ということもありそれなりに人が多い。



「結構混んでるね。」


サリー先輩が人混みからはぐれないようにさおちゃんを自分の方に抱き寄せた。


「…！」


そんな自然なカップルのやりとりを目の当たりにして、
優羽先輩と思わず目があってしまう。