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第一章 人混みロマンス
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しおりを挟む【件名:なし】
【内容:そういや、今週の土曜日部活午前だけ?】
【件名:なし】
【内容:はい!女子は午前中で終わりです。】
【件名:なし】
【内容:じゃあ、ルイたちと一緒にどこか行かない?】
「…!」
ルイとはサリー先輩の本名。
さおちゃんたちもお付き合いは継続しており、
下手したら私と優羽先輩よりも
普通に学校内で会話しているので、羨ましくもあった。
【件名:なし】
【内容:いいですよ♪何します?】
【件名:なし】
【内容:じゃあ、ショッピングモールでも行こっか♪】
そんなこんなで決まった初デート。
さおちゃんが一緒にいるのが唯一の救い。
今からドキドキして当日まで一睡もできないんじゃないか
というくらい私の胸は高鳴っていた。
次の日から学校で空き時間がある度に土曜日のことをさおちゃんに相談する私。
「さおちゃん…まじでどうしよう。
何話せばいいか分かんない~。
むしろ私は見てるだけで満足だけど…それじゃダメだよね?」
「当たりまえでしょ(笑)」
「うぅ…どうしよう。」
「まぁ、なんとかなるっしょ!」
「さおちゃんは気楽すぎるんだよ…。」
そんなネガティブ全開の私を勇気づけてくれるさおちゃん。
家ではメールで楽しく会話できても、
いざ本人を目の前にするとなかなか普段の自分が出せないでいた。
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