妄想女子の青春記。

こつぶ

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第十六章 灼熱の体育祭①

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先輩たちの引退試合が一段落した6月下旬。
ここから本格的に体育祭の練習が始まる。

前にも少し話したが、我らが青海中は一年から三年までを
縦割り団にして応援合戦や競技を行い、順位を決めることとなっている。
団には三年から団長、副団長が一人ずつ、応援リーダーが
一年が男女一人ずつ二年が男女三人ずつ三年が男女五人ずつ選出される。

体育祭の花形種目の応援合戦はこのリーダーや団長たちによって構成され、
全員で五分以内の出し物を行う事となっている。


私はもともと、そういう系のことが大好きなタイプの人間だったため、
それなりに興味もあったし、何よりもしかしたら
優羽先輩とかかわれるチャンスかも?!と安易な気持ちで立候補した。




「…じゃあ、今年の応援リーダーはこのメンバーだ。はい、拍手。」



おくやんの一声でクラスのみんなが拍手をする。
見事私も応援リーダーになれ、ウキウキの反面

これで優羽先輩がいなかったら練習に出てくる夏休み無駄じゃんっ!

と邪モード全開なのであった。




キーンコーン…


「にぃちゃん良かったね。」
「ありがとー!さおちゃんもなればよかったのに。」
「あたしはそういうの遠慮しておくわ~。」
「そうなの?」
「まぁ、にぃちゃん運動神経いいし、絶対体育会系だもん。
 こういうの燃えるでしょ?」
「うん、大好き(笑)」
「あとは、優羽先輩が団長かリーダーでいるかだね。」
「それが一番の問題だわ…。」



そして私の不安はどこへやら、後日昇降口の掲示板に張り出された
応援リーダーや団長紹介に、見事優羽先輩の名前があり大喜びの私。


そしてその日の夜さっそく優羽先輩にその旨を伝えるためにメールを送った。
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