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第十一章 失ったものと、得たものと。
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しおりを挟む【件名:件名なし】
【内容:うん(笑)正直めっちゃ意外すぎてびっくりした。(笑)
…で、この前の返事していい?】
(笑)が多いのは優羽先輩なりの優しさなのだろうか。
よくよく考えれば、見ず知らずの後輩が
いきなりバレンタインに自分の家に押しかけてくるなんて、
一歩間違えれば犯罪だよな…と
優羽先輩の懐の大きさにより一層好きが増してしまう私。
最後の文面を読んだ時、違うドキドキが押し寄せてきた。
“この前の返事”
もちろん、バレンタインの告白のことだろう。
手紙には直接付き合って下さいとは書かなかったものの、
【大好きです。】と自分の気持ちを前面に書いていたので
何か返事をしなくてはと、優羽先輩も思ったのだろう。
怖い反面、優羽先輩が自分のことをどう思っているのがとても興味があった。
言わなければよかったのに、私は言ってしまった。
【件名:件名なし】
【内容:はい。返事聞かせてください。】
先ほどよりも少し時間が経ってから優羽先輩からメールが届いた。
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