妄想女子の青春記。

こつぶ

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第九章 一世一代の大勝負

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優羽先輩に恋してからもうすぐ一年が経とうとしている。

毎日近くでその顔を拝むだけでよかった私も人間。
欲というものが生まれる。

どうにかして優羽先輩と話したい。
名前を呼んでもらいたい…。

日に日にそんな想いが募っていた二月。


「ねぇ、にぃちゃんさ、そろそろ優羽先輩に告白しないの?」
「え、突然?そりゃ知ってほしい気持ちもあるけどさ…。キッカケが…あ。」

「バレンタイン♪」
「マジ?渡す?え、うそ。」
「渡しちゃおうよ♪」


なぜか妙にノリ気なさおちゃん。
バレンタインという絶好の告白チャンスを見逃すのも私としては惜しいものがある。
そんな訳で優羽先輩への告白大作戦を決行することにした私。

チョコを渡すにしても、こう見えても(?)中学生な私たち。
校則で食べ物は学校内に持ち込んではいけないこととなっている。

そんなわけでタカナナと妃菜ちゃんにも訳を話し、
タカナナの家でチョコを作り、そのまま優羽先輩の家に突撃訪問することになった。
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