5 / 7
異世界渡界編
身分証の登録をしよう
しおりを挟む
キリッとしたメガネ姿のカーシャさんは学校の先生が似合いそうだなーとどーでもいいことを考える叶翔。
「えっと、先ほどから渡界者と言っておりますが、正確には、『時の渡界者』と言うんですよ。
ですが、とある渡界者が『田舎者?……渡界者……うん、とかいもの、だよな!』 と言うので、いつの頃からか渡界者ではなく、渡界者と言うようになりました」
あー、言いたいことは何となく分かるけども、渡界者の方がマシだったよ!
それから、カーシャさんは、『時の渡界者』について教えてくれた。
渡界者を保護する法律があったのは、渡界者が貴重な情報を持っていたから。
渡界者によってもたらされた情報は様々で文明の発展に繋がった。
一昔前の渡界者は大いにこの世界に貢献したらしい。
渡界者がこの世界に現れることも珍しいことではない。…というか、かなりの人数が訪れたんだとか。
それこそ、数千、数万人の記録がある程に。
数万人もの渡界者のお蔭で、この世界は目まぐるしく発展した。
今では、渡界者の方がこの世界を見て驚く程度には、成長してしまったのだ。…成長し過ぎ。
うん、近未来とファンタジーが混入りざってる感じかな。店や斡旋ギルドのドアは自動ドアだった。
電気の代わりに魔法が盛んなので、魔力で賄っているんだとか。
まあ要するに渡界者の情報はもはや重要なものはなく、保護する価値もないということかなー。
最低限の生活をする手助けはするが、それだけ。
自由に自己責任でお好きにどうぞ…まあ、そんな感じらしい。
過去の渡界者達は、どんだけ情報提供したんだよ!
この世界に貢献したというよりも、やりたい放題しただけだよね。…たぶん。
少しは自重しろよ! とは思うが、今更だ。
渡界者の保護する法律がなくなり、かなりの年月が過ぎていることは、カーシャさんの話から理解できた。
無いものは今更どうしようもない。
「『時の渡界者』の方達は、魔法やスキルが存在しない世界だと聞いております。そこで、渡界者が出現したら、こちらの渡界者セットを渡すことが義務付けされてます」
虹色の水晶?ビー玉くらいの大きさのモノを手渡された。
虹色の小さな水晶玉はあっという間に体に吸収されて消えた。
「えーー!」
「無事に吸収されたようですね」
えー、何が起こったの? ねー?
叶翔の疑問や驚きをまるっと無視して進めるカーシャさん。
「早速ですが、身分証になる個人カードの発行をしましょう。身分証発行には通常1000オンかかりますが、渡界者は無料で発行しております。但し、再発行には3000オンかかりますので、紛失しないように気をつけてくださいね。
手続きは簡単でこちらの水晶に自分の名前を念じながら触れるだけです。すると、性別、年齢、体力(生命力)、魔力、スキルなどが表示されます。
説明するよりも実際に見た方が早いので水晶に手を載せてください」
カーシャさんに言われた通り、水晶に手を載せると、水晶から淡い光が。
ピカリーンという音がすると何処からか個人カードが現れる。
個人カードには、
<表側>
名前:カナト ホムラ
性別:男
年齢:15歳
登録地:コメリ皇国 エフメリ地区
<残高>
0オン
ーーーーー
<裏側>
体力(生命力):1+10
魔力:0.4
<スキル>
隠蔽
言語理解
<従魔>
ー
<称号>
時の渡界者
「個人カードに本人認識の登録をします。このカードで殆どのお店で支払いが出来ます。使えないのは一部の屋台ぐらいになります。全財産をこのカードで管理することになります。犯罪防止、盗難防止機能がありますので、決して他人に不正行為をされることはありません。本人認識の登録には、血液を一滴垂らしてください。はい、どうぞ」
全財産をカードで管理するとは、クレジットカードとかデビットカードのようなモノかな。
かなり便利だけど、一部の屋台では使えないらしい。
犯罪や盗難防止機能は、本人から一定距離離れると自動で手元に戻ってくるんだって。
なにソレ? 超凄い!
で、でもさ、血液を一滴垂らすのに、なんでナイフ? ここは針でいいのでは?
簡単にはい、どうぞと言われて、ナイフを目の前にすっと出されてるんだけど……えーと、指を切るの? マジで!
いやいや、印鑑みたいに指紋で認識しようよ!
あー、カーシャさんが何してるの? 早くして、と無言で圧力かけてくる。
いや、だってさ、自分で指切るなんてしたことないんだよ。
僕は平凡な高校生なんだよ、自傷行為なんてハードル高いわ!
うーむ、ヤらないと進まないから、気合を入れて頑張りましたとも、ぐすん。
スキルは表示の有無が選択できる。通常は非表示でオッケーらしい。聞かれたら教えればいいそうだ。
スキルは切り札にもなるので、その時の状況に応じてどのスキルを教えるか判断すればよいとか。むやみやたらと見せびらかした教えたりするモノではないそうだ。
まー、そうだよねー。能力を悪用しようとする者もいるだろうし、敵に能力を知られるのも困るよね。
個人カードを見ると、おかしな点が幾つかあるのは気のせいかな。
色々とツッコミたい叶翔だが、カーシャさんに自分と同じ年代の体力と魔力の一般的な数値を尋ねてみる。
体力(生命力):年齢プラス10~20、魔力:年齢プラス5~10、スキルは3だとか……やっぱりね。
個人カードを見た瞬間のカーシャさんの顔が哀れんでるように思えたので、そんなことだろうと思ったよ。
ちなみに、渡界者は体力(生命力):年齢プラス30~50、魔力:5~50、スキルは3~5らしい。
どうやら、叶翔は赤ん坊並に貧弱らしい。
「えっと、先ほどから渡界者と言っておりますが、正確には、『時の渡界者』と言うんですよ。
ですが、とある渡界者が『田舎者?……渡界者……うん、とかいもの、だよな!』 と言うので、いつの頃からか渡界者ではなく、渡界者と言うようになりました」
あー、言いたいことは何となく分かるけども、渡界者の方がマシだったよ!
それから、カーシャさんは、『時の渡界者』について教えてくれた。
渡界者を保護する法律があったのは、渡界者が貴重な情報を持っていたから。
渡界者によってもたらされた情報は様々で文明の発展に繋がった。
一昔前の渡界者は大いにこの世界に貢献したらしい。
渡界者がこの世界に現れることも珍しいことではない。…というか、かなりの人数が訪れたんだとか。
それこそ、数千、数万人の記録がある程に。
数万人もの渡界者のお蔭で、この世界は目まぐるしく発展した。
今では、渡界者の方がこの世界を見て驚く程度には、成長してしまったのだ。…成長し過ぎ。
うん、近未来とファンタジーが混入りざってる感じかな。店や斡旋ギルドのドアは自動ドアだった。
電気の代わりに魔法が盛んなので、魔力で賄っているんだとか。
まあ要するに渡界者の情報はもはや重要なものはなく、保護する価値もないということかなー。
最低限の生活をする手助けはするが、それだけ。
自由に自己責任でお好きにどうぞ…まあ、そんな感じらしい。
過去の渡界者達は、どんだけ情報提供したんだよ!
この世界に貢献したというよりも、やりたい放題しただけだよね。…たぶん。
少しは自重しろよ! とは思うが、今更だ。
渡界者の保護する法律がなくなり、かなりの年月が過ぎていることは、カーシャさんの話から理解できた。
無いものは今更どうしようもない。
「『時の渡界者』の方達は、魔法やスキルが存在しない世界だと聞いております。そこで、渡界者が出現したら、こちらの渡界者セットを渡すことが義務付けされてます」
虹色の水晶?ビー玉くらいの大きさのモノを手渡された。
虹色の小さな水晶玉はあっという間に体に吸収されて消えた。
「えーー!」
「無事に吸収されたようですね」
えー、何が起こったの? ねー?
叶翔の疑問や驚きをまるっと無視して進めるカーシャさん。
「早速ですが、身分証になる個人カードの発行をしましょう。身分証発行には通常1000オンかかりますが、渡界者は無料で発行しております。但し、再発行には3000オンかかりますので、紛失しないように気をつけてくださいね。
手続きは簡単でこちらの水晶に自分の名前を念じながら触れるだけです。すると、性別、年齢、体力(生命力)、魔力、スキルなどが表示されます。
説明するよりも実際に見た方が早いので水晶に手を載せてください」
カーシャさんに言われた通り、水晶に手を載せると、水晶から淡い光が。
ピカリーンという音がすると何処からか個人カードが現れる。
個人カードには、
<表側>
名前:カナト ホムラ
性別:男
年齢:15歳
登録地:コメリ皇国 エフメリ地区
<残高>
0オン
ーーーーー
<裏側>
体力(生命力):1+10
魔力:0.4
<スキル>
隠蔽
言語理解
<従魔>
ー
<称号>
時の渡界者
「個人カードに本人認識の登録をします。このカードで殆どのお店で支払いが出来ます。使えないのは一部の屋台ぐらいになります。全財産をこのカードで管理することになります。犯罪防止、盗難防止機能がありますので、決して他人に不正行為をされることはありません。本人認識の登録には、血液を一滴垂らしてください。はい、どうぞ」
全財産をカードで管理するとは、クレジットカードとかデビットカードのようなモノかな。
かなり便利だけど、一部の屋台では使えないらしい。
犯罪や盗難防止機能は、本人から一定距離離れると自動で手元に戻ってくるんだって。
なにソレ? 超凄い!
で、でもさ、血液を一滴垂らすのに、なんでナイフ? ここは針でいいのでは?
簡単にはい、どうぞと言われて、ナイフを目の前にすっと出されてるんだけど……えーと、指を切るの? マジで!
いやいや、印鑑みたいに指紋で認識しようよ!
あー、カーシャさんが何してるの? 早くして、と無言で圧力かけてくる。
いや、だってさ、自分で指切るなんてしたことないんだよ。
僕は平凡な高校生なんだよ、自傷行為なんてハードル高いわ!
うーむ、ヤらないと進まないから、気合を入れて頑張りましたとも、ぐすん。
スキルは表示の有無が選択できる。通常は非表示でオッケーらしい。聞かれたら教えればいいそうだ。
スキルは切り札にもなるので、その時の状況に応じてどのスキルを教えるか判断すればよいとか。むやみやたらと見せびらかした教えたりするモノではないそうだ。
まー、そうだよねー。能力を悪用しようとする者もいるだろうし、敵に能力を知られるのも困るよね。
個人カードを見ると、おかしな点が幾つかあるのは気のせいかな。
色々とツッコミたい叶翔だが、カーシャさんに自分と同じ年代の体力と魔力の一般的な数値を尋ねてみる。
体力(生命力):年齢プラス10~20、魔力:年齢プラス5~10、スキルは3だとか……やっぱりね。
個人カードを見た瞬間のカーシャさんの顔が哀れんでるように思えたので、そんなことだろうと思ったよ。
ちなみに、渡界者は体力(生命力):年齢プラス30~50、魔力:5~50、スキルは3~5らしい。
どうやら、叶翔は赤ん坊並に貧弱らしい。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
別れてくれない夫は、私を愛していない
abang
恋愛
「私と別れて下さい」
「嫌だ、君と別れる気はない」
誕生パーティー、結婚記念日、大切な約束の日まで……
彼の大切な幼馴染の「セレン」はいつも彼を連れ去ってしまう。
「ごめん、セレンが怪我をしたらしい」
「セレンが熱が出たと……」
そんなに大切ならば、彼女を妻にすれば良かったのでは?
ふと過ぎったその考えに私の妻としての限界に気付いた。
その日から始まる、私を愛さない夫と愛してるからこそ限界な妻の離婚攻防戦。
「あなた、お願いだから別れて頂戴」
「絶対に、別れない」
【完結】妃が毒を盛っている。
佳
ファンタジー
2年前から病床に臥しているハイディルベルクの王には、息子が2人いる。
王妃フリーデの息子で第一王子のジークムント。
側妃ガブリエレの息子で第二王子のハルトヴィヒ。
いま王が崩御するようなことがあれば、第一王子が玉座につくことになるのは間違いないだろう。
貴族が集まって出る一番の話題は、王の後継者を推測することだった――
見舞いに来たエルメンヒルデ・シュティルナー侯爵令嬢。
「エルメンヒルデか……。」
「はい。お側に寄っても?」
「ああ、おいで。」
彼女の行動が、出会いが、全てを解決に導く――。
この優しい王の、原因不明の病気とはいったい……?
※オリジナルファンタジー第1作目カムバックイェイ!!
※妖精王チートですので細かいことは気にしない。
※隣国の王子はテンプレですよね。
※イチオシは護衛たちとの気安いやり取り
※最後のほうにざまぁがあるようなないような
※敬語尊敬語滅茶苦茶御免!(なさい)
※他サイトでは佳(ケイ)+苗字で掲載中
※完結保証……保障と保証がわからない!
2022.11.26 18:30 完結しました。
お付き合いいただきありがとうございました!
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる