40 / 48
番外編04エルシーの帰郷
しおりを挟む
正式な婚約者となってから、エルシーは空いた時間でライナスの手伝いを自らするようになり、執務室にいるのが当たり前になっていた。
執務の邪魔にならないよう、エルシーは一段落したところでライナスに話を切り出すことにした。
「殿下、来週から一旦、領地に父と母と共に帰らせていただきたいと思っています」
ライナスは執務の手を止め、エルシーを見た。一瞬、発言の内容に虚をつかれたが、すぐにその意味を理解して頷く。
「あぁ、もうそんな時期でしたね」
「はい、狩猟大会の準備のため、先に領地に戻らせていただきたいのです」
クルック家の治める領地は、王国の西側にある。そこには、大森林と呼ばれる森が広がっていて、一年に一度、クルック家は狩猟大会を開くことになっている。
大森林は、普段は領地に残っているエルシーの兄夫婦が管理を任されていた。次期クルック伯爵として、今、研鑽を積んでいるのだ。
「今年は、私が父に代わり参加することになりましたから、楽しみにしていますね」
「殿下がいらっしゃるのですか?」
「ええ、父上には王国で養生してもらいますよ」
社交シーズンが終わり、各貴族が領地へ戻る頃に狩猟大会は開催される。例年は、国王が娯楽として参加していたが、今年は王妃のこともあり気落ちしているため、ライナスが名代になるらしい。
「私も殿下が来てくださるのを楽しみにしています」
「ええ。……ただ、執務の都合で、二日目からの参加になってしまうのですが」
「分かりました、準備は任せてください!」
毎年、王家や貴族が滞在する別館はかなり手の込んだ準備をしているが、今年はより手が抜けない。エルシーは、帰ったら忙しくなると予定を頭の中で考え始めた。
そんな彼女が自分としばらく離れることに特に何も感じていないことに気づいたライナスは、少し面白くない気持ちになる。
椅子から立ち上がり、ソファに腰掛けるエルシーの隣へ移動した。
「殿下?」
「……今のうちにたくさんかまおうかと思いまして」
「そんな動物みたいな……それに、今はトレイシー様もいらっしゃいますよ」
コホンと部屋の端からわざとらしい咳払いが聞こえ、トレイシーが眼鏡のアーチを指先で押さえる。それをライナスは一瞥して、笑顔を浮かべた。
「あぁ、あれは壁と一緒ですから」
「殿下っ……!?」
さすがに堪えたらしく、トレイシーが不服そうな顔をする。そのやりとりがなんだかとてもコミカルで、エルシーは思わず微笑んだ。
そして、ライナスはすっかり気の抜けたエルシーの手を取り、彼女の手の甲に口付けを落とす。
「エルシーが少しは離れがたいと思ってくれるといいんですが」
顔を上げてそう言うと、青い瞳でエルシーを射抜いた。エルシーは、取られた手を自分の胸元に戻し、恥ずかしいのをごまかしながら、小さく呟く。
「……早くいらっしゃってくださいね」
ライナスはその言葉に思わず彼女の体を引き寄せそうになるのを抑えて、頷いた。
そして、甘い空気に当てられそうなトレイシーは、もう壁になろうと心を無にしたのだった。
◇
同日、アストリー公爵家。
以前、ライナスと歌劇場で出会い、そしてこの間フラれたばかりの公爵令嬢――ブレンダ・アストリーは、兄のジョエル・アストリーの出迎えをしていた。
ジョエルは、今日、隣国の留学から帰ってきたばかり。再会はゆうに数年ぶりとなる。
「お兄様!」
「ただいま、ブレンダ。待っていてくれたんだね」
絹のように白い長髪を首の後ろで束ねた青年が馬車から降りて、ブレンダに手を振りながら近づいてくる。
「楽しみに待っておりましたから」
「優しい妹を持って嬉しい限りだ。さあ、僕がいなかった間の話を聞かせて」
「ええ、ええ。ぜひ聞いてくださいませ!」
優しくて美しい兄は、ブレンダの自慢だ。二人は並んで、屋敷の中へと向かう。居間にはすでに二人のための茶会の席が設けられていた。
席に着いて、ジョエルのいなかった間の国内の話や、留学先の隣国の話をする。手紙でのやり取りはあったものの、ひさびさの兄妹の会話は弾みに弾んだ。
話題が一区切りつくと、ジョエルはカップを置いて、ブレンダに視線を投げる。ブレンダは、兄の目を隠す薄青のレンズを見つめた。
「そうだ、ブレンダ。ライナス皇太子が婚約したと聞いたよ」
「……そうなのです」
先ほどまでの楽しそうな声色が、随分と落ち込んだトーンに変わる。
「ブレンダは、あの方に想いを寄せていたのだったね」
「……はっきりと断られてしまいましたわ。」
勇気を出して想いを伝えようとした時、ライナスから、これ以上の話は聞けないと言われてしまったことを思い出す。
まさか自分より格下の家格の令嬢が、試験までパスして本当に婚約者になるとは、ブレンダも思っていなかった。
「そうだったのか。辛かっただろう。傍にいることもできず悪かったね……」
ジョエルは、ブレンダの隣に座り直し、彼女の肩を抱く。そんな兄の肩に頭を預け、ブレンダは口を開いた。
「いえ……はっきり言っていただいたおかげで、もうこの想いは忘れようと思えましたの。あの方には感謝しておりますわ……私も家のために、きちんと自分の将来を考えます」
あんな美しい王子に愛されてみたい。そんな幼い子どものような憧れはもう捨てるべきなのだ。
「……ブレンダ、君は随分素敵な女性に成長したようだね」
「お兄様にそう言っていただけて、嬉しい」
ブレンダは頭を上げて、体を離してから、ジョエルに向き直る。すると、珍しく兄が色素の薄い瞳を守るための眼鏡を外していることに気づいた。金色の瞳が、ブレンダを映している。
「相変わらず、素敵な色の瞳ですね」
「ありがとう、さあ、よく見ていて」
吸い込まれそうなその瞳に見惚れてしまい、目が逸らせない。
「ねえ、ブレンダ。君は素敵な女性だよ。ライナス皇太子殿下を諦めるなんて勿体無いだろう……?」
ジョエルは、ブレンダの瞳を覗き込みながら、彼女の心に吹き込むようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……まだあの方を慕っていて、むりやり諦めようとしている……違うかい?」
まるで幼児を寝かしつけるときのような優しい声に、ブレンダはこくりと首を縦に振った。
「諦めることなんてないんだ。ブレンダ、君なら、ライナス皇太子の婚約者を引きずり落とせる……できるね?」
「……はい、お兄様」
はっきりと肯定を示した妹に、ジョエルは微笑みを浮かべた。
「……君の想いを叶えよう、そして私もね」
ブレンダはまた、こくりと頷いた。
執務の邪魔にならないよう、エルシーは一段落したところでライナスに話を切り出すことにした。
「殿下、来週から一旦、領地に父と母と共に帰らせていただきたいと思っています」
ライナスは執務の手を止め、エルシーを見た。一瞬、発言の内容に虚をつかれたが、すぐにその意味を理解して頷く。
「あぁ、もうそんな時期でしたね」
「はい、狩猟大会の準備のため、先に領地に戻らせていただきたいのです」
クルック家の治める領地は、王国の西側にある。そこには、大森林と呼ばれる森が広がっていて、一年に一度、クルック家は狩猟大会を開くことになっている。
大森林は、普段は領地に残っているエルシーの兄夫婦が管理を任されていた。次期クルック伯爵として、今、研鑽を積んでいるのだ。
「今年は、私が父に代わり参加することになりましたから、楽しみにしていますね」
「殿下がいらっしゃるのですか?」
「ええ、父上には王国で養生してもらいますよ」
社交シーズンが終わり、各貴族が領地へ戻る頃に狩猟大会は開催される。例年は、国王が娯楽として参加していたが、今年は王妃のこともあり気落ちしているため、ライナスが名代になるらしい。
「私も殿下が来てくださるのを楽しみにしています」
「ええ。……ただ、執務の都合で、二日目からの参加になってしまうのですが」
「分かりました、準備は任せてください!」
毎年、王家や貴族が滞在する別館はかなり手の込んだ準備をしているが、今年はより手が抜けない。エルシーは、帰ったら忙しくなると予定を頭の中で考え始めた。
そんな彼女が自分としばらく離れることに特に何も感じていないことに気づいたライナスは、少し面白くない気持ちになる。
椅子から立ち上がり、ソファに腰掛けるエルシーの隣へ移動した。
「殿下?」
「……今のうちにたくさんかまおうかと思いまして」
「そんな動物みたいな……それに、今はトレイシー様もいらっしゃいますよ」
コホンと部屋の端からわざとらしい咳払いが聞こえ、トレイシーが眼鏡のアーチを指先で押さえる。それをライナスは一瞥して、笑顔を浮かべた。
「あぁ、あれは壁と一緒ですから」
「殿下っ……!?」
さすがに堪えたらしく、トレイシーが不服そうな顔をする。そのやりとりがなんだかとてもコミカルで、エルシーは思わず微笑んだ。
そして、ライナスはすっかり気の抜けたエルシーの手を取り、彼女の手の甲に口付けを落とす。
「エルシーが少しは離れがたいと思ってくれるといいんですが」
顔を上げてそう言うと、青い瞳でエルシーを射抜いた。エルシーは、取られた手を自分の胸元に戻し、恥ずかしいのをごまかしながら、小さく呟く。
「……早くいらっしゃってくださいね」
ライナスはその言葉に思わず彼女の体を引き寄せそうになるのを抑えて、頷いた。
そして、甘い空気に当てられそうなトレイシーは、もう壁になろうと心を無にしたのだった。
◇
同日、アストリー公爵家。
以前、ライナスと歌劇場で出会い、そしてこの間フラれたばかりの公爵令嬢――ブレンダ・アストリーは、兄のジョエル・アストリーの出迎えをしていた。
ジョエルは、今日、隣国の留学から帰ってきたばかり。再会はゆうに数年ぶりとなる。
「お兄様!」
「ただいま、ブレンダ。待っていてくれたんだね」
絹のように白い長髪を首の後ろで束ねた青年が馬車から降りて、ブレンダに手を振りながら近づいてくる。
「楽しみに待っておりましたから」
「優しい妹を持って嬉しい限りだ。さあ、僕がいなかった間の話を聞かせて」
「ええ、ええ。ぜひ聞いてくださいませ!」
優しくて美しい兄は、ブレンダの自慢だ。二人は並んで、屋敷の中へと向かう。居間にはすでに二人のための茶会の席が設けられていた。
席に着いて、ジョエルのいなかった間の国内の話や、留学先の隣国の話をする。手紙でのやり取りはあったものの、ひさびさの兄妹の会話は弾みに弾んだ。
話題が一区切りつくと、ジョエルはカップを置いて、ブレンダに視線を投げる。ブレンダは、兄の目を隠す薄青のレンズを見つめた。
「そうだ、ブレンダ。ライナス皇太子が婚約したと聞いたよ」
「……そうなのです」
先ほどまでの楽しそうな声色が、随分と落ち込んだトーンに変わる。
「ブレンダは、あの方に想いを寄せていたのだったね」
「……はっきりと断られてしまいましたわ。」
勇気を出して想いを伝えようとした時、ライナスから、これ以上の話は聞けないと言われてしまったことを思い出す。
まさか自分より格下の家格の令嬢が、試験までパスして本当に婚約者になるとは、ブレンダも思っていなかった。
「そうだったのか。辛かっただろう。傍にいることもできず悪かったね……」
ジョエルは、ブレンダの隣に座り直し、彼女の肩を抱く。そんな兄の肩に頭を預け、ブレンダは口を開いた。
「いえ……はっきり言っていただいたおかげで、もうこの想いは忘れようと思えましたの。あの方には感謝しておりますわ……私も家のために、きちんと自分の将来を考えます」
あんな美しい王子に愛されてみたい。そんな幼い子どものような憧れはもう捨てるべきなのだ。
「……ブレンダ、君は随分素敵な女性に成長したようだね」
「お兄様にそう言っていただけて、嬉しい」
ブレンダは頭を上げて、体を離してから、ジョエルに向き直る。すると、珍しく兄が色素の薄い瞳を守るための眼鏡を外していることに気づいた。金色の瞳が、ブレンダを映している。
「相変わらず、素敵な色の瞳ですね」
「ありがとう、さあ、よく見ていて」
吸い込まれそうなその瞳に見惚れてしまい、目が逸らせない。
「ねえ、ブレンダ。君は素敵な女性だよ。ライナス皇太子殿下を諦めるなんて勿体無いだろう……?」
ジョエルは、ブレンダの瞳を覗き込みながら、彼女の心に吹き込むようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……まだあの方を慕っていて、むりやり諦めようとしている……違うかい?」
まるで幼児を寝かしつけるときのような優しい声に、ブレンダはこくりと首を縦に振った。
「諦めることなんてないんだ。ブレンダ、君なら、ライナス皇太子の婚約者を引きずり落とせる……できるね?」
「……はい、お兄様」
はっきりと肯定を示した妹に、ジョエルは微笑みを浮かべた。
「……君の想いを叶えよう、そして私もね」
ブレンダはまた、こくりと頷いた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました
平山和人
恋愛
悪役令嬢のクロエは八歳の誕生日の時、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖魔と乙女のレガリア』の世界であることを知る。
クロエに割り振られたのは、主人公を虐め、攻略対象から断罪され、破滅を迎える悪役令嬢としての人生だった。
そんな結末は絶対嫌だとクロエは敵を作らないように立ち回り、魔法を極めて断罪フラグと破滅エンドを回避しようとする。
そうしていると、なぜかクロエは家族を始め、周りの人間から溺愛されるのであった。しかも本来ならば主人公と結ばれるはずの攻略対象からも
深く愛されるクロエ。果たしてクロエの破滅エンドは回避できるのか。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる