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欠落(4)
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取りあえず、今後の段取りを終えるとロヴィンは、イグニートに任されていた任務を遂行させてくると言う。それには数日かかると言われ、仕方なくそれが終わるまで、この町に滞在することになった。
その日、数日ぶりの湯浴みをする。宿屋の湯浴みは皆で使うことが多いこともあり、同じように旅をしているという年配の女と一緒に湯浴みをすることになった。
「あらら、若いっていいわね……」
「え……」
「恋人と旅をしてるの?」
「えーっと、まあ……、そんな感じです」
ふんふん、と鼻歌を溢しながら、女性は豊満な身体を揺すり、「私だって若い頃は寝かせてもらえなかったのよ」と、レベッカの胸に複数ある赤い痕のひとつを、つんと突っつく。
「きゃっ! なにするんですか……」
「いいわねぇ、そんな反応出来るなんて……はぁ……」
いったい、何の話なの……、と咄嗟に隠した胸を抑えながら、レベッカが小首をかしげていると、豊満な身体の女性が「とっておきの技を教えてあげるわ」と言う。
――技?
格闘の達人には見えないけど、と疑問に思いつつ、レベッカは女性の説明を聞いた。よく分からない技を伝授してもらい、湯浴みを終えて部屋へ戻れば、既に彼は寝台で横になっていた。
「もう戻ってらっしゃったんですね」
「ああ、何だか変な男に絡まれた」
「奇遇ですね、私も変な女性に絡まれました」
「そうか……」
妙な空気が漂い始めたが、それを無視してレベッカは空いてる寝台へ向かい腰を落とした。
チラっとセルジオを見れば、彼は静かに目を閉じており、自分も寝台へ身を沈めた。
レベッカの要望通り、二つの寝台を用意してもらったのに、何故こんなに物足りない気持ちになるのか、と思っているとギっと寝台が揺れる音が聞えて隣を見た。
「どうした眠れないのか?」
「え、ええ……」
「そうか、母親の安否を考えれば当然だな」
いいえ、眠れないのは変な技を聞いたせいなのだけど、とレベッカは苦笑いを浮かべた。
湯浴みを共にした女性から、自分の胸に男のアレを挟むと言う、意味の分からない説明に困惑したが、それをどうやって実行するのだろうとも思うし、それを喜ぶ男が大勢いると教えられ、ますます混乱した。
はあ、と大きな溜息を溢し、天井へと視線を向けると、彼が「そんなに眠れないならゲームでもするか」と言う。
「ゲーム?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
そう言ってセルジオが部屋の外へ出て行った。しばらくして宿屋から借りて来たカードを机に乗せる。
「ポーカーは?」
「知ってますけど、あまり得意では」
「適当に楽しめばいい」
楽しめと言われて、それもそうね、と彼の目の前に座り、ゲームを楽しむことにした。単純な数字合わせのゲームだが、余計な事を考えなくて済むし、何より普通に彼との何気ない時間が楽しかった。
兄がいたらこんな感じなのかも、とレベッカが思うと同時に彼が同じことを言った。
「妹がいたら、こんな感じかもな」
「……びっくりしました」
「ん?」
「まったく同じことを考えていました」
そうか、と小さな声で言う。彼が寂しそうな顔をしたのを見て、何故かレベッカは、自分が別邸で住むことになった日の話を、ぽつりとセルジオに話した。
一人で暮らしていた期間、退屈な時間はすべて読書に費やしていた話や、レベッカが母に会えたのは月に一度くらいだったことなど、幼い頃の話をした。
「ふうん、我が子なのにな……」
「昔から、あの人には母しか見えてませんし、母の関心が父以外の物に向くのを異様に嫌ってました」
「まあ……、分からなくもない」
「え?」
「……君が俺以外の誰かに関心を抱いたら……、別邸に住まわせる程度ではすまないかもな」
意外なことを聞いてレベッカは思考が固まった。
「じょ、冗談……?」
「いや」
今、自分はどんな顔をしているのか知りたくなる。端整な顔の男に見つめられ、真顔でそんなことを言われ、勝手に熱くなる頬と身体、おかしな鼓動を鳴らす胸、彼の瞳を逸らしたいような、逸らしたくないような、不思議な感覚に、とぷんと浸かってしまった。
――…………――。
自分の下で切なく目を眇める男を見下ろし、どうしてこんなことになってしまったのかと今更のように思う。ポーカーをしていただけ、昔話をしただけ、彼の独占欲を刺激しただけ、それだけのことだ……。
「あっ……っ、それ……いゃぁぁ……」
秘芽を指の腹でぐりぐり擦られて、たまらず背中が仰け反った。それでなくても彼の濃い茂みに擦れて膨れ上がった蕾は敏感になっている。
彼に跨ったまま、下から突き上げられ、最奥がきゅんと疼く、何度も蜜壺の中を掻きまわす熱い茎が、快楽を追い上げる。
「あぁ……、ぅう……あっ、ああっ……」
「たまらないな……」
上下、左右、と揺すられて、頭の中は、ある一点だけを追いかけていた。
――っ、悦い……。
あまりの気持ち良さに、変な言葉を口走りそうになる。「んくぅ」と必死に言葉を堪えていると、セルジオが起き上がる。
座ったままレベッカの腰をぐっと抱きしめると、彼が下から腰を突き上げ、荒い息が胸元にかかり、ぞくぞくしてくる。
「っんぅ……」
かぷっと胸に噛り付かれて、思わず腰が跳ねた。そのせいで淫らな音が、ぐちゅと聞え、さらに体が熱くなった。
「どうした……、声、我慢するな……」
「あ……、あっ、なんだか……恥ずかしい……」
くすっと笑った彼が、全て見られているのに、今さら恥ずかしいことはないと言う。
「どうされたい?」
「どう……?」
「何でもいい……、胸を弄れでもいい、股を舐めろでもいい……、ほら……、して欲しいことを言って見ろ」
そんなことを言われて、言えるわけが無いのに、とキっとセルジオを見ると、尖り切った乳首の先端を舌で押しつぶし吸い上げられる。
「あっ、あっ……」
「っく……、凄いな……中が……うねる……」
それはレベッカのせいじゃない、掻きまわすような腰使いで、所狭しと秘肉の中を暴れまくるセルジオの男根のせいなのに、まるで自分の意思でそんなことをしているかのように言われる。
どさっと寝台に仰向けに倒され、「ほら……、どうするんだ」と催促してくる。
「どうするって……、言われても……」
こちらの反応を楽しんでいるセルジオが、ニッと笑みを浮かべたまま微動だにしない。その様子を見て、どうしてもレベッカに言わせたいのだと知り、仕方なく彼の首に腕を回しながら、「あなたの好きに」と言えば、秘肉の中で熱くなる彼のモノが一段と大きくなった。
セルジオが、一旦腰を引くと、レベッカの腰を掴み、ずんと奥へ入り込んで来る。
「ひっ……っぅ……!」
「ご要望通りに……」
そう言った瞬間、怒張が激しく動き出した。中を抉られるように擦られて、更には打ち付けられる腰で秘芽を擦り上げる。
激しい腰使いに、くらくらと脳まで揺れて、一気に快楽の渦に巻き込まれた。
「あぁっ、あ……、いっあぁ――!」
「っ……」
熱い飛沫がどくどくと流し込まれ、最奥が熱くじわりと濡れるのを感じながら、彼の体温に包まれ眠りについた。
その日、数日ぶりの湯浴みをする。宿屋の湯浴みは皆で使うことが多いこともあり、同じように旅をしているという年配の女と一緒に湯浴みをすることになった。
「あらら、若いっていいわね……」
「え……」
「恋人と旅をしてるの?」
「えーっと、まあ……、そんな感じです」
ふんふん、と鼻歌を溢しながら、女性は豊満な身体を揺すり、「私だって若い頃は寝かせてもらえなかったのよ」と、レベッカの胸に複数ある赤い痕のひとつを、つんと突っつく。
「きゃっ! なにするんですか……」
「いいわねぇ、そんな反応出来るなんて……はぁ……」
いったい、何の話なの……、と咄嗟に隠した胸を抑えながら、レベッカが小首をかしげていると、豊満な身体の女性が「とっておきの技を教えてあげるわ」と言う。
――技?
格闘の達人には見えないけど、と疑問に思いつつ、レベッカは女性の説明を聞いた。よく分からない技を伝授してもらい、湯浴みを終えて部屋へ戻れば、既に彼は寝台で横になっていた。
「もう戻ってらっしゃったんですね」
「ああ、何だか変な男に絡まれた」
「奇遇ですね、私も変な女性に絡まれました」
「そうか……」
妙な空気が漂い始めたが、それを無視してレベッカは空いてる寝台へ向かい腰を落とした。
チラっとセルジオを見れば、彼は静かに目を閉じており、自分も寝台へ身を沈めた。
レベッカの要望通り、二つの寝台を用意してもらったのに、何故こんなに物足りない気持ちになるのか、と思っているとギっと寝台が揺れる音が聞えて隣を見た。
「どうした眠れないのか?」
「え、ええ……」
「そうか、母親の安否を考えれば当然だな」
いいえ、眠れないのは変な技を聞いたせいなのだけど、とレベッカは苦笑いを浮かべた。
湯浴みを共にした女性から、自分の胸に男のアレを挟むと言う、意味の分からない説明に困惑したが、それをどうやって実行するのだろうとも思うし、それを喜ぶ男が大勢いると教えられ、ますます混乱した。
はあ、と大きな溜息を溢し、天井へと視線を向けると、彼が「そんなに眠れないならゲームでもするか」と言う。
「ゲーム?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
そう言ってセルジオが部屋の外へ出て行った。しばらくして宿屋から借りて来たカードを机に乗せる。
「ポーカーは?」
「知ってますけど、あまり得意では」
「適当に楽しめばいい」
楽しめと言われて、それもそうね、と彼の目の前に座り、ゲームを楽しむことにした。単純な数字合わせのゲームだが、余計な事を考えなくて済むし、何より普通に彼との何気ない時間が楽しかった。
兄がいたらこんな感じなのかも、とレベッカが思うと同時に彼が同じことを言った。
「妹がいたら、こんな感じかもな」
「……びっくりしました」
「ん?」
「まったく同じことを考えていました」
そうか、と小さな声で言う。彼が寂しそうな顔をしたのを見て、何故かレベッカは、自分が別邸で住むことになった日の話を、ぽつりとセルジオに話した。
一人で暮らしていた期間、退屈な時間はすべて読書に費やしていた話や、レベッカが母に会えたのは月に一度くらいだったことなど、幼い頃の話をした。
「ふうん、我が子なのにな……」
「昔から、あの人には母しか見えてませんし、母の関心が父以外の物に向くのを異様に嫌ってました」
「まあ……、分からなくもない」
「え?」
「……君が俺以外の誰かに関心を抱いたら……、別邸に住まわせる程度ではすまないかもな」
意外なことを聞いてレベッカは思考が固まった。
「じょ、冗談……?」
「いや」
今、自分はどんな顔をしているのか知りたくなる。端整な顔の男に見つめられ、真顔でそんなことを言われ、勝手に熱くなる頬と身体、おかしな鼓動を鳴らす胸、彼の瞳を逸らしたいような、逸らしたくないような、不思議な感覚に、とぷんと浸かってしまった。
――…………――。
自分の下で切なく目を眇める男を見下ろし、どうしてこんなことになってしまったのかと今更のように思う。ポーカーをしていただけ、昔話をしただけ、彼の独占欲を刺激しただけ、それだけのことだ……。
「あっ……っ、それ……いゃぁぁ……」
秘芽を指の腹でぐりぐり擦られて、たまらず背中が仰け反った。それでなくても彼の濃い茂みに擦れて膨れ上がった蕾は敏感になっている。
彼に跨ったまま、下から突き上げられ、最奥がきゅんと疼く、何度も蜜壺の中を掻きまわす熱い茎が、快楽を追い上げる。
「あぁ……、ぅう……あっ、ああっ……」
「たまらないな……」
上下、左右、と揺すられて、頭の中は、ある一点だけを追いかけていた。
――っ、悦い……。
あまりの気持ち良さに、変な言葉を口走りそうになる。「んくぅ」と必死に言葉を堪えていると、セルジオが起き上がる。
座ったままレベッカの腰をぐっと抱きしめると、彼が下から腰を突き上げ、荒い息が胸元にかかり、ぞくぞくしてくる。
「っんぅ……」
かぷっと胸に噛り付かれて、思わず腰が跳ねた。そのせいで淫らな音が、ぐちゅと聞え、さらに体が熱くなった。
「どうした……、声、我慢するな……」
「あ……、あっ、なんだか……恥ずかしい……」
くすっと笑った彼が、全て見られているのに、今さら恥ずかしいことはないと言う。
「どうされたい?」
「どう……?」
「何でもいい……、胸を弄れでもいい、股を舐めろでもいい……、ほら……、して欲しいことを言って見ろ」
そんなことを言われて、言えるわけが無いのに、とキっとセルジオを見ると、尖り切った乳首の先端を舌で押しつぶし吸い上げられる。
「あっ、あっ……」
「っく……、凄いな……中が……うねる……」
それはレベッカのせいじゃない、掻きまわすような腰使いで、所狭しと秘肉の中を暴れまくるセルジオの男根のせいなのに、まるで自分の意思でそんなことをしているかのように言われる。
どさっと寝台に仰向けに倒され、「ほら……、どうするんだ」と催促してくる。
「どうするって……、言われても……」
こちらの反応を楽しんでいるセルジオが、ニッと笑みを浮かべたまま微動だにしない。その様子を見て、どうしてもレベッカに言わせたいのだと知り、仕方なく彼の首に腕を回しながら、「あなたの好きに」と言えば、秘肉の中で熱くなる彼のモノが一段と大きくなった。
セルジオが、一旦腰を引くと、レベッカの腰を掴み、ずんと奥へ入り込んで来る。
「ひっ……っぅ……!」
「ご要望通りに……」
そう言った瞬間、怒張が激しく動き出した。中を抉られるように擦られて、更には打ち付けられる腰で秘芽を擦り上げる。
激しい腰使いに、くらくらと脳まで揺れて、一気に快楽の渦に巻き込まれた。
「あぁっ、あ……、いっあぁ――!」
「っ……」
熱い飛沫がどくどくと流し込まれ、最奥が熱くじわりと濡れるのを感じながら、彼の体温に包まれ眠りについた。
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