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初恋の王子様
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最悪のデート日からの、明けの月曜日。
「ほのかちゃん、ごめんねっ…」
マスクをした優馬くんが、あたしに会うなり謝ってきた。
「…そんな!風邪なんだからしょうがないよ!」
もしかしたら、今日は学校休むのかなと思っていたから、思ったよりも元気そうな優馬くんを見れて安心した。
優馬くんとのデートも楽しみだったけど、やっぱりあたしは優馬くんの顔を見れるだけで毎日が幸せだ。
そんな平凡な日々が続いた。
たまに燈馬くんが入れ替わって花森にやってくるけど、あたしは口をきかなかった。
そして、いつしか季節は移り変わり、過ごしやすい気温が続く秋から、冷たい北風が吹く冬になった。
街はイルミネーションに彩られ、クリスマスソングが流れている。
今日は2学期の終業式。
明日からは冬休みだ。
「それでは、よいお年を!」
担任の先生がそう締めくくり、2学期最後の終礼が終わった。
「それじゃあ、ほのか。先に帰るねっ」
「うん!また新学期に」
あたしはアミに手を振る。
この日が日直だったあたしは、教室に残って日誌を書いていた。
書き終わるころには、教室にはもうだれもいなかった。
職員室へ行き、担任の先生へ日誌を届ける。
「ご苦労さま、朝倉」
「いえ。それじゃあ、あたしはこれで」
「ああ。気をつけて帰れよ」
「はい、さような――」
「ちょっといいですか?」
先生にあいさつしようとしたとき、あたしたちのところへ美術の先生がやってきた。
「どうかしましたか?」
担任の先生がくるりとイスといっしょに振り返る。
「渡優馬は先生のクラスですよね?」
「そうですが」
「冬休みの課題の彫刻、美術室に取りにくるように事前に伝えていたのですが、渡くんだけ取りにきてないんですよ」
「あ~…。渡のヤツ、たまに抜けてるところありますからねぇ」
「新学期に提出予定なので、渡くんの家に今日か明日中に取りにくるように連絡してもらえますか?」
「わかりました」
美術の課題である彫刻の木の板を預かる担任の先生。
「…まったく。渡のヤツは…」
そうぼやきながら、先生はクラスの連絡先の書かれたファイルを机の引き出しから取り出した。
「あの、先生っ…」
それを見て、あたしは先生に声をかけた。
「あたし、渡くんの連絡先知ってます。なので、あたしが今から届けましょうか?」
「えっ、いいのか?朝倉」
「はい!任せてください」
今日、あまり優馬くんと話せなかった。
このまま冬休みに入ってしまうのは寂しかったから、この美術の課題を届ける口実に優馬くんに会えたらなと思った。
それに、優馬くんの行くところは知っていた。
帰りに、他校の友達と駅前のファストフード店にお昼ごはんを食べに行くという話が聞こえたから。
「それじゃあお願いするよ」
あたしは先生から美術の課題を受け取った。
駅前のファストフード店に到着。
店内に入って、優馬くんの姿を探す。
お店の中は、あたしのような終業式を終えた学生たちであふれていた。
ひと通り探したけど、優馬くんの姿は見当たらない。
「ここじゃなかったのかな…」
ここで会えれば美術の課題を渡せると思ったんだけど…。
あたしは携帯を取り出し、優馬くんに連絡することにした。
しかし、運悪くこのタイミングで携帯の充電が切れてしまった。
…最悪だ。
そのとき、ちょうどあたしのお腹の虫が鳴く。
お腹も空いたことだし、この状況でこのファストフード店のジャンキーな匂いには絶えられない。
あたしはひとまず、ここでお昼を済ませることにした。
ハンバーガーとポテトとジュースのついたセットを購入。
空いている席を探す。
だけど、さっきまでいくつが空席があったのに、あたしがお会計している間にすべて埋まってしまっていた…!
「どうしよう…」
キョロキョロと空席を探しながら、店内を歩く。
すると――。
「ここなら空いてるけど」
そんな声が聞こえて見下ろすと、ボックスタイプのテーブル席に1人で座る燈馬くんだった。
「と…燈馬くん…!」
久しぶりの燈馬くんに思わず動揺してしまう。
「なんで…こんなところにっ」
「なんでって、終業式の帰りに昼メシ食いにきただけなんだけど」
チラリとあたしに目をやる燈馬くん。
「座ったら?」
「…結構です!」
あたしを騙してデートにきたこと、あたしはまだ許していない。
そんな燈馬くんといっしょにお昼ごはんなんか食べられない。
「あたしは他の席を探すから」
そう言ってみたものの、…他に席が空く気配はなかった。
「べつになにもしねぇよ。無理に話そうとしなくたっていいし。俺だって、食べ終わったらすぐに帰るからさ」
見ると、燈馬くんはすでにハンバーガーを食べ終えていて、残っているのはポテトとジュースだけのようだった。
「そ…、それじゃあ…」
あたしはおずおずと燈馬くんとテーブルを挟んだ向かいの席に座った。
優馬くんがいないとなると、やっぱり連絡してみるしかないよね。
それなら、一度家に帰って携帯を充電して…。
といろいろ考えていたけど、ふと前に座る燈馬くんが目に入った。
そもそも、燈馬くんに美術の課題を渡せばいいだけだよね…?
優馬くんに渡しておいてって言って。
本当は直接優馬くんに渡したいところだけど、課題だから早めに届けたほうがいいよね。
でも…、燈馬くんに話しかけるのは……。
そんなことを考えていると、燈馬くんは席を外してどこかへ行った。
荷物は置いてあるままだから、また戻ってはくるみたい。
そのとき、後ろの席から物音が聞こえた。
「ごめん、お待たせっ」
さらに、知ったことのある声。
「遅ぇよ、優馬~」
「ほんとごめん!本屋寄ってたんだけど、探すのに時間かかっちゃって」
少しだけ振り返ると、なんと隣のボックス席に優馬くんが座った。
あたしとは、背もたれを挟むようにして背中合わせで座っている状態。
どうやら、隣のボックス席に1人で座っていたのは優馬くんの友達だったようだ。
優馬くんに声をかけようかと思ったけど、楽しそうな話し声が聞こえる。
邪魔するのは悪いと思って、またあとにすることにした。
学校の話やサッカーの話など、他愛のない話で盛り上がる優馬くんたち。
「そういえば、最近どうなの?」
「最近?オレ、優馬になにか話してたっけ?」
「気になるコがいるって、前に言ってたじゃん」
「ああ~、その話ね…」
優馬くんからの問いかけで、話題は恋愛の話へと変わった。
「あのコ、かわいかったんだけどな~。…振られた」
「え!そうなの?」
「ああ。だから優馬、あとでジュースおごって」
「なんだよ、それ~。まぁ仕方ないな」
友達をなぐさめる優馬くん。
そんなやさしいところは、学校の外でも変わらない。
「…で、優馬はどうなの?」
「俺…?」
「だって優馬って、すっげーモテるじゃん。同じ男としてめちゃくちゃうらやましい」
「そうかな~?俺、モテたことないけどなぁ」
その話を聞いて、あたしは思わず声をかけそうになった。
優馬くんは学校一モテてると言っても過言じゃないのに、そのことをまったく自覚していなかった。
それと同時に、どこか寂しい気持ちにもなった。
…あたし、優馬くんにいろいろとアピールしてたつもりだったんだけど。
あんまり響いてなかったのかなって。
「まぁ、優馬って抜けてるところあるからな。そこが憎めないんだよなー」
優馬くんの友達は笑っている。
「ほのかちゃん、ごめんねっ…」
マスクをした優馬くんが、あたしに会うなり謝ってきた。
「…そんな!風邪なんだからしょうがないよ!」
もしかしたら、今日は学校休むのかなと思っていたから、思ったよりも元気そうな優馬くんを見れて安心した。
優馬くんとのデートも楽しみだったけど、やっぱりあたしは優馬くんの顔を見れるだけで毎日が幸せだ。
そんな平凡な日々が続いた。
たまに燈馬くんが入れ替わって花森にやってくるけど、あたしは口をきかなかった。
そして、いつしか季節は移り変わり、過ごしやすい気温が続く秋から、冷たい北風が吹く冬になった。
街はイルミネーションに彩られ、クリスマスソングが流れている。
今日は2学期の終業式。
明日からは冬休みだ。
「それでは、よいお年を!」
担任の先生がそう締めくくり、2学期最後の終礼が終わった。
「それじゃあ、ほのか。先に帰るねっ」
「うん!また新学期に」
あたしはアミに手を振る。
この日が日直だったあたしは、教室に残って日誌を書いていた。
書き終わるころには、教室にはもうだれもいなかった。
職員室へ行き、担任の先生へ日誌を届ける。
「ご苦労さま、朝倉」
「いえ。それじゃあ、あたしはこれで」
「ああ。気をつけて帰れよ」
「はい、さような――」
「ちょっといいですか?」
先生にあいさつしようとしたとき、あたしたちのところへ美術の先生がやってきた。
「どうかしましたか?」
担任の先生がくるりとイスといっしょに振り返る。
「渡優馬は先生のクラスですよね?」
「そうですが」
「冬休みの課題の彫刻、美術室に取りにくるように事前に伝えていたのですが、渡くんだけ取りにきてないんですよ」
「あ~…。渡のヤツ、たまに抜けてるところありますからねぇ」
「新学期に提出予定なので、渡くんの家に今日か明日中に取りにくるように連絡してもらえますか?」
「わかりました」
美術の課題である彫刻の木の板を預かる担任の先生。
「…まったく。渡のヤツは…」
そうぼやきながら、先生はクラスの連絡先の書かれたファイルを机の引き出しから取り出した。
「あの、先生っ…」
それを見て、あたしは先生に声をかけた。
「あたし、渡くんの連絡先知ってます。なので、あたしが今から届けましょうか?」
「えっ、いいのか?朝倉」
「はい!任せてください」
今日、あまり優馬くんと話せなかった。
このまま冬休みに入ってしまうのは寂しかったから、この美術の課題を届ける口実に優馬くんに会えたらなと思った。
それに、優馬くんの行くところは知っていた。
帰りに、他校の友達と駅前のファストフード店にお昼ごはんを食べに行くという話が聞こえたから。
「それじゃあお願いするよ」
あたしは先生から美術の課題を受け取った。
駅前のファストフード店に到着。
店内に入って、優馬くんの姿を探す。
お店の中は、あたしのような終業式を終えた学生たちであふれていた。
ひと通り探したけど、優馬くんの姿は見当たらない。
「ここじゃなかったのかな…」
ここで会えれば美術の課題を渡せると思ったんだけど…。
あたしは携帯を取り出し、優馬くんに連絡することにした。
しかし、運悪くこのタイミングで携帯の充電が切れてしまった。
…最悪だ。
そのとき、ちょうどあたしのお腹の虫が鳴く。
お腹も空いたことだし、この状況でこのファストフード店のジャンキーな匂いには絶えられない。
あたしはひとまず、ここでお昼を済ませることにした。
ハンバーガーとポテトとジュースのついたセットを購入。
空いている席を探す。
だけど、さっきまでいくつが空席があったのに、あたしがお会計している間にすべて埋まってしまっていた…!
「どうしよう…」
キョロキョロと空席を探しながら、店内を歩く。
すると――。
「ここなら空いてるけど」
そんな声が聞こえて見下ろすと、ボックスタイプのテーブル席に1人で座る燈馬くんだった。
「と…燈馬くん…!」
久しぶりの燈馬くんに思わず動揺してしまう。
「なんで…こんなところにっ」
「なんでって、終業式の帰りに昼メシ食いにきただけなんだけど」
チラリとあたしに目をやる燈馬くん。
「座ったら?」
「…結構です!」
あたしを騙してデートにきたこと、あたしはまだ許していない。
そんな燈馬くんといっしょにお昼ごはんなんか食べられない。
「あたしは他の席を探すから」
そう言ってみたものの、…他に席が空く気配はなかった。
「べつになにもしねぇよ。無理に話そうとしなくたっていいし。俺だって、食べ終わったらすぐに帰るからさ」
見ると、燈馬くんはすでにハンバーガーを食べ終えていて、残っているのはポテトとジュースだけのようだった。
「そ…、それじゃあ…」
あたしはおずおずと燈馬くんとテーブルを挟んだ向かいの席に座った。
優馬くんがいないとなると、やっぱり連絡してみるしかないよね。
それなら、一度家に帰って携帯を充電して…。
といろいろ考えていたけど、ふと前に座る燈馬くんが目に入った。
そもそも、燈馬くんに美術の課題を渡せばいいだけだよね…?
優馬くんに渡しておいてって言って。
本当は直接優馬くんに渡したいところだけど、課題だから早めに届けたほうがいいよね。
でも…、燈馬くんに話しかけるのは……。
そんなことを考えていると、燈馬くんは席を外してどこかへ行った。
荷物は置いてあるままだから、また戻ってはくるみたい。
そのとき、後ろの席から物音が聞こえた。
「ごめん、お待たせっ」
さらに、知ったことのある声。
「遅ぇよ、優馬~」
「ほんとごめん!本屋寄ってたんだけど、探すのに時間かかっちゃって」
少しだけ振り返ると、なんと隣のボックス席に優馬くんが座った。
あたしとは、背もたれを挟むようにして背中合わせで座っている状態。
どうやら、隣のボックス席に1人で座っていたのは優馬くんの友達だったようだ。
優馬くんに声をかけようかと思ったけど、楽しそうな話し声が聞こえる。
邪魔するのは悪いと思って、またあとにすることにした。
学校の話やサッカーの話など、他愛のない話で盛り上がる優馬くんたち。
「そういえば、最近どうなの?」
「最近?オレ、優馬になにか話してたっけ?」
「気になるコがいるって、前に言ってたじゃん」
「ああ~、その話ね…」
優馬くんからの問いかけで、話題は恋愛の話へと変わった。
「あのコ、かわいかったんだけどな~。…振られた」
「え!そうなの?」
「ああ。だから優馬、あとでジュースおごって」
「なんだよ、それ~。まぁ仕方ないな」
友達をなぐさめる優馬くん。
そんなやさしいところは、学校の外でも変わらない。
「…で、優馬はどうなの?」
「俺…?」
「だって優馬って、すっげーモテるじゃん。同じ男としてめちゃくちゃうらやましい」
「そうかな~?俺、モテたことないけどなぁ」
その話を聞いて、あたしは思わず声をかけそうになった。
優馬くんは学校一モテてると言っても過言じゃないのに、そのことをまったく自覚していなかった。
それと同時に、どこか寂しい気持ちにもなった。
…あたし、優馬くんにいろいろとアピールしてたつもりだったんだけど。
あんまり響いてなかったのかなって。
「まぁ、優馬って抜けてるところあるからな。そこが憎めないんだよなー」
優馬くんの友達は笑っている。
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