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一目惚れした王子様
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ポカポカした、陽気な天気。
満開だった桜は、すっかり葉桜になってしまった。
「ほのか、帰ろ~っ」
そんな声が聞こえて、あたしは振り返る。
肩につくかつかないかくらいのボブ。
スカートの丈は、思い切って膝上。
だけど、どこにでもいるような普通の女子中学生。
それは、朝倉(アサクラ)ほのか。
…あたしのこと。
今、声をかけてくれたのは、アミ。
あたしよりも頭半分くらい背が高くて、ストレートのロングヘアがとっても似合う女の子。
このクラスになって、一番最初に友達になったのがアミだ。
あたしが、この私立花森(ハナモリ)中学校に入学してから、もうすぐで1ヶ月が経とうとする。
深緑のブレザーに、大きな赤いリボン。
そして、ベージュのチェック柄のスカート。
これが、花森中学の制服。
アミとは帰る方向が同じで、いつもいっしょに帰っている。
「そうだ!この前新しくできたクレープ屋さん行こうよ!」
アミがそう誘ってくる。
こんな風に、寄り道することもしばしば。
公園の近くに、ワゴン販売しているクレープ屋さん。
一度、アミと2人で通りかかったときから気になっていた。
「アタシ、チョコバナナアイスクレープ!」
「じゃあ、あたしは…。フルーツミックスクレープで!」
それぞれの出来上がったクレープを持って、近くのベンチへ。
「うん♪おいしー♪」
「ほのか!そっちのフルーツミックスと、アタシのチョコバナナ、交換しよ!」
「いいよー!」
あたしたちは、甘いクレープを頬張った。
「そういえば、ほのかって彼氏とかいるの?」
「かっ…彼氏…!?」
アミが突拍子もないことを言い出すから、あたしは思わずむせてしまった。
「…えっ、ごめん!アタシ、なんか変なこと聞いちゃった?」
「だ…って、彼氏だなんて…そんな人、できたこともないから。それに、あたしたち…まだ中1だよ?」
「中1でも、彼氏いるコはいるよ~。ほのかかわいいから、てっきり彼氏でもいるのかと思った」
「そんなわけないよ~…。しかも、わたし…小学校の時はこんな感じじゃなかったから…」
語尾になるにつれて、わたしの声は小さくなっていく。
自信なさげなわたしの表情を見て、不思議そうに首をかしげるアミ。
「…実はわたし、いわゆる『中学生デビュー』…ってやつなんだよね」
ついこの間までの小学生のあたしは――。
重たいロングヘアをいつも三つ編みに結んでいた。
それに、黒縁メガネ。
卒業を機に、雑誌を美容院に持って行って、今のようなボブにしてもらった。
それから、メガネからコンタクトに変えて。
膝上スカートに、ローファー。
もともと友達付き合いは苦手なほうだったし、受験勉強ばかりで親しく話せる友達も少なかった。
だから、だれかを好きになったこともないし、『恋バナ』や『彼氏』というワードにさえ耐性がついていなかった。
だけど、『あること』がきっかけで、こんな自分を変えたいと思って、がんばってイメチェンしてみたけど――。
この話をアミに打ち明けてみたら、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
「わ…笑うなら、遠慮せずに笑ってねっ。こんなこと、だれかに話したの…初めてだしっ…」
わたしは照れ隠しで笑ってみせる。
「なにそれー!ほのか、今まで恋したこともないのー!?ウケるー!」
なんて言って、笑われると思った。
――だけど。
「いいじゃんっ。せっかく中学デビューしたんだし、学校生活思いっきり楽しもうよ!」
アミは笑わなかった。
「…え、…えっ…。なんで笑わないの…?」
「なんで笑うの?笑う要素、1つもないじゃんっ」
アミは、キョトンとしてあたしを見つめる。
「でも、ついこの間までのあたし…ものすごくダサダサだったんだよ?」
「そんなの関係ないってー。それに、中学デビューする前もしたあとも、ほのかはほのかでしょ?」
「…アミっ」
アミの言葉に、目の奥がじわっと熱くなる。
小学生のときのわたしを知ったら幻滅されるんじゃないかとも思った。
それに、本当に中学デビューできているのかも不安だった。
だけど、アミがそう言ってくれて素直にうれしかった。
「ほのか、もっと自分に自信持って!アタシ、ほのかのそのふわふわボブがかわいいと思って、入学式の日に声かけたんだから!」
「…えっ!そうなの!?」
「うん♪だから、きっとこの中学でいい恋もできるよ!」
アミがわたしの背中をたたく。
少し力が強かったけど、あたしは笑って応えた。
「ところで、ほのか。実はもう、好きな人いるでしょ?」
「…んぇっ!?」
唐突なアミの質問に、あたしの喉から変な声がもれた。
「その反応は、…図星でしょ♪」
にやけるアミに、なにも言葉を返せない。
…そう、アミの言う通り。
「なんでわかったの…!?」
「そんなの、ほのか見てたらわかるよっ」
アミは、本当にあたしのことをよく見てくれている。
そう。
わたしは、今初めての恋をしている。
「優馬(ユウマ)でしょ?」
その名前に反応して、心臓がドキッとした。
「…そこまでっ!?」
「だって、ずっと目で追ってるじゃん!」
相手の名前まで言い当てられてしまった。
アミにはなんでもお見通しだ。
「す…好きっていうか、…気になる人…かな」
「それを“好き”って言うんでしょ♪」
ニヤニヤするアミに、脇腹を突つかれる。
「優馬、いいじゃんっ。カッコイイし、おもしろいし、サッカーうまいし」
同じクラスの渡(ワタリ)優馬くんは、背が高くてカッコイイ且つ、運動神経もいい。
優しくて、まるで王子様のような存在だ。
「でも、ライバルは多いだろうね」
あたしはガックリと肩を落とす。
クラスで人気者の優馬くんは、他のクラスからも人気があって――。
…ううん、他の学年からも人気がある。
「でもさ、男子なんてべつに優馬以外でもいるじゃん」
「それじゃダメなのっ…!優馬くんがいいの」
「…あっちゃ~。ほのか、完全に優馬にオチてるね」
学校で優馬くんの姿を見かけたり、声が聞こえただけで、すごくドキドキする。
「アタシは、優馬みたいな“王子様系”よりも“ワイルド系”がいいから、なんとも思わないけど…。優馬のどういうところがいいの?」
「…ん~、なんて言うか…。あたしの一目惚れ…なんだよね」
あたしは、優馬くんと出会ったときのことをアミに話した。
あれは、今から3ヶ月前――。
まだ、凍えるような北風が吹いていたころ。
「ほのか、がんばってね!」
「お前なら、大丈夫だ!自信持て!」
「うん、ありがとうっ。いってきます!」
あたしは、お母さんとお父さんに見送られながら家を出た。
握り締めた手の中には、『合格祈願』と書かれたお守り。
それと色違いのお守りが、あたしのスクールバッグにも付いていた。
今日は、本命の私立花森中学校の試験日。
あたしはいつものように、黒縁メガネをかけて、髪を三つ編みに結び、試験会場の花森中学に向かった。
学校案内のとき以来にきた、花森中学。
あと数ヶ月後には、ここの生徒になっていたい。
そう思いながら、学校の門をくぐった。
緊張でバクバクする心臓をなんとか落ち着かせて、試験会場の教室に向かった。
1ー3。
ここが、あたしが試験を受ける教室。
受験票に記載されている受験番号と照らし合わせて、自分の席に着く。
あたしの席は、窓側の一番後ろだった。
教室を見渡せる場所。
みんな最後の確認なのか、参考書を必死になって読んでいる。
…あたしもっ!
負けじと、あたしも参考書を読む。
――それから、どれくらい経っただろうか。
「参考書や試験に必要ないものは、カバンにしまってください」
試験監督の人が入ってきた。
受験者は、慌ててバッグに物をしまう。
ふと、隣の席に目を移すと…空席だった。
あれ…?
この席は、だれもいないのかな?
満開だった桜は、すっかり葉桜になってしまった。
「ほのか、帰ろ~っ」
そんな声が聞こえて、あたしは振り返る。
肩につくかつかないかくらいのボブ。
スカートの丈は、思い切って膝上。
だけど、どこにでもいるような普通の女子中学生。
それは、朝倉(アサクラ)ほのか。
…あたしのこと。
今、声をかけてくれたのは、アミ。
あたしよりも頭半分くらい背が高くて、ストレートのロングヘアがとっても似合う女の子。
このクラスになって、一番最初に友達になったのがアミだ。
あたしが、この私立花森(ハナモリ)中学校に入学してから、もうすぐで1ヶ月が経とうとする。
深緑のブレザーに、大きな赤いリボン。
そして、ベージュのチェック柄のスカート。
これが、花森中学の制服。
アミとは帰る方向が同じで、いつもいっしょに帰っている。
「そうだ!この前新しくできたクレープ屋さん行こうよ!」
アミがそう誘ってくる。
こんな風に、寄り道することもしばしば。
公園の近くに、ワゴン販売しているクレープ屋さん。
一度、アミと2人で通りかかったときから気になっていた。
「アタシ、チョコバナナアイスクレープ!」
「じゃあ、あたしは…。フルーツミックスクレープで!」
それぞれの出来上がったクレープを持って、近くのベンチへ。
「うん♪おいしー♪」
「ほのか!そっちのフルーツミックスと、アタシのチョコバナナ、交換しよ!」
「いいよー!」
あたしたちは、甘いクレープを頬張った。
「そういえば、ほのかって彼氏とかいるの?」
「かっ…彼氏…!?」
アミが突拍子もないことを言い出すから、あたしは思わずむせてしまった。
「…えっ、ごめん!アタシ、なんか変なこと聞いちゃった?」
「だ…って、彼氏だなんて…そんな人、できたこともないから。それに、あたしたち…まだ中1だよ?」
「中1でも、彼氏いるコはいるよ~。ほのかかわいいから、てっきり彼氏でもいるのかと思った」
「そんなわけないよ~…。しかも、わたし…小学校の時はこんな感じじゃなかったから…」
語尾になるにつれて、わたしの声は小さくなっていく。
自信なさげなわたしの表情を見て、不思議そうに首をかしげるアミ。
「…実はわたし、いわゆる『中学生デビュー』…ってやつなんだよね」
ついこの間までの小学生のあたしは――。
重たいロングヘアをいつも三つ編みに結んでいた。
それに、黒縁メガネ。
卒業を機に、雑誌を美容院に持って行って、今のようなボブにしてもらった。
それから、メガネからコンタクトに変えて。
膝上スカートに、ローファー。
もともと友達付き合いは苦手なほうだったし、受験勉強ばかりで親しく話せる友達も少なかった。
だから、だれかを好きになったこともないし、『恋バナ』や『彼氏』というワードにさえ耐性がついていなかった。
だけど、『あること』がきっかけで、こんな自分を変えたいと思って、がんばってイメチェンしてみたけど――。
この話をアミに打ち明けてみたら、顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
「わ…笑うなら、遠慮せずに笑ってねっ。こんなこと、だれかに話したの…初めてだしっ…」
わたしは照れ隠しで笑ってみせる。
「なにそれー!ほのか、今まで恋したこともないのー!?ウケるー!」
なんて言って、笑われると思った。
――だけど。
「いいじゃんっ。せっかく中学デビューしたんだし、学校生活思いっきり楽しもうよ!」
アミは笑わなかった。
「…え、…えっ…。なんで笑わないの…?」
「なんで笑うの?笑う要素、1つもないじゃんっ」
アミは、キョトンとしてあたしを見つめる。
「でも、ついこの間までのあたし…ものすごくダサダサだったんだよ?」
「そんなの関係ないってー。それに、中学デビューする前もしたあとも、ほのかはほのかでしょ?」
「…アミっ」
アミの言葉に、目の奥がじわっと熱くなる。
小学生のときのわたしを知ったら幻滅されるんじゃないかとも思った。
それに、本当に中学デビューできているのかも不安だった。
だけど、アミがそう言ってくれて素直にうれしかった。
「ほのか、もっと自分に自信持って!アタシ、ほのかのそのふわふわボブがかわいいと思って、入学式の日に声かけたんだから!」
「…えっ!そうなの!?」
「うん♪だから、きっとこの中学でいい恋もできるよ!」
アミがわたしの背中をたたく。
少し力が強かったけど、あたしは笑って応えた。
「ところで、ほのか。実はもう、好きな人いるでしょ?」
「…んぇっ!?」
唐突なアミの質問に、あたしの喉から変な声がもれた。
「その反応は、…図星でしょ♪」
にやけるアミに、なにも言葉を返せない。
…そう、アミの言う通り。
「なんでわかったの…!?」
「そんなの、ほのか見てたらわかるよっ」
アミは、本当にあたしのことをよく見てくれている。
そう。
わたしは、今初めての恋をしている。
「優馬(ユウマ)でしょ?」
その名前に反応して、心臓がドキッとした。
「…そこまでっ!?」
「だって、ずっと目で追ってるじゃん!」
相手の名前まで言い当てられてしまった。
アミにはなんでもお見通しだ。
「す…好きっていうか、…気になる人…かな」
「それを“好き”って言うんでしょ♪」
ニヤニヤするアミに、脇腹を突つかれる。
「優馬、いいじゃんっ。カッコイイし、おもしろいし、サッカーうまいし」
同じクラスの渡(ワタリ)優馬くんは、背が高くてカッコイイ且つ、運動神経もいい。
優しくて、まるで王子様のような存在だ。
「でも、ライバルは多いだろうね」
あたしはガックリと肩を落とす。
クラスで人気者の優馬くんは、他のクラスからも人気があって――。
…ううん、他の学年からも人気がある。
「でもさ、男子なんてべつに優馬以外でもいるじゃん」
「それじゃダメなのっ…!優馬くんがいいの」
「…あっちゃ~。ほのか、完全に優馬にオチてるね」
学校で優馬くんの姿を見かけたり、声が聞こえただけで、すごくドキドキする。
「アタシは、優馬みたいな“王子様系”よりも“ワイルド系”がいいから、なんとも思わないけど…。優馬のどういうところがいいの?」
「…ん~、なんて言うか…。あたしの一目惚れ…なんだよね」
あたしは、優馬くんと出会ったときのことをアミに話した。
あれは、今から3ヶ月前――。
まだ、凍えるような北風が吹いていたころ。
「ほのか、がんばってね!」
「お前なら、大丈夫だ!自信持て!」
「うん、ありがとうっ。いってきます!」
あたしは、お母さんとお父さんに見送られながら家を出た。
握り締めた手の中には、『合格祈願』と書かれたお守り。
それと色違いのお守りが、あたしのスクールバッグにも付いていた。
今日は、本命の私立花森中学校の試験日。
あたしはいつものように、黒縁メガネをかけて、髪を三つ編みに結び、試験会場の花森中学に向かった。
学校案内のとき以来にきた、花森中学。
あと数ヶ月後には、ここの生徒になっていたい。
そう思いながら、学校の門をくぐった。
緊張でバクバクする心臓をなんとか落ち着かせて、試験会場の教室に向かった。
1ー3。
ここが、あたしが試験を受ける教室。
受験票に記載されている受験番号と照らし合わせて、自分の席に着く。
あたしの席は、窓側の一番後ろだった。
教室を見渡せる場所。
みんな最後の確認なのか、参考書を必死になって読んでいる。
…あたしもっ!
負けじと、あたしも参考書を読む。
――それから、どれくらい経っただろうか。
「参考書や試験に必要ないものは、カバンにしまってください」
試験監督の人が入ってきた。
受験者は、慌ててバッグに物をしまう。
ふと、隣の席に目を移すと…空席だった。
あれ…?
この席は、だれもいないのかな?
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