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脱出

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ヴァイスはイリスの囚われた
磔刑台を爪で破壊し、彼女を助け出す。

「全く、イリス姉さんは無茶ばかりするんだから。」

「そりゃ、ヴァイスが何時でも何処でも
私の事を助けに来てくれるからねぇ
幾らでも無茶が出来るのよ。」

イリスは拘束されていた手脚の血行を
よくする為、軽くマッサージをしている。

「…ところで、このおっさんどうする?バラす?」

「うーん…下手にヤると混乱大きいだろうし、縛って吊るしておこうか。」

「わかった、そう言えばイリス姉さんの
レーシングスーツとバイクとか確保して
隠して置いたから、用が済んでるなら
さっさと逃げようぜ。」

イリスは欠伸と伸びをしながらヴァイスの
話を聴いていた。背筋をのばした勢いで
彼女の豊満な乳房がたゆんと揺れる。

「急ぐ必要はないと思うけど…それより、一発ヌいとかない?私の身体見て、溜まってるでしょ?ヴァイス♡」

イリスは両手を頭の後ろに掲げて
ヴァイスに身体を見せびらかす様に揺らす。
確かに唆る、しかし、ヴァイスは
イリスの誘いには乗らなかった。

「…それは…後でね」

「相変わらず真面目君だねぇー。まーいーや、じゃあそろそろ行こっか。」

ヴァイスは常に天真爛漫で陽気なイリスに
頭を抱えて悩んでいる様だった。
イリスはヴァイスに案内され
二人は全裸のまま、監視カメラ満載の
ビル内を歩く。

「あら、もう、全員やっつけたの?」

「俺の"姿"に油断した連中が多かったからね、ついでに」

「さすが、私のヴァイスくんだ、えらいえらい♡」

イリスはニッと微笑む。
ビル内の人間達は既にヴァイスが
全員叩きのめしていて
だいぶ静かな物であった。
所々に転がる男達の横を堂々と
まるで自慢の身体を見せつける様に
歩くイリスの姿はさしずめ
ランウェイを歩くモデルか
レッドカーペットを歩く俳優の様である。
ヴァイスは豪快に揺れるイリスの乳房を
彼女に気づかれない様にこっそりと
横目で見ていた、何時も見慣れている
彼女の身体であるはずなのに、何時見ても
心が躍り、肉竿が刺激される程である。

「あら、ヴァイス…。やっぱり、お姉さんの身体を今すぐ抱いた方が良いんじゃないの?」

ヴァイス側にふりふり尻を突き出す
前屈みのセクシーポーズ
イリスは均整の取れた形の良い尻を
左右に振りながら惜しげ間なく
彼を誘う様に見せつける、しかし
ヴァイスは一度決めた事は捻じ曲げない
そう言った芯のある性根で、幾ら
イリスが魅力的な女だからと言っても
股間の肉竿を硬くしながら
生唾を飲み込んで耐え忍ぶ事を選ぶ

「…そんなに挑発して…後で覚悟してよ?」

「そりゃ、楽しみだよ♡」

「…全く、ほらイリス姉さん、ついたよ」

ヴァイスは自分の背丈より
小さい扉を指差した。扉の鍵は開いていて
部屋の明かりは消えていて真っ暗だった。

「姉さん、俺が外を見張ってるから
さっさと準備してきてよ。」

「あいあい、何時もありがとね
ヴァイスくん♡」

部屋の外でイリスが奏でる衣ずれの音や
ベルトやファスナーを閉めるカチカチと言う音やシャーッと言う音、ロッカーを揺らす
ガタガタと言う音や、何故か少し艶やかな
イリスの嬌声が短く聞こえて、彼は頭に
?の字を浮かべた。彼女は数分後ようやく
部屋から出てきた。漆黒の艶のあるレーシングスーツを纏い、正面のファスナーは
胸部の中腹より少し上あたりで止められ
豪快に胸元がVの時に開いていた。

「何時も似合ってるよ、姉さん」

「あらありがと、後でいい子いい子、してあげるからね♡」

イリスはそう言って微笑む。
二人は地下の駐車場へと向かう
コンクリートに四方を囲まれ
誰も居ない駐車場には
部下達のものか、何台かの高級車が
止まっていた、薄明かりが二人の
シルエットをぼんやりと写していた。
大きな塊にかけられた布を取っ払うと
前後に2本の車輪がついた漆黒の
大型バイクが現れた。イリスは座席に座ると
エンジンに火を入れる。無骨な音を立てて
排気口から熱気を吐き出した。

「あらヴァイス、縮んでくれない
とバイクに乗れないわよ?」

「あ、すまない姉さん」

イリスにそう言われたヴァイスの骨格は
バキバキと音を立てて縮んでいく
筋骨隆々の青年は瞬く間に身体を縮ませ
小柄な可愛らしい少年の姿になった。
全裸の少年は先程、イリスがバイクから
とっぱらった被せ布を拾い上げて、
全裸の身体にマントの様にして
身を包む様に纏う。
ヴァイスは背後にイリスの跨り
彼女に抱きつく様にしがみついた
服越しから伝わる温もりと
ほのかに柔らかい身体が心地良かった。

「さあ出発よ!ヴァイス、お姉ちゃんから手を離しちゃダメよ?♡」

「うん!」

ホイールが回転しコンクリートを切り付け
勢い良く発進する。光を置き去りにして
二人を乗せたバイクは闇の中へ滑り込む
所々街灯が灯っていたが、すれ違う車など
運送業のトラック位で、何事もなく
ハイウェイに躍り出ると、ヴァイスは
イリスと出会った頃を思い出していた。
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