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反撃編
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Side マイケル
ルディヴィス様から前世の妹だという聖女が近々行動を起こす可能性があると報告、悩みの相談があった
何故悩みの相談まで俺にしてくるのか
深い事情がある…ルディヴィス様は言う、聖女が想像している乙女ゲームのシーンに自身の作戦を被せ、安全に確実に失態を犯させたい
しかし想定より早くどの段階で聖女が動くのか未知数な部分がある…情報を集めるにも、疑われたり逃げられたりしないようにしたい…可能であれば詳しい行動を起こす時と場所が知りたいと…
それを聞いて思った…なるほどって
確かにレオンハルト殿下やマイズ様達が聖女に無駄に接触すれば怪しまれるかもしれない…元から聖女に嫌悪感を抱いている方達の方が多いし、顔に少なからず嫌悪感が出てしまうお年頃だろう
………しかし、ルディヴィス様が無事に囮となる為…万全を期して作戦を遂行するためには少しでも情報が欲しい…さあ、どうする???
そこで、怪しまれず…いい感じにすんなり情報収集で活躍するのは誰か考えてみよう、…………俺だ
「これまでもマイケルが鳥肌と戦いながら夜会に参加して情報集めて来てくれていたことはわかる…あんまり行きたくないって内心思ってる事も知ってる…
けど、今回ばかりは予測だけで作戦を実行したら確実に怪我をする…
それはみんなが悲しむから…おれが情報を集められればいいけど…それも無理で…マイケル…こんな事頼んでごめん…でも助けて欲しいんだ…」
悲しそうな申し訳なさそうな…何とも言えない表情でルディヴィス様は俺に頼んでくる
自分が怪我する事よりもそれによって周囲が悲しむ事を心配し、命令すればいいのに命令はしない…断れば変な事言ってごめんと引き下がる貴族らしくない優しいお方だ…昔から優しい性格で心が綺麗な存在
だからこそ、大人として守ってやりたいと思う…素直に頼ってくれるのが嬉しいと思うんだろう
「任せて下さい、ルディヴィス様の作ったアクセサリーで身を固めるとあの香水と言うなの激臭も我慢できるくらいには消臭できるんですよ?
上手いこと情報を引き抜いてきます!」
そう答えると「ありがとう」って微笑むルディヴィス様…なんだろうその姿を見ていると心がホッコリする
サングイス公爵に見られたらたぶん怒られるけど、おじさん、自分の甥っ子みたいな子に弱いんです!辺りを誰も見ていないことを確認し、素直に頼れて偉いですってそっと頭を撫でた
サラサラの質のいい髪…怒らずに猫みたいにちょっとすり寄ってくるルディヴィス様はシャルティ様も言っているが普通に可愛いと思う
うーん、おじさんの心の癒し過ぎるんだよなぁ~
暫し、癒しを堪能し俺は夜会へ繰り出す
女性を酔わせる男前一族、ベルドット侯爵家の血筋で良かったとずっと嫌いだった自分の顔も好きになれる気がするんですよ、ルディヴィス様
……………………
……………
………
これでまでの調べから、あの聖女を贔屓にする男達が参加する夜会に聖女は訪れる…いや、その会場にしか参加出来ないという事は既に分かってる
レルム伯爵に内緒で庶民の出である聖女1人で夜会への招待状を手に入れたり、参加する事やそれに伴うドレスの購入など出来るわけが無いのだから
己に貢いでくれる侯爵や男爵達に準備させない限り不可能
俺は腐っても侯爵家の人間、装飾品の価値など見れば直に分かる…聖女が着用してるのは自身で購入できる筈の無い高価な物だ
そして、聖女は自分が一番可愛いと着飾るのが本当に好きだと分かる…これまで何度か調査で夜会に参加しているが、聖女は学業を疎かにして夜会にでてるんじゃないのか?ってくらいの頻度で見かける…これは気の所為か?
直近で開催される仮面舞踏会…ダマンタ侯爵主催の夜会なら居るだろうと、来てみたらやっぱり居た
胸元が大きく開いたピンクのドレスに薄紫の大きな宝石を輝かせ、仮面舞踏会なのに仮面がほぼ意味を成していない聖女が…
こんなにも離れてるのに仄かに香るのはあの激臭香水…
「大人を頼ってくださいよって言ったけど…うっ…やっぱりすげぇ苦手かも…でも、ここが俺の見せ所だよな…」
ベルドット侯爵家は見目麗しい一族、聖女の大好きな見た目をしているらしい
俺が会場入りして直におじさん達からチヤホヤされていたにも関わらず、俺の所に走ってくるんだから…
………………なんで淑女が走るんだよって言いたいのをぐっと堪え微笑みで迎え入れる
「これはこれはルチア様、お久しぶりです
今日も素敵なドレスですね?」
「マイケルさん!仮面姿もかっこいい…♡今日もルディヴィス様に酷いことされて息抜きですか?
本当に可哀想…あたしでよかったら何でも相談乗りますよ?怪我とかしてたらすぐ直してあげます♡」
「ふふ、お優しいんですねルチア様
怪我していないですが…少し、今の状況に疲れてしまっていて…(鳥肌やばい!香水やっぱクセェ!!鼻が曲がる!)ルチア様にはなんでもお見通しなんですね?」
ルディヴィスから貰ってるアクセサリーに少し触れるだけで悪臭が和らぐのだから凄い
平静を装い、近くに居た給仕からノンアルコールの飲み物を受け取り聖女へ渡す、今日のドレスを褒め宝石を褒め…ついでに顔面の麗しさを褒めてからソファに掛けてお話しませんか、と誘うと嬉しそうに着いてきた
少し煽ててやれば調子に乗る女…一見阿呆にも見えるが、この聖女がルディヴィス様を苦しめている諸悪の根源だ
こんな見た目と侮ってはいけない
男相手にはまるで可憐な乙女のような姿…愛して愛してと既婚者相手にも上手く強請る歪んだ性格の女
邪魔する者に対しては、上手く自分が被害を受けてると周囲に刷り込む事が出来る恐ろしい性格をしているのをみた瞬間…ゾッとしたのを覚えている
さて、どうこの聖女から情報を聞き出そうか…俺は君の味方だよ♡って囁くのが効率いいか…
いくら母親を救われたからといって、ジェイス殿下はこんな女の何処が良いんだかわからない
俺は悲しそうにサングイス公爵家で受けてる扱い(捏造)を悲しい顔で聖女に話、キミも辛いんだね?と同調し、情報の聞き出しを行った
ルディヴィス様から前世の妹だという聖女が近々行動を起こす可能性があると報告、悩みの相談があった
何故悩みの相談まで俺にしてくるのか
深い事情がある…ルディヴィス様は言う、聖女が想像している乙女ゲームのシーンに自身の作戦を被せ、安全に確実に失態を犯させたい
しかし想定より早くどの段階で聖女が動くのか未知数な部分がある…情報を集めるにも、疑われたり逃げられたりしないようにしたい…可能であれば詳しい行動を起こす時と場所が知りたいと…
それを聞いて思った…なるほどって
確かにレオンハルト殿下やマイズ様達が聖女に無駄に接触すれば怪しまれるかもしれない…元から聖女に嫌悪感を抱いている方達の方が多いし、顔に少なからず嫌悪感が出てしまうお年頃だろう
………しかし、ルディヴィス様が無事に囮となる為…万全を期して作戦を遂行するためには少しでも情報が欲しい…さあ、どうする???
そこで、怪しまれず…いい感じにすんなり情報収集で活躍するのは誰か考えてみよう、…………俺だ
「これまでもマイケルが鳥肌と戦いながら夜会に参加して情報集めて来てくれていたことはわかる…あんまり行きたくないって内心思ってる事も知ってる…
けど、今回ばかりは予測だけで作戦を実行したら確実に怪我をする…
それはみんなが悲しむから…おれが情報を集められればいいけど…それも無理で…マイケル…こんな事頼んでごめん…でも助けて欲しいんだ…」
悲しそうな申し訳なさそうな…何とも言えない表情でルディヴィス様は俺に頼んでくる
自分が怪我する事よりもそれによって周囲が悲しむ事を心配し、命令すればいいのに命令はしない…断れば変な事言ってごめんと引き下がる貴族らしくない優しいお方だ…昔から優しい性格で心が綺麗な存在
だからこそ、大人として守ってやりたいと思う…素直に頼ってくれるのが嬉しいと思うんだろう
「任せて下さい、ルディヴィス様の作ったアクセサリーで身を固めるとあの香水と言うなの激臭も我慢できるくらいには消臭できるんですよ?
上手いこと情報を引き抜いてきます!」
そう答えると「ありがとう」って微笑むルディヴィス様…なんだろうその姿を見ていると心がホッコリする
サングイス公爵に見られたらたぶん怒られるけど、おじさん、自分の甥っ子みたいな子に弱いんです!辺りを誰も見ていないことを確認し、素直に頼れて偉いですってそっと頭を撫でた
サラサラの質のいい髪…怒らずに猫みたいにちょっとすり寄ってくるルディヴィス様はシャルティ様も言っているが普通に可愛いと思う
うーん、おじさんの心の癒し過ぎるんだよなぁ~
暫し、癒しを堪能し俺は夜会へ繰り出す
女性を酔わせる男前一族、ベルドット侯爵家の血筋で良かったとずっと嫌いだった自分の顔も好きになれる気がするんですよ、ルディヴィス様
……………………
……………
………
これでまでの調べから、あの聖女を贔屓にする男達が参加する夜会に聖女は訪れる…いや、その会場にしか参加出来ないという事は既に分かってる
レルム伯爵に内緒で庶民の出である聖女1人で夜会への招待状を手に入れたり、参加する事やそれに伴うドレスの購入など出来るわけが無いのだから
己に貢いでくれる侯爵や男爵達に準備させない限り不可能
俺は腐っても侯爵家の人間、装飾品の価値など見れば直に分かる…聖女が着用してるのは自身で購入できる筈の無い高価な物だ
そして、聖女は自分が一番可愛いと着飾るのが本当に好きだと分かる…これまで何度か調査で夜会に参加しているが、聖女は学業を疎かにして夜会にでてるんじゃないのか?ってくらいの頻度で見かける…これは気の所為か?
直近で開催される仮面舞踏会…ダマンタ侯爵主催の夜会なら居るだろうと、来てみたらやっぱり居た
胸元が大きく開いたピンクのドレスに薄紫の大きな宝石を輝かせ、仮面舞踏会なのに仮面がほぼ意味を成していない聖女が…
こんなにも離れてるのに仄かに香るのはあの激臭香水…
「大人を頼ってくださいよって言ったけど…うっ…やっぱりすげぇ苦手かも…でも、ここが俺の見せ所だよな…」
ベルドット侯爵家は見目麗しい一族、聖女の大好きな見た目をしているらしい
俺が会場入りして直におじさん達からチヤホヤされていたにも関わらず、俺の所に走ってくるんだから…
………………なんで淑女が走るんだよって言いたいのをぐっと堪え微笑みで迎え入れる
「これはこれはルチア様、お久しぶりです
今日も素敵なドレスですね?」
「マイケルさん!仮面姿もかっこいい…♡今日もルディヴィス様に酷いことされて息抜きですか?
本当に可哀想…あたしでよかったら何でも相談乗りますよ?怪我とかしてたらすぐ直してあげます♡」
「ふふ、お優しいんですねルチア様
怪我していないですが…少し、今の状況に疲れてしまっていて…(鳥肌やばい!香水やっぱクセェ!!鼻が曲がる!)ルチア様にはなんでもお見通しなんですね?」
ルディヴィスから貰ってるアクセサリーに少し触れるだけで悪臭が和らぐのだから凄い
平静を装い、近くに居た給仕からノンアルコールの飲み物を受け取り聖女へ渡す、今日のドレスを褒め宝石を褒め…ついでに顔面の麗しさを褒めてからソファに掛けてお話しませんか、と誘うと嬉しそうに着いてきた
少し煽ててやれば調子に乗る女…一見阿呆にも見えるが、この聖女がルディヴィス様を苦しめている諸悪の根源だ
こんな見た目と侮ってはいけない
男相手にはまるで可憐な乙女のような姿…愛して愛してと既婚者相手にも上手く強請る歪んだ性格の女
邪魔する者に対しては、上手く自分が被害を受けてると周囲に刷り込む事が出来る恐ろしい性格をしているのをみた瞬間…ゾッとしたのを覚えている
さて、どうこの聖女から情報を聞き出そうか…俺は君の味方だよ♡って囁くのが効率いいか…
いくら母親を救われたからといって、ジェイス殿下はこんな女の何処が良いんだかわからない
俺は悲しそうにサングイス公爵家で受けてる扱い(捏造)を悲しい顔で聖女に話、キミも辛いんだね?と同調し、情報の聞き出しを行った
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