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幼少期編

魔力を学ぼう

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超絶可愛い美少女が実は野郎だったなんてと驚愕の事実に一瞬意識が飛びそうになる、そして思い出してきたクソ妹の乙女ゲームプレイ中の出来事…

そう、あれは残業から帰り飯を食べたいおれの邪魔をしていた時の話だ…たぶん…


『お兄ちゃんおかえり!遅すぎない?日付変わってるんだけどーウケる!あはははは!
ねぇ見てみて!新しい攻略対象クリアできそうなの
!白髪赤目のイケメンー!大司教の孫なのマイズ.エースメイス!
このイケメンねやばいんだよ~ヤンデレ?って感じ!自分が闇属性で光属性に超憧れててね聖女が究極の光属性だからもう狂信者並に愛しちゃうの!
ヤンデレ抉らせて可愛いんだよ?見た目がいい感じだから悪役令嬢も狙うんだけどねー全身バラバラにされて闇の中に葬られるホラーEND担当みたいな?

…………ちょっと、お兄ちゃん?お兄ちゃんってば!


聞いてる?


何で冷蔵庫みてるの?ちょっ…………』




飯を食わせろ!!クソ妹よ!!!
おま、終電間に合わなくて歩いて帰宅した兄に対する対応じゃねーんだよ!


……………余計な事まで思い出して悲しくなってきた…生前のおれ可愛そう過ぎない…?彼女なし、クソ妹あり…人生詰んでない?

ぼーっとしていたのだろう…いつの間にか父様が仕事から戻ってきていて、知らない間に公爵邸へ帰宅していた
帰宅したら玄関でおかえりしてくれるシャルティが可愛い…おれが、ちょっと悲しい顔してるからって頭撫でて心配してくれる義妹が超可愛い…
この転生はおれに対する神様からのご褒美だ絶対


一気に元気になり、意気揚々と家族に自分の属性を伝えたら凄いと褒められた…うん、やっぱり属性なんて関係ないんだよ
大司教の孫だった攻略対象者、マイズ様もそれに気付いてくれると嬉しい…
あの可愛い美少女が成長すると、悲しいことにイケメンの見た目になるの?本気で?マイズ様は肩まで伸びた髪の知的なイケメンだったと思う
美少女が野郎へ進化する…幼少期、見た目詐欺過ぎる!!



大司教様の孫と仲良くなった件についてもしっかりと父様に報告すると、凄く驚かれてた
マイズ様はおれが思っていた以上に性格がネジ曲がりそうになっていたのだ
強い光属性を適正とする大司教様…マイズ様のアルビノはこの世界でも珍しいらしく天使のような美しさに光属性が加われば時期大司教確実だと持て囃されていたらしい
なのに結果は闇属性、闇だからどうこうじゃない光属性以外は周囲から望まれていたものでは無く、失望の眼差しで見られる…そんな可哀想な子だった


闇属性と分かってから他人との接触を拒み何かに取り憑かれたように光属性を調べ泣いていたのだと言う…
だからこそ、そんなマイズ様と友達になれたおれに父様は驚き、ピザという文献でみたような気がするモノの話もしたおかげで魔術がうまく使えるようになったら庭でやってみてもいいと許可を貰えたのだ
父様優しい!好き!



シャルティは来年には魔力適正がわかる、来年のピザ作成に向けておれは魔術を学ぶ事を心に誓った









…………………
……………
………



翌日からおれと、従者として昨年魔力適正が分かったヘルリも一緒に魔力の授業が始まった
実はヘルリ、サングイス侯爵家に仕える執事ドニス夫妻の養子になったのだ
生涯サングイス家に仕えたいと言うのであればドニスの後継者として育てるのもありだと、毎日見習いの頃から頑張るヘルリを皆認めた結果だった
ヘルリ本人も喜んでたしドニス夫妻も娘しかいなかったため男子のドニスは後継者として心強いととても仲良し親子になりつつある

ゲームの世界では聖女の為に生きる騎士になるため教会の聖騎士を目指していたような気がするが幸せならどっちでもいいだろう
人狼化魔法が植え付けられてはいるが幸いヘルリ自身の魔力には影響が無かったことが嬉しい



そんなこんなで魔力の学習が始まった
魔力を知り魔術を学ぶのは恐ろしい程楽しい…感覚的には超楽しい方程式解いてる時の数学に似ていると思う
魔力を感じ、固めて飛ばすという設計図にどの程度の速度で角度でを計算するために方程式があるような?説明出来ないがとりあえず楽しい
発想が全てを変えそうな…そんな期待しかわかない!ピザ釜作れるじゃんこれとおれは日々楽しく学んでいるのだ


「ルディヴィス様はとても魔術の授業楽しそうにされますよね?ボクにはちょっと難しくて…すごいなと思います」


「何が出来るかなって考えるだけでワクワクするんだ…ぼくの魔力をどう使ってあげたら皆の役に立つかなとか…そんな学んでるから楽しいのかな?

ヘルリは風属性に若干火属性だったよね?それで何をしたい!って所から学んでみるのもいいと思うよ」


おれのそんなアドバイスは役に立ったのかそうでないのか、定かでは無いがその後一月程でヘルリはなんとドライヤー魔法的なの生み出してて天才かよってなった
何をしたいか考えたらおれやシャルティの髪をもっと綺麗に整えたいって気持ちになるの可愛すぎる…ヘルリよ

頑張ったご褒美に最近出せるようになった尻尾も含めてブラッシングしてあげるのが従者の主として大切な仕事だろう…それだけヘルリの未完成人狼化は可愛いのだ


おれも負けてはいられないと水と土、闇の魔力で何が出来るかな研究し、バーク先生からも魔術が大好きなのですねとお褒めの言葉を頂いたおれは闇の魔力が万能な事に気づいてしまった

形を変えて維持できる…闇の魔力…なにこれすごい
それに気付いてしまったおれがした事、小学生くらいの男子が好きそうな事を公爵令息規模でやってみた事がこの先もっと先の未来である効果を発揮することなど知る由もなく…







…………………
……………
………



「レオンハルト殿下、ルディヴィス様よりお届け物が届いております」


メイドがトレーを机に置き退室する
先日婚約者候補のお茶会をしたばかりだが…何かあったのだろうか…?そんな疑問を持ちつつも大好きなルディヴィスが俺にプレゼントしてくれるものならなんでも嬉しい

美しい箱は検分の為に一度開封され中が見えるように手紙と共にトレーに置かれている

箱の中身は俺の瞳の宝石…宝飾品に加工されていない研磨された状態だけの石が入っていた…何故このままで…?丸く研磨された宝石は綺麗だが用途がわからない…
これはどうしろと言うのだろうと、手紙に目を通すとルディヴィスらしいと思わず笑ってしまった


『親愛なるレオンハルト殿下

魔力適正が判明し、自身の魔力で何が出来るか検証した結果、宝石の原石を自らの魔力を駆使し研磨して美しく丸い球体を生み出すことに成功しました

レオンハルト殿下の瞳の色の宝石がとても良く丸く仕上がったのでプレゼント致します』



確かに凄く丸く綺麗に磨かれた石は確かに美しい…カッティングされ光の反射を楽しむ宝石では普通こんな加工はされない…
ルディヴィス…魔力適正が判明して派手な攻撃魔法とかじゃなく石を綺麗に磨くの頑張ってるって面白すぎないか…?

俺の癒しであり、原動力でもあるルディヴィス…彼が居たからこそ今の俺があると言ってもいい
公爵家嫡男である彼とは幼い頃の気の迷いとも取られているため、まだ婚約者候補止まり…だが諦めるつもりは無い
公爵には頑張って貰って後継者期待するか…シャルティを女公爵として認めさせる為に女性への活躍の場として法案を出してみるか…確実に気の迷いでは無いことを伝えて行かないとな…

美しく磨かれた宝石を光に透かし色々な事を考える、未来は誰にもわからない…けれど俺はルディヴィスと共にある未来を望みたい







補足
魔術→設計図と方程式に当てはめ決まった事象を起こせる、物や事象に有効的
魔法→人狼化や肉体強化、治癒魔法等
対人に付与する、他人の魔力に抵抗できる土台が無い場合一方的に魔力の侵食を受けるため、10歳未満には使用不可の場合が殆ど
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