離縁しようぜ旦那様

たなぱ

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夫婦編

複雑な心境

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おめでたい筈の結婚式、レラージェ国の問題児が目出度く嫁としてドラレイド帝国に送り出されて結ばれる契約的、穴嫁結婚式は周囲の歓喜とは裏腹に、初公務なおれの気持ちを揺さぶってきた



「まぁ!人族2人と多重婚?レドラ王子流石ですわ…!一人は例のあの王子…そして、ミルドろうばん…ろうばーん様…ってどんな爵位でしょうね?」

「流石だなレドラ王子、年下と年上の人族を同時に娶るとは…一人はかの問題王子を引き取ったわけだが素晴らしい拘束の仕方だな…こだわりを感じる…それでもドラレイド帝国王子らしいと言うべきか…」

「獣人にはもしかしたら合わなかったのかもしれませんわね重すぎる愛故の33回離婚伝説…!か弱き守られる存在と噂の人族なら逃げ出さないのかも?かの問題児王子はお高い口枷までされて…これから愛の調教生活かしら?」



いやいやいやろうばーんって爵位はありませんわ奥様!牢番です!牢番!牢屋を見張ってるおっさんです彼!!
てか!?第二王子の口枷って何!?お高いってそういう話になるの!?嫁に口枷と拘束してご入場ってありなんですか!!!愛ある調教って…………え!?
これ結婚式だよね?おめでたいやつだよね?なんか物騒に見えるんですけども???

契約穴嫁な第二王子が暴言吐かないように物理的に封じられているのは分かるが、その姿を結婚式でも観るなんて思ってない…まさか牢番なおじさんまで嫁でいるなんて聞いてない…!

なんかもう、うん、よく考えて!人族逃げる前に捕まりそうな気配しかしませんわ奥様!!!
どうしよう目の前の情報量が多すぎる…!いいの?これ?本当におめでとうって言っていいんでしょうか!?!



「どうしたリデン…?第二王子の拘束が足りないと思うか?お前を苦しめた奴だ、今の倍に増やしてもいいんだぞ?」

「ち、違います…!拘束はベストな量です!?
そうじゃなくて…なんか…えっと…思ってた結婚式と違うもので動揺してます…
ツッコミを入れたいのを必死に我慢してるんです…!!なんか知り合い?顔見知りが追加嫁発注されたみたいになってて…!どうしたらいいか!」


「………………?」



おれの言葉にフリード様がポカンとかわいい顔をしていた!おれの旦那様可愛いなおい!
ちくしょうそれより…こんな結婚式あるかー!ってツッコミを入れたい…!って駆け出しそうになる気持ちを必死に抑えながらフリード様の手を握る
何かを察したのか、おれよりも大きい手で握ってくれるのが嬉しすぎてその場で結婚式の行方を見ることができた
夫の手、落ち着く



暫くフリード様の手を堪能していると少し落ち着いてきて、ツッコミ行かなくてよかった…って思いました
まるでなんてこと無いかのように結婚式は進むんですから…


牧師さん的な方がいる祭壇にレドラ王子を中央として左右に第二王子、ミルドさんが並ぶ
魔法で調印する結婚の書面、第二王子は契約穴嫁の為レドラ王子が書き印、ミルドさんは青い顔をしながらバイブかなってくらい震える手で調印していた

その後の誓いのキスも…口枷の上から第二王子はキスされて、ミルドさんは触れるだけのキスですごくブルブル震えている…
会場は素晴らしい式だと涙を濡らすものもいる始末…わからない、価値観が違いすぎててわからない…
おれの顔見知りなミルドおじさんは何故あんな震えながら嫁になっているのか、それが一番わからない…!!!


誓いの指輪が誓いの首輪だったり、そう言えば聖女はどこ行った?って気づいてしまったり…
これからの初夜、どう見てもレドラ王子相手2人いますけどどうするんです?とか色々疑問が湧いて想像を膨らませていたら盛大な結婚式が知らぬ間に終了していたなんて…
皇帝自ら、「今宵はレドラと妻2人の新たな門出だ!夜通し祝い、騒ごうぞ!」って雄叫びが聞こえておれは想像の世界から現実に戻ってきたのだ


場所はそのまま、沢山の料理が運ばれてきて本当に宴が始まった
おれとフリード様の時も実は裏でこんな感じに祝いの席があったらしい…ドラレイド帝国特有の初夜を恥ずかしくなく行うための気遣いなのだと…盛大に騒いで祝って、初夜な夫婦の音が響きにくくなるようにサポートしてあげる優しさらしい…なるほど?

防音防振魔法を掛けても意味がなかったラヴ様達のように、激しすぎて地震が起きるタイプの獣人夫婦も多いらしい…なにそれ凄いプレイじゃん

美味しい料理を食べつつ、フリード様の友人や交流の深い貴族の皆さんと改めて顔合わせしながらおれは、先程連れて行かれたミルドおじさんを思い出していた…
とんでもない不要債権第二王子がここに来るなら分かる、でもなぜミルドおじさんが真っ青な顔してレドラ王子のもう一人の妻ポジにいたのだろうか…

どうしても、ミルドおじさんの…あの青ざめた顔が気になって、フリード様に知り合いが妻になってて…と正直に話したら思わぬ答えが飛んできた


「そんなに気になるなら初夜終了後会いに行って、直接聞けばいい」


って………
え、そんな簡単に結婚直後の王族に会えるの?












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