離縁しようぜ旦那様

たなぱ

文字の大きさ
上 下
29 / 119
溺愛編

新生活?と謎の距離感

しおりを挟む




先日の筋肉襲来から早3日、全ての誤解が解け、おれは冷遇妻から無事卒業を果たした

ある意味気がかりだった、ドラレイド帝国とレラージェ国は取り敢えず開戦すること無く、婚約破棄事件について、もう一度賠償等を今度は冷静に脳筋だけでなく、冷静な脳筋を交えて再度話し合う事で上手くまとまったのだと…まさかの皇帝の子飼いな密偵から、フリード様に引き抜かれて辺境伯家へ転職したというチュウ太くんが教えてくれた…

このショタ、超仕事できる…!すごい!てか密偵だったの!?おれの着替えとかトイレとか風呂とか見られてる!?って少し恥ずかしくなったのは内緒だ



そんなこんなで現在、おれの生活は冷遇人質妻生活からドラレイド帝国になんか嫁いじゃった普通?の妻として新生活に変わり…なんか…うん、激変したと言える…
おそらく真の奥様関係で本宅に移ることは無く…基本的な別邸生活に変わりはない、朝起きて畑仕事と言うなのお花を愛でるお時間も一緒、チュウ太くんと狼さんとのルームシェアもこれまで通りだ


何が激変したか…
まず、食事が冷遇フルコースから高級フルコースに大幅に進化した…もうおれを生活習慣病にする気か?ってくらい毎食美味しくお祭りのようにとんでもなく手の込んだ素晴らしい食事が出てくる
そして、ウサ耳メイドさんがおれをお客様から奥様って呼ぶようになりました…なんかもう嬉し泣きしながら…
更には服も風呂も、床も…部屋に飾られる花さえも、1級品に進化し快適奥様生活みたいな状況になっているのだ



トドメはこれ…フリード様
異世界における親友…いや、友の定義はおれの知ってるそれと違うのかもしれないが、あの日…おれ友達から始めましょう?って言ったのは覚えてる

友達って膝に乗せられて給餌される存在だっけ?お昼寝の時間に抱きしめられて寝るもんだっけ?
なんかもう距離感近すぎない!?!ドラレイド帝国の友達事情怖い!!!!

なんと友達から再度交流を始めたフリード様はとんでもないドラレイド式距離感で、おれを構い倒してくるのだ
だがしかし、寂しい生活を送っていたおれにとって!人の体温は心地良い!たとえ相手が同姓だろうと書類上は旦那様!これはもう合法的な抱擁なのではないか…!?
つまり、抱きしめられると安心してしまう程寂しい時の気持ちが溢れて避けるどころかもうちょい胸貸してくれませんかね?すいません…してしまうんだからしょうがない!!


夜から朝に掛けては狼さんがぬくぬく抱き着かせてくれて…サラリーマンの勤務時間はフリード様が執務の合間に定期的に会いに来て抱き締めてくる…更にはお昼寝も共にする密着具合
寂しさを全く感じない素晴らしいタイムスケジュールだ

更に更になんとフリード様の執務室が別邸にも設置されていた…本宅まで行ったり来たりする時間が面倒なのだと…へ、へえ?


冷遇生活が終わりを迎えたら、とんでもなく温もりに溢れた生活に激変してしまったのだ



「なぁ、メアリー…フリード様の距離感はあれで良いのかな?」


「全く持って問題ありません、寧ろこれが正しい番の距離感、もっとすり寄っても大丈夫でございます
ええ、それはもう素肌で密着しても全く問題ないかと

…………奥様、これまでの冷遇を覆すほど私は奥様に仕えたく思います、何か必要な物は御座いますか?」


「番って凄いね…?距離感バグってるの凄いなー…素肌とか平然と晒してたら変態じゃん?やだよおれ、変態にはまだ早い!
必要な物…おれ、メアリーのこだわりの冷遇食事見るの好きだったから…それをリメイクして冷遇定食進化した!とかするのも…冷遇の中におれに対する思いやりあってさ…本当に好きだったんだ…

ねぇ、1日2食は冷遇食事にしてくれたり出来ない?フルコース食べ過ぎたら横に育っちゃうからさ…」


そう言った瞬間、ウサ耳メイドのメアリーはブワッと涙を流し、かしこまりましたとすんなり受け入れてくれた
仕事熱心な素晴らしいメイドさんだ…ありがとうメアリー、また大爆笑できる素晴らしい冷遇食を期待しているよ!

前は前で楽しい冷遇生活だったけど…今の生活も普通に楽しい…真の奥様が居るのに妻なの継続な事を除けば不満など何一つ無い




しかし、フリード様…執務室まで別邸に作って大丈夫?真の奥様怒らない?男の嫁に構ってばかりなあなた許せない!とか修羅場にならない…?
………………あ、真の奥様も野郎だった…めちゃくちゃ可愛い美少年みたいな見た目だったけど!



本宅には近づいてならない、それは現在も一緒なところを見ると真の奥様はおれがフリード様と結婚した事をよく思っていない可能性が高い…
野郎の妻同士で修羅場等、絶対嫌だ…なんか嫌だ…


この正妻と第二夫人みたいなよくわからない状況も解決する為にもフリード様は早く現実を見ておれと離縁って事を考えて欲しい







そう言えば…おれ、手紙も通信魔法も解禁されたんだった…父様に連絡…入れておいたほうがいいよな…?

実家への近状報告をしようと、おれは通信魔法を起動した









しおりを挟む
感想 125

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。

しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い! 声が出せないくらいの激痛。 この痛み、覚えがある…! 「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」 やっぱり! 忘れてたけど、お産の痛みだ! だけどどうして…? 私はもう子供が産めないからだだったのに…。 そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと! 指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。 どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。 なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。 本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど! ※視点がちょくちょく変わります。 ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。 エールを送って下さりありがとうございました!

白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。  無言で睨む夫だが、心の中は──。 【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】 4万文字ぐらいの中編になります。 ※小説なろう、エブリスタに記載してます

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

処理中です...