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溺愛編
新生活?と謎の距離感
しおりを挟む先日の筋肉襲来から早3日、全ての誤解が解け、おれは冷遇妻から無事卒業を果たした
ある意味気がかりだった、ドラレイド帝国とレラージェ国は取り敢えず開戦すること無く、婚約破棄事件について、もう一度賠償等を今度は冷静に脳筋だけでなく、冷静な脳筋を交えて再度話し合う事で上手くまとまったのだと…まさかの皇帝の子飼いな密偵から、フリード様に引き抜かれて辺境伯家へ転職したというチュウ太くんが教えてくれた…
このショタ、超仕事できる…!すごい!てか密偵だったの!?おれの着替えとかトイレとか風呂とか見られてる!?って少し恥ずかしくなったのは内緒だ
そんなこんなで現在、おれの生活は冷遇人質妻生活からドラレイド帝国になんか嫁いじゃった普通?の妻として新生活に変わり…なんか…うん、激変したと言える…
おそらく真の奥様関係で本宅に移ることは無く…基本的な別邸生活に変わりはない、朝起きて畑仕事と言うなのお花を愛でるお時間も一緒、チュウ太くんと狼さんとのルームシェアもこれまで通りだ
何が激変したか…
まず、食事が冷遇フルコースから高級フルコースに大幅に進化した…もうおれを生活習慣病にする気か?ってくらい毎食美味しくお祭りのようにとんでもなく手の込んだ素晴らしい食事が出てくる
そして、ウサ耳メイドさんがおれをお客様から奥様って呼ぶようになりました…なんかもう嬉し泣きしながら…
更には服も風呂も、床も…部屋に飾られる花さえも、1級品に進化し快適奥様生活みたいな状況になっているのだ
トドメはこれ…フリード様
異世界における親友…いや、友の定義はおれの知ってるそれと違うのかもしれないが、あの日…おれ友達から始めましょう?って言ったのは覚えてる
友達って膝に乗せられて給餌される存在だっけ?お昼寝の時間に抱きしめられて寝るもんだっけ?
なんかもう距離感近すぎない!?!ドラレイド帝国の友達事情怖い!!!!
なんと友達から再度交流を始めたフリード様はとんでもないドラレイド式距離感で、おれを構い倒してくるのだ
だがしかし、寂しい生活を送っていたおれにとって!人の体温は心地良い!たとえ相手が同姓だろうと書類上は旦那様!これはもう合法的な抱擁なのではないか…!?
つまり、抱きしめられると安心してしまう程寂しい時の気持ちが溢れて避けるどころかもうちょい胸貸してくれませんかね?すいません…してしまうんだからしょうがない!!
夜から朝に掛けては狼さんがぬくぬく抱き着かせてくれて…サラリーマンの勤務時間はフリード様が執務の合間に定期的に会いに来て抱き締めてくる…更にはお昼寝も共にする密着具合
寂しさを全く感じない素晴らしいタイムスケジュールだ
更に更になんとフリード様の執務室が別邸にも設置されていた…本宅まで行ったり来たりする時間が面倒なのだと…へ、へえ?
冷遇生活が終わりを迎えたら、とんでもなく温もりに溢れた生活に激変してしまったのだ
「なぁ、メアリー…フリード様の距離感はあれで良いのかな?」
「全く持って問題ありません、寧ろこれが正しい番の距離感、もっとすり寄っても大丈夫でございます
ええ、それはもう素肌で密着しても全く問題ないかと
…………奥様、これまでの冷遇を覆すほど私は奥様に仕えたく思います、何か必要な物は御座いますか?」
「番って凄いね…?距離感バグってるの凄いなー…素肌とか平然と晒してたら変態じゃん?やだよおれ、変態にはまだ早い!
必要な物…おれ、メアリーのこだわりの冷遇食事見るの好きだったから…それをリメイクして冷遇定食進化した!とかするのも…冷遇の中におれに対する思いやりあってさ…本当に好きだったんだ…
ねぇ、1日2食は冷遇食事にしてくれたり出来ない?フルコース食べ過ぎたら横に育っちゃうからさ…」
そう言った瞬間、ウサ耳メイドのメアリーはブワッと涙を流し、かしこまりましたとすんなり受け入れてくれた
仕事熱心な素晴らしいメイドさんだ…ありがとうメアリー、また大爆笑できる素晴らしい冷遇食を期待しているよ!
前は前で楽しい冷遇生活だったけど…今の生活も普通に楽しい…真の奥様が居るのに妻なの継続な事を除けば不満など何一つ無い
しかし、フリード様…執務室まで別邸に作って大丈夫?真の奥様怒らない?男の嫁に構ってばかりなあなた許せない!とか修羅場にならない…?
………………あ、真の奥様も野郎だった…めちゃくちゃ可愛い美少年みたいな見た目だったけど!
本宅には近づいてならない、それは現在も一緒なところを見ると真の奥様はおれがフリード様と結婚した事をよく思っていない可能性が高い…
野郎の妻同士で修羅場等、絶対嫌だ…なんか嫌だ…
この正妻と第二夫人みたいなよくわからない状況も解決する為にもフリード様は早く現実を見ておれと離縁って事を考えて欲しい
そう言えば…おれ、手紙も通信魔法も解禁されたんだった…父様に連絡…入れておいたほうがいいよな…?
実家への近状報告をしようと、おれは通信魔法を起動した
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