離縁しようぜ旦那様

たなぱ

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冷遇妻編

獣会議

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Side フリード





俺のリデンに勝手に会う不届き者を成敗しようと侵入したらまさかの密偵がその不届き者だった場合、どう対応するのが正解か…
俺はどうすべきか悩みとりあえず胃の中に仕舞って証拠隠滅を図ろうとしたが、思わぬ愛おしい妻の出現に狼族の本能がダダ漏れになってしまった結果、現在に至る


怯えることなく狼となった俺を見つめ触れてくれた愛おしい妻は腹を枕に寝たのだ…なんかもうリデンがとんでもなく可愛い…
これで世界が救えるほどとんでもなく可愛い…

しかし、至福だと喜んではいられない、どう考えても密偵が密偵の仕事を放棄し我が愛しい妻と楽しそうに共同生活をしていた形跡がある、そんな事絶対にあってはならないからだ
見てないのに何故分かるか、この密偵の全身からリデンの匂いがする、それはもう健全なリデンの匂いがするのだ
これは手料理でも振る舞ってもらわない限りありえない事…



つまりは…この密偵、俺もまだ食べたことのないリデンの手料理を食ったな…?
それが万死に値することと知ってて食ったな? 


「おい、密偵…これはどう言うことか説明できるんだろうな…?説明次第では事故に見せかけてお前を消す事も可能だと思え…………くっ、リデンよ寝ながら腹を撫でるな…色々やばい可愛い…まて、やばい可愛い」


「ひいっ!お助けを!!…………って…え、フリード様、超溺愛してるじゃないですか…なんか変だよなってこれまでも見てましたが…もしやリデン様は番とか…?」



俺のちょっとした行動と言動で的確に当ててくる密偵、なかなかやるな…?しかしリデンがかわいい本音がダダ漏れになる可愛い…うっ、可愛いっ!

バレてしまってはしょうが無いと、皇帝にバレぬようにどう潰すか考えつつ、リデンは番である事を説明すると密偵は何故か喜んで氷の檻の中から輝いた目でこちらを見てくる…


「お待ちくだせぇ辺境伯様ー!!お、おいらはリデン様の味方です…!」


「そうか、それで俺もまだ食べたことのないリデンの手料理を食ったと…密偵よ魔獣の餌になるなら串焼きと肉団子どちらになりたい?」


「きゃー!なんでー!!」



俺の腹ですやすやと眠るリデンに尻尾で毛布の毛布をかけると頬ずりしながら喜んでくれる…くそ、可愛い…本当に可愛い…!何度でも言おう可愛い!!!

それにしても…この可愛い我が妻の手料理をこんな密偵と言うなのドブネズミが食べていたと思うと虫唾が走る…何が味方だ?
俺だって食べたいのに!!!!!


暫くドブネズミこと、皇帝の飼い鼠である密偵と話しをすると本当に味方であるようだった
なんと、リデンが裏庭?で育てた野菜を食べたいが為に皇帝が掛けた感知魔法に細工をしたのだと言う…脳筋の描いた術式を緻密に脳筋で上書きし、感知を絶妙誤魔化し、冷遇されているように見せかける繊細な魔法…
つまり…俺が今、リデンを腹に寝かせているのも皇帝には確実にバレないと言う事なのか…?


「ほう…それはお手柄だったな…?よし、煮付けにして魔獣に食わせるで許してやろう…感謝しろ?密偵」

「良かった煮付けで…………………いやいや!酷くなってるー!!なんでー!おいら頑張ったんですよ!?どんだけ脳筋の感知魔法絶妙に面倒だと思ってらっしゃるんです!?
あ、あと!あと!あれです!メニラ姫にも王宮に勤めてる妹経由でこの冷遇の情報を流しました!ええ!それはもうフリード様の為に!ほんと!お二人のお子様早く見たくてですね!?番であるお二人が早く幸せになれることを祈りましておいら、あれですあれなんですー!!」



なんか色々言い訳を続ける密偵は本当に味方らしい…それが事実であればリデンをひたすらに可愛がる生活も実現するのではないか?
巨大な狼を見てもすぐに受け入れる精神力と、こんなにも可愛い寝顔を見せてくれるリデンとの子………………
不味い不味い獣化している今は更に不味い、狼の狼の部分が本気を出したらドン引き確定だ、静まれ俺


皇帝が娘を愛しすぎて脳筋過ぎるため、臣下の男ではメニラ姫に近づける機会が極端に少ない、その姫にも繋がるのであればこの鼠は飼っておいた方が得かもしれないと思い始めた

一刻も早く、リデンを冷遇から救いたい…感知魔法を誤魔化せるのであれば何処まで愛しても大丈夫が詳細に聞きたい、本当に聞きたい
メニラ姫が事実に気づけばきっと皇帝に訴えてくれる筈だ…それまでの期間、この密偵をうまく使うのは有りだと言える



「俺と、従属の契約をするのであれば見逃してやろう…感知魔法の誤魔化し部分の説明とリデンの育てた野菜を俺にも届ける手筈を上手く誘導しろ
そうすれば、リデン付きの護衛として働きによっては契約も可能だ
お前もその口調からするに皇帝の脳筋に疲れているんだろう?」


そう、俺が伝えると密偵はボロボロと泣きながら脳筋話聞かないからいくらカリスマあっても話すの疲れるも教えてくれた
こうして、見た目はショタだが42歳男性の鼠族密偵、チュウタグルは辺境伯の護衛へと転職希望する事になったのだ




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