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平凡と獣が平穏な新生活を望む話
平凡の知らない特技
しおりを挟む辺境伯領土へ無事引っ越した日の翌日
離宮生活よりもかなり早めに目が覚めたら既にグレスは起きていた、髪を梳かれ、おはようってキスされるいつもの流れが好きだ
おれの血を飲んで、かなり侵食が消えたが特効薬タイムはちゃんと現在も継続している
朝はキスからそのままグレスへ唾液を提供するのが日課、最近はムラムラして勃ってしまうおれのちんこも1回可愛がって貰って特効薬を提供している
体液が特効薬、それは諸刃の剣だとグレスに言われしっくりきた
あの事件の後、グレスの魔獣化が侵食が後退したことでおれの力が露見しそうになることがあり、楓原と共に召喚されたことでほんの僅かに神子様の力の一部を使えると上手いこと逃げていた
異世界人だものそういうことあるよと
実際は神子様をある意味超える浄化力らしい、体液限定で…
周囲にそれがバレたら…?グレスは神妙な顔で、バレたら、おれはまるで乳牛のように囚われありとあらゆる体液を一生奪われ続ける未来もあると…なにそれ乳牛より酷い…
そうでなくてもキスからフェラから特効薬として侵食が軽減したら性奴隷のようになってもおかしくないと…………ゾッとした
グレス以外にキスされんの?フェラされんの?????死ぬわ…
なのでこの力は隠しつつほんの僅かに神子様のように力を使えるかもしれない珍獣くらいがいいらしい
つまり、グレスのペット枠だ、実家のような安心感を覚えている
グレスがおれと同じ部屋なのも守るためにってものあると思う…が、グレスに抱きしめられないと寝れない身体になってしまったおれが居るので、部屋を万が一別にされたとしても布団に潜り込みに行くだろう
朝の特効薬タイムが終わり、早起きして暇なので辺境伯領土での予定に付いて確認している
領主としての仕事の引き継ぎは明日担当が来るらしい、それから色々行っていくのだと
今日は領土を一緒に見て回ろうと言われ観光気分で了承した
「引き継ぎ前に視察に行ってくる」
「観光に行ってきます!」
温度差がすごいおれたち2人は護衛を連れ、屋敷の皆に微笑まれながら辺境伯爵家があるこの街を散策する事にした
辺境伯領土は国境に面しとてもデカい、しかし人が住める場所は一部に集約しており、魔物が出やすい森や鉱山などもあると、魔物、侵食された魔獣も出るため、被害をうまくなんとかしないと森や鉱山の恵みが得にくい環境だ
瘴気の発生源もありかなり危ない土地らしい
それでもここに住む人は、この土地を守りこれまで生活しているのだから強い
主な収入源は農作物、鉱山の一部から鉱石、侵食された魔獣になる前の野生の魔物の素材が主にらしい
そしてびっくりこの土地と国境を成す隣国は、グレスの母の祖国なのだと、獣人と人が暮らす国、グレスの様な犬耳男前が他にもいる国
異世界ファンタジー国か…!おれは冷静に思った
なのでこの辺境伯領土の町へは時々観光で隣国の人や獣人が来ることもあり、他の地域に比べるとグレスが浮きにくいと、引っ越し先の理由もわかった
友好国の隣国の人としては受け入れても、人は自分と違う存在を排除したくなるものだ…
グレスのこれまでの生活を考えてもこれからが平穏である事を望みたい…
大通りへ着くと、中世風の街並みが素晴らしい
海外旅行しに来た気分を堪能中だ、領主のお披露目は明日以降とのことで隣国からの旅行客風で色々散策楽しい
実は楓原もおれも読み書きは異世界人特典なのかなんでか出来るので文字が読めませんでしたという悲しい思いをしなくていいのは嬉しい
魔物の肉を使ったら串焼きがやばい美味しかったのもいい思い出だ
一通り視察と云うなの観光を終えて、グレスは試してみたいことがあると、おれを連れて街からかなり離れた平野へ向かった
馬車から降りると遠くに街、遠くに森、あとは何もない平野、本当に何もない
しかし違和感がある…なんだこの違和感…
グレスを見るとニヤッと笑っている
「ユウマ、この違和感わかるか?これが瘴気の発生源が近い場所の特長だ」
「瘴気近いの!?!?」
驚きです、この世界へ来て初瘴気、瘴気自体を見れるの?ドキドキする!どんな姿してんの瘴気!
「瘴気についても知っておいて損はないと、思う、その前に、ユウマ…コレ舐めて?」
目の前に出されたのは木製の杭…木…これを舐めろと?グレスさん?おれ、木を舐める趣味ないですよ?
何いってんだこいつって顔をしてしまったおれに気づいたのだろう…グレスはおれの後頭部を捕まえると唇を割り開き舌を巻くねじ込んできた
ぬるぬる♡くちくちっ♡とおれの口内でザラついた舌が暴れ回る
「んっ、んっ~!?んっ、むっんんっ!?ふぁっ♡あぅっ♡♡んんっーー♡♡♡」
舌を吸われてぐちゅぐちゅと掻き回されたら気持ちいいんだよ…素直な身体のおれにそんなことしたら、グレスの首に腕を回してもっとってねだってしまう…生理現象です…護衛の人見ないでください…
暫く唇貪られ、口内に唾液が溜まった頃、グレスが飲むのかなって思ったらおれとの間にさっきの杭を出してきた…この杭を濡らせと?唾液で????
何がしたいかわからないけど、とりあえず従ってみる…木の杭がおれの唾液でテカテカしてる…謎すぎる
「んっ、このくらい濡れてたらすごい効果ありそうだな…ユウマ少し進むぞ」
なんの効果があるんでしょうか?杭を唾液でテカテカさせて木目が美しいとかそんな???わかりませんグレスさん…主語、主語を下さい!
着いていきますけども!!
暫く進むとさっき感じた変な気配が強くなる…少し開けた場所までくる、理解した、この違和感…これが…目線に広がるこれが違和感の正体…
地面が黒い、まるで沼でもある様にそこだけが黒い、生えている草も、落ちている石と思われるものも全て黒い、光を一瞬でも反射しない、あの侵食の黒だ
「大地から湧き出てくる瘴気、それがこれだ
ここにいるからと直ぐに侵食されるわけではないが、触れたりすれば俺のようになっていく…ここに住む魔物がいれば生活圏内で徐々に侵食されいずれは侵食された魔獣に変わるんだ
辺境伯領土はこういう汚染された土地の発見が増え、元から魔物が多い森や鉱山周辺の状況も加味して危険な土地の一つになっている」
「瘴気っていうから霧みたいな感じかと思ってた…地面がそのまんま黒いのな…」
「湖が侵食されれば霧も黒くなったりはするぞ?ことにかく、この瘴気を浄化できるのが神子様だ
神子様の浄化の祈りを込めた剣や杭を打ち込むことで土地の浄化もできる…つまり…」
つまり…
グレスが先程おれが唾液でテカテカにした杭をかっこよく見せてくる…杭が剣に見える不思議…男前怖い…おれの謎思考を気にせず、グレスは瘴気に満ちた土地へ唾液濡れ杭を深く打ち込んだ
変化は直ぐに現れた…
黒い地面が…みるみるうちに正常な大地へと変化する…杭を中心に広がる変化
感じていた違和感も無くなり、残ったのは他の地面と変わらない大地…瘴気の発見した部分は跡形もなく消えていた
「やはりな…とんでもない効果があった」
「………………………………は?????」
朗報、おれの唾液は地面に対しても有効らしい
「ユウマの有用性が高まってしまった…やっぱりやるんじゃ無かった…ユウマは俺だけのユウマなのに…」
現在は帰りの馬車
自分で杭用意して唾液まみれにして地面に突き刺した男の発言とは思えないくらい落ち込んでいるグレス、そして対面で抱っこされ、抱きしめられて、胸板にしまい込まれているおれ
広い馬車の意味がない
「こんなにも有効だとは思わなかった…護衛にも口外防止の魔術も使ったし、元々ユウマと俺のことをわかってくれているからいいが…早くあの神子様が完璧に仕事をしてくれる事を願うしか…ユウマ…ユウマ…どこにも行かないでくれ…」
犬耳も尻尾もぺしゃんと落ち込み、ひたすらおれを抱きしめるグレス…落ち込むくらいなら検証しなければよかったのに…
「グレスが居ないとおれ、生きていけないんだよ?どこかに行くなんてありえないから…落ち込むなーいいじゃん?いざという時、おれの唾液が世界を救うとか字面が最低なことできそうで
楓原に期待しておこう、瘴気から世界を救う神子様は女神様の慈悲なんだろ?足りなかったら他の国にも来るって多分、知らんけど
おれはグレスの側しか居たくない、一生飼うって約束忘れんな…」
グリグリとグレスの胸板に頭を擦り寄せ甘えてみる、自分で飼われるとか言ってるの悲しいけど、一生側に居たいのは本心だ
甘えたらそれだけ返してくれるグレスにもっと抱きしめられ、その日はずっと抱っこされて過ごした…
離宮からの使用人の皆はいい、新しく仕えてくれる使用人達の目がなんだか…こう…あれだった…
グレスに、おれはどこにもいかないよって一緒におやすみをした、夢の世界へ旅立つ瞬間…おれは気づいてしまったのだ…
もしかして瘴気の大地…おれの精液やおしっこでも浄化できんの?????
酷い事に気づいてしまった…いやだ、猥褻物陳列罪で捕まりそうな未来しか見えない…
体液っておしっこもじゃん????グレスの言う最悪の展開で家畜になって絞り取られる未来まで想像してゾッとしてしまった…
グレスの腕の中に更に身体を潜り込ませ胸いっぱいにグレスを取り込む…ああ安心する…今のことは忘れよう…
おれは夢の世界へ今度こそ旅立った…
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