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働かざる者の就職

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 アホエロゲー、しりあなのシークレットキャラである苗床変態王子が仲間になった
 仲間…?になったのかもしれない展開から1時間ほど、よくわからない話し合い?が永遠と続いている



「嫌だ!我は王子だぞ!?そんな我が働くなど言語道断!居候という言い方も何処か棘を感じるし……!今まで働いた事などない我に何をさせようというのだ!?

 ま、まさか…我の有能な子種欲しさに種馬にして働かせるつもりじゃ…………!」

「違げぇよ!!!掃除!洗濯!皿洗い!!!下半身は封じておけ苗床悪魔王子!!」





 仲間にしないほうがよかったかもしれない!
 こいつ全然話を聞かないタイプの王子だ!何回説明したら理解してくれるんですか!?
 ただ居候されたら困るから皿洗いとかでもいい、従者見習いでもいい、なんでも良いから仕事をしろって言っただけなのに…
 全然理解してくれず同じ会話を繰り返している


 早く国にお帰りくださいませすればよかったと早々に後悔しているが、しかし諦めてはいけない…
 この世界のヒロイン的な美少年を見事射止めて爆速ハッピーエンドを迎えてくれないと困るんだから…!

 可愛い子ぶっているのに苗床悪魔王子があまりにも話が通じなくて口が生前並みに悪くなってしまう
 しかし、フィルもレイルも口が悪くても可愛いと言ってくれるのだから、カインの顔面がいいって部分は特だと思う

 カインの尻を守る、つまりそれはおれの尻を守る事に繋がるため、素晴らしい未来への道へ計画を遂行する為には苗床悪魔王子のよくわからない自信、そして手の速さが絶対に必要だ


 しかし、父様に上手く伝え、苗床悪魔王子をこの家に住まわせるには何かしか仕事をしてもらわないと困る…一生懸命説明しても伝わらないから疲れてきた
 でも、働かざるもの食うべからず!!そうだろうこの世界!!
 この言葉、確かしりあなでもあった筈なんです!
 1人だけラクして生きようなんてそんな事許されない…!おれの尻揉んでおいて!許されない!
 また毎晩悪夢に晒されたらどうしてくれるんだ!?
 やっと悪夢落ち着いて来たのに…!



「しかし、どうしても働けと言うなら衣食住はもちろんだが、何か報酬が無いとやる気にすらならない!
 そうだな…カインの尻を週に一回貸「去勢して廃棄しましょう、こんな害悪生物
 幸い人ではありませんし悪魔国なんて聞いたこともありません廃棄しても問題ないかと」きゃあああ!!嘘だ!来るな!我は本当に王子ぞ!来るな!」


 悪魔国、それは隠しキャラストーリーで明かされる人族の知らない国だ
 本当に現時点でおれ以外、フィルもレイルも父様もこの変態苗床王子が本当に王子だとは信じないだろう…
 去勢…去勢しても大丈夫なのか?内緒で去勢とか廃棄とか…国際問題にならないか?それすら分からないくらい特殊なキャラがヴァルだ

 おれの尻を苗床扱いするとんでもない奴…上手く利用したいけど…このアホエロゲーに相応しいアホ具合…面倒くさい



「苗床悪魔王子…おれの尻は永久的に健全なまま保持することを神に約束してるから次、触ったら去勢な?
 なぁ、何か特技とかないの?魔法が得意だとか色々なんか…」

「特技…特技!あるぞ
 変身魔法が得意だ!この触手も実は髪の毛を変身させ操っている」

 そう言ってヴァルはよく見ると髪の毛の延長線にウネウネとついてる触手を器用に動かして見せる
 そのまま立ち上がると、呪文を唱えその姿を変え、女性、子供、木、机、アナゴ、猫等に器用に変化させて見せた
 まるで本物と遜色ない変化技術、室内に立派な巨木とか、アナゴとか生前の知識が無ければ言い当てられないけど素晴らしいぬめり具合と床でビチビチする動きまで完成だ
 すごい…変身魔法ってここまで極められるのか…?



 というか
 …………………猫?猫にもなれるの!?!



「ふふん、どうだ?素晴らしい変化魔法だろう
 見た目と触り心地は完璧、中身はイケメンで優秀な我という二段構え
 外からも内からも全く隙のない変身魔法が我の特技だ!」

「なぁ…ヴァル………その猫ちゃんのまま何日いれる?」

「一度変身すれば自ら解くと言うまで一ヶ月くらいは余裕でそのままだな?
 なんだカイン、我の猫姿が気に入ったのか?ん?
 我の変身した猫は抜け毛ゼロ、毛玉も吐かずに食べるものは人と同じでいいという素晴らしい特性を持っている」



 再び猫に変化し背伸びしたり、毛づくろいの真似したり…おれたちの足元にすり寄ってきたり…にゃーって鳴いたりと素晴らしい猫ちゃん姿を見せてきた
 ヴァルが褐色だからか茶色に近い毛並みに耳と手足の先が赤っぽく色付いている…
 長毛寄りの毛並み…これで抜け毛がないの!?



 …………可愛い、普通に可愛い
 中身が苗床変態悪魔王子であることを忘れるくらい可愛い…
 フィルもレイルも変態を見る目じゃなくなっていた
 そっと手を伸ばすと、スリスリとめちゃめちゃいい毛並みの猫ちゃんがすり寄ってくれるあの感じ、もう猫吸いしたくなるあの感じ!!

 これは、これは!!!ずるいだろ!?!?









「父様…あの、お庭で猫ちゃんが迷子になってて…保護したら懐かれたんです…家で飼っちゃだめですか?」


「おやおや随分と可愛い猫だね?もちろんいいよ、カインが飼いたいなら好きにすればいい
世話はちゃんとするんだよ?フィル、用具を準備してあげなさい」


「かしこまりました旦那様」





即座に許可してくれてありがとう父様!!!
こうして変態苗床王子は家の飼い猫として就職したのだ










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