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王都にて

王家と貴族の焦り

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ツトムたちが王都を訪れてから三週間が経った。その間ツトムは王都の土地を買い、家を建てた。


また、ナビたちとデートしたり物作りしたり、目指していたスローライフをしていた。


その頃王都では更に噂が広まり王族や貴族の耳に入り、もう既に放っておくわけにはいかない状況までになってしまい、もう動かざるしかない状況なっていた。


ツトムは、
「さすがやあれは見過ごせないし、孤児院すらないってそろそろお灸を据えさせないとな。今後どうするか楽しみだ」


と言い、張本人がなかなかの能天気であった。まあツトムはやることやることがテキトーだから気にしたら負けである。



side王
ツトムたちが噂を流して一週間後


「王様ひとつ小耳に挟んでおきたいことがあります。」


「なんだ?言ってみよ。」


「はい。最近、スラムにいた人たちがいなくなりました。これについて、貴族や王族が追い出したのではないか?、トレイル領に向かったのではないか?、人体実験しているなど色々なうわさが広まっています。さらに国民の中でまだスラムをなくさないのかと不満が集まっています。」


「うむ。わかった。トレイル領をとりあえず調べてみよ。」


しかし暗部と呼ばれる者がトレイル領に赴き、元スラムに行ったが情報組合に即捕まった。


「王、暗部が戻って参りましたが、トレイル領は活気があって素晴らしいところだと言っておりました。」

「それだけか?」

「はい。」

「そうか。」

そう情報組合の奴らは暗部に嘘の情報を言わせた。


そして更に二週間がたった。


王は焦っていた、何故急にスラムの人がいなくなったのだ?スラムをなくすには、多大なお金がいるがトレイル領ではどうやったのだ。これからスラムをどうすればいいか。


「セバスよグリムを呼んでくれないか?話を聞いてみたい。」


「かしこまりました。」


更に一週間後
会合を終えたグリムは、生産組合が作った高性能の馬車で約1日で王都に来た。


「おおグリムよ久しいな。ひとつ聞きたいことがあるのだがいいか?」


「はいなんでございましょう。」


「スラムをどうやってなくした?そんなに金があるとは思えないのだが?」


「私の友人が、スラムの現状に心打たれたらしく、私と協力してやりました。」


「その友人を呼べることができるか?」


その者を呼べれば噂を一蹴できるぞ。


「それは難しいかと。」


「何故だ?」


「王都には孤児院がないそうですね。」


は?そうなのか?毎年孤児院に支援していたはずだが?


「そういう、何もしない者に私の友人は、手を差し伸べません。私の友人に手を出したら、おそらく王族だろうと潰されますのでお気をつけ下さい。」


なに?自分がやるのではなくその友人がまたは、仲間がつぶしにくるのか?


「お前!無礼だろうが!お前の友人に王族が潰されるわけがないだろう。」


はあ息子が耐えきれず言ってしまった。
横を見るとセバスが首を横に振っている。おそらくグリムの護衛が強く、敵わないのだろう。その友人の身内が強いならやりようがあるな


「お間違えならないように言っておきますが、私の護衛クロードは、その友人の弟子でして、私の友人はそのクロードより遥かに腕が立ちます。そうだよなクロード?」


「はい師匠は私より遥かに強いです。護衛の立場からひとつ申し上げますと、執事さんが靴と服に仕込んでいるナイフ4本と天井裏と扉の前で待っている人が来ても私は対処できますので。」


は?暗部の場所を言い当て、セバスのナイフの場所まで言い当てられたのか。しかもグリムの友人は、クロードの師匠だと、、


「わたしから提案なのですが、わたしがスラム一帯を買い取らせて頂けませんか?」
 

まあこれなら我らの噂も大丈夫だろうそして、失敗してもグリムに押し付けられるな。


「分かったが、そこはあくまで王都であるぞ。あと、誰が経営するのだ?」


「それはわたしの三男の息子のアレンです。あと値段についてなのですが、白金貨千枚でどうでしょう?」


「そんなお金トレイル家にあるわけないだろう!しかも幼い子供に任せるなど、金をすてるようなものだな。」


いやお前の方が幼く見えるからな息子よ。
おそらくその友人の教えがあるかもしれない。暗部に調べさせよう。しかも白金貨千枚ってそんなにトレイル家は金を持っていたのか?


「そのお金はアレンが自分で稼いだものですので、私たちトレイル家とは別です。あと、帝国で戦争の兆しがあるそうですので備えといた方がよろしいかと。」  


グリムの息子が自ら稼いだ?まあこれはいい大事なのは帝国だ。


そこまで密偵を泳がせているのか、グリムには敵いそうにないな。できれば敵対だけはやめよう。


しかし早く教えてくれて良かったこれで対策を立てられる。


「最後に聞かせてくれ。グリムは敵対しないのか?」


「はい私は、王が人道を外れることがなければ、敵対はしません。」


「それを聴けて安心した。」


「あと最後に財務大臣とその周りにいる貴族を調べた方がよろしいですよ?あと今日おられる第二王子についても。最近お金の流れが良くなっているらしいですから。」


もしや、ワシの息子が裏で手を引いていたのか?いいや無理だな他の奴だ。だが、処分は免れないな。


横の息子は顔が青ざめているからグリムの言う通りなのだろう。これから、仕事が更に忙しくなるな。ハァァ。









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