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弱者依存 ③
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「弱者依存」、これは私の造語である。
私がこの造語に作った理由は、私が実際に弱者であること。
弱者である事を建前に、利用してくる他者が周りにいる事。
そして私が起き上がり歩き出そうとする時に限って私に縋り付き、全力で足元に絡みついてくる存在がいること。
私は弱者という他者へ依存する人間達に囲まれ、育ってきた。
私は彼らの為に強くなりたいと、心から思っていた。
私は、弱い自分を恐れていた。
幼い頃から、今の今まで。
強くならなければ、弱い自分から抜け出さなければ。
強者にならなければ、弱者という枠から出なければ。
しかし、私の周りは違うのだ。
弱いを羨み、弱者を喰らい、強者に成って、強いを誇示する。
私はその中で一番小さく、弱く、病弱で、弱者。
嗚呼、まるで狼に捧げられた兎じゃないか。
だが待てと、私の中の正義が声を上げる。
『自分が弱いから、つけあがられるのでは?』
『そもそも、自分に非があると思わないのか?』
『1人だけ被害者ヅラか、恥ずかしい』
『他人を非難するなら、まず自分を非難しろ』
『プライドを持て、誰にも文句を言わせない強さを身につけろ』
『弱い自分を恥じろ、腰抜けが!』
いつの間にか居たイマジナリーな自分が、忌々しい。
彼女は正論しか言わない、正義しか聞かない。
私は、中学になるまで友という友は居なかった。 だからこそ創り出した、イマジナリーな自分。
そして彼女の言葉に耳を傾け、自分の中にある彼女が掲げる正義に従った。
彼女は常に、私の目を見ながら声高に叫ぶのだ。
我思う、「弱い」を恐れよ。
汝、「弱者」に成るべからず。
行動の全てがそれを軸にしていた、だからこそ。 私はその軸を守って生きていた。 生きていこうとしたのだ。
そして、壊れた。
今では立派な鬱病、最近では幻覚か幻聴か幻影か。 活字が脳内を支配したり、変なイメージが目の裏から離れなかったりする。
普通の人間に備わっている『雑念が消える』体験などしたことが無い所か、常に死ぬか狂うかの二択しか目の前に用意されていない。
そう思っていた、最近までは。
→
私がこの造語に作った理由は、私が実際に弱者であること。
弱者である事を建前に、利用してくる他者が周りにいる事。
そして私が起き上がり歩き出そうとする時に限って私に縋り付き、全力で足元に絡みついてくる存在がいること。
私は弱者という他者へ依存する人間達に囲まれ、育ってきた。
私は彼らの為に強くなりたいと、心から思っていた。
私は、弱い自分を恐れていた。
幼い頃から、今の今まで。
強くならなければ、弱い自分から抜け出さなければ。
強者にならなければ、弱者という枠から出なければ。
しかし、私の周りは違うのだ。
弱いを羨み、弱者を喰らい、強者に成って、強いを誇示する。
私はその中で一番小さく、弱く、病弱で、弱者。
嗚呼、まるで狼に捧げられた兎じゃないか。
だが待てと、私の中の正義が声を上げる。
『自分が弱いから、つけあがられるのでは?』
『そもそも、自分に非があると思わないのか?』
『1人だけ被害者ヅラか、恥ずかしい』
『他人を非難するなら、まず自分を非難しろ』
『プライドを持て、誰にも文句を言わせない強さを身につけろ』
『弱い自分を恥じろ、腰抜けが!』
いつの間にか居たイマジナリーな自分が、忌々しい。
彼女は正論しか言わない、正義しか聞かない。
私は、中学になるまで友という友は居なかった。 だからこそ創り出した、イマジナリーな自分。
そして彼女の言葉に耳を傾け、自分の中にある彼女が掲げる正義に従った。
彼女は常に、私の目を見ながら声高に叫ぶのだ。
我思う、「弱い」を恐れよ。
汝、「弱者」に成るべからず。
行動の全てがそれを軸にしていた、だからこそ。 私はその軸を守って生きていた。 生きていこうとしたのだ。
そして、壊れた。
今では立派な鬱病、最近では幻覚か幻聴か幻影か。 活字が脳内を支配したり、変なイメージが目の裏から離れなかったりする。
普通の人間に備わっている『雑念が消える』体験などしたことが無い所か、常に死ぬか狂うかの二択しか目の前に用意されていない。
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