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最終決戦の部屋9
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だが、スライが警戒するのは目の前の青年ではなかった。
背後の触手生物。
キューが言う全ての力に触手を操ることが含まれていると言うならば、そちらからの物理攻撃の方が脅威だ。
そう判断し、下段に構えた剣を持って走り出す。
キューが仕掛けてくるであろう攻撃をいなし、今度こそ触手生物を叩きのめすために。
一歩、踏み出す。
薬液を吐き出したおかげか、足が軽い。
二歩、駆ける。
兜のない視界は広い。
世界がよく見えた。
ゆえに。
それが致命傷となる。
「人間の、姿に……なってくれてよかった」
すれちがう寸前、見えたのはよろめきながら立ち上がる青年。
液が気管に入ったのか、苦しそうな呼吸音を響かせキューが笑う。
そんな状態でも、青年の顔は皮肉なほどに整っていた。
「おかげでよく見える」
目が合う。
スライは訝しんだ。
直前まで見ていた彼の瞳は、あんな色だっただろうか。
一瞬だけ記憶を思い出し、否と眉をしかめる。
薄い桃色は、キューの瞳の色ではない。
目を覆うように放たれている光が、色づいているのだ。
それが一体なんなのか。
疑問に思う前に、
スライの視界は暗転した。
ガシャン。
鎧が床に叩きつけられる。
今度は中身入りだ。
意識を失った状態でも手放さなかった剣が最後に床を軽く叩く。
キューはさっと身構えながら、その身体の状態を確かめる。
脈を取り、息を確認し、生きてはいるが間違いなく気絶していると確信してから、
「やっと終わったぁああ!!」
どてりと無様に尻もちをついた。
背後の触手生物。
キューが言う全ての力に触手を操ることが含まれていると言うならば、そちらからの物理攻撃の方が脅威だ。
そう判断し、下段に構えた剣を持って走り出す。
キューが仕掛けてくるであろう攻撃をいなし、今度こそ触手生物を叩きのめすために。
一歩、踏み出す。
薬液を吐き出したおかげか、足が軽い。
二歩、駆ける。
兜のない視界は広い。
世界がよく見えた。
ゆえに。
それが致命傷となる。
「人間の、姿に……なってくれてよかった」
すれちがう寸前、見えたのはよろめきながら立ち上がる青年。
液が気管に入ったのか、苦しそうな呼吸音を響かせキューが笑う。
そんな状態でも、青年の顔は皮肉なほどに整っていた。
「おかげでよく見える」
目が合う。
スライは訝しんだ。
直前まで見ていた彼の瞳は、あんな色だっただろうか。
一瞬だけ記憶を思い出し、否と眉をしかめる。
薄い桃色は、キューの瞳の色ではない。
目を覆うように放たれている光が、色づいているのだ。
それが一体なんなのか。
疑問に思う前に、
スライの視界は暗転した。
ガシャン。
鎧が床に叩きつけられる。
今度は中身入りだ。
意識を失った状態でも手放さなかった剣が最後に床を軽く叩く。
キューはさっと身構えながら、その身体の状態を確かめる。
脈を取り、息を確認し、生きてはいるが間違いなく気絶していると確信してから、
「やっと終わったぁああ!!」
どてりと無様に尻もちをついた。
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