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決闘の部屋11
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鎧をいくつかパーツに分けて床に置き、スライムの姿でそれを拾い上げた。
「これは」
四つ折りに畳まれたそれを広げると、書き込まれた図形が認識できた。
手書きのそれは線も歪んでいるが、道や部屋を書き記したものであるとわかる。
「テンリィ達はこの施設を偶然見つけ、あなたを助けるために利用しただけ。探索した場所の位置しか書いていませんが、脱出するだけなら充分でしょう」
「発見しただけ? ならば、あのスライム達の亡骸は……」
「逃げなさい、スライ」
黒幕の正体が思い描いていたものと違う。
戸惑いはじめた私の言葉を遮るテンリィの口調は、これまでで一番強かった。
「あなたを病院送りにする目論見が外れた以上、打てる手は尽きました。そのままなにも知らずに脱出して自分の国へ帰りなさい」
「そんな、しかしそれでは……」
「テンリィが一番最悪だと思っている展開は、あなたとキュー、が、直接対面すること、です」
言葉が途切れがちになっていた。
爆発と叩きつけられた衝撃が応えているのだろう、テンリィの瞼がまた落ちつつある。
「ここまで手助けして、貴殿の立場が危うくなるのではないのか」
「いまさら、ですね……お気になさらず、大目玉は、くらうでしょうが……」
「待ってくれ、最後に教えてくれ! 私とそのキューとやらはなぜ会ってはいけないのだ!」
血の滲んだ唇が、はくりと空気を取り込み、言葉と共に吐き出される。
「あえば、……あなた……めちゃくちゃ、に……」
それが最後だった。
かくりと落ちた頭に、思わず粘体の身体をかざすが、空気の流れは感じる。
息はしているので、どうやら意識を失っただけのようだ。
「これは」
四つ折りに畳まれたそれを広げると、書き込まれた図形が認識できた。
手書きのそれは線も歪んでいるが、道や部屋を書き記したものであるとわかる。
「テンリィ達はこの施設を偶然見つけ、あなたを助けるために利用しただけ。探索した場所の位置しか書いていませんが、脱出するだけなら充分でしょう」
「発見しただけ? ならば、あのスライム達の亡骸は……」
「逃げなさい、スライ」
黒幕の正体が思い描いていたものと違う。
戸惑いはじめた私の言葉を遮るテンリィの口調は、これまでで一番強かった。
「あなたを病院送りにする目論見が外れた以上、打てる手は尽きました。そのままなにも知らずに脱出して自分の国へ帰りなさい」
「そんな、しかしそれでは……」
「テンリィが一番最悪だと思っている展開は、あなたとキュー、が、直接対面すること、です」
言葉が途切れがちになっていた。
爆発と叩きつけられた衝撃が応えているのだろう、テンリィの瞼がまた落ちつつある。
「ここまで手助けして、貴殿の立場が危うくなるのではないのか」
「いまさら、ですね……お気になさらず、大目玉は、くらうでしょうが……」
「待ってくれ、最後に教えてくれ! 私とそのキューとやらはなぜ会ってはいけないのだ!」
血の滲んだ唇が、はくりと空気を取り込み、言葉と共に吐き出される。
「あえば、……あなた……めちゃくちゃ、に……」
それが最後だった。
かくりと落ちた頭に、思わず粘体の身体をかざすが、空気の流れは感じる。
息はしているので、どうやら意識を失っただけのようだ。
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