黒騎士爆走物語

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決闘の部屋2

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「おお!」

四角に区切られた空間いっぱいに、階段が広がる。
下に続くそれは未知へと続いていた。

「さて、なにが出るか」

肩当てを外した部分がやや心許ないが、一番外側の金属板がなくなっただけだ。
残った部品やキルト状の布地が充分に防御を果たしてくれるだろう。
他に傷がないことや稼動域に問題がないことを確認し、鎧の準備は万端だ。

「しいて問題をあげるなら、武器がないことだな」

ここで意識を取り戻して以降、今に至るまで私は武器と呼べそうなものを発見できていない。
愛用していた剣は戦場に放り出されたままだ。

触手は引きちぎってなんとかできたが、それでは対処できない物がこの先現れるかもしれない。
考えた末、私は本棚の部屋に引き返す。

左に机、右に椅子を装備した。
机は木製だが、天板部分がなかなか厚い。多少の攻撃は防いでくれるだろう。
椅子は背もたれと座席部分の接続部が太めの金属棒一本でできていたので、実に持ちやすい。

「よし!」

見栄えはアレかもしれないが、戦いとは時に見た目を気にしていられないこともある。
装備が整ったことを実感し、私は扉をくぐり抜けた。

これまでの床もそうだったが、階段も少しのっぺりとした板で構成されていた。
木でも金属でもなさそうなこれは、いったい何でできているのだろうか?
うっすらと継ぎ目があることくらいしかわからない。

改めて自分の知らない場所へ来ているという事実を実感する。
不意に心の奥から湧きあがる不安と焦燥を、同胞たちへの義憤と国の民達の存在で静めようと努めた。
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