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恐るべき真実の部屋8
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「しかしひどい絵だ」
己の絵の腕前は置いておいて、なにを描いているのか全くわからないそれに思わず笑ってしまった。
ぐにゃぐにゃとのたくったような線は、動物にはとても思えない。
ただの丸が描かれているかと思えば、次のページには床に叩きつけられた吐瀉物のようなものが全面に描かれていたりした。
これを描いた者は絵心をどこかの悪神にでも捧げたのだろうか。
もしこれらの絵が同じ存在を描いているのだとしたら、こんなに形を変えられるものなどアメーバか、もしくは──
「……まさかな」
背筋にイヤな予感が走ったが、パタリと日誌を閉じて封じ込めた。
しかし湧いた寒気は治まってくれない。
自分は今、とても恐ろしいものを暴こうとしているのではないか。
キィ、黒鎧が擦れて嫌な音を立てる。
私がためらいを感じたがゆえの無駄な動きが生んだものだ。
一瞬ではあるが、迷ってしまった。
知らずにいる方が良いこともあるのではないか、と。
「ええい、サムニエ国軍部所属スライ指揮官! 民を守る立場がなんたるていたらくか!」
ぐ、と拳を握りしめる。
掌部分に強く突きたった指の先が、多少なりとも私に冷静さを取り戻させた。
黒幕が私をここへ閉じ込めた理由がサムニエ国出身だからか、スライムだからかはわからないが。
ここで情報を集めなければ後手に回る。
防衛に徹するか攻勢に回るか判断に迷えば、待っているのは無辜の民達の蹂躙だ。
彼らを守れるのは私しかいない。
大げさでもなんでもなく、これは事実だ。
「……? あれは……?」
ふと、力を込めて体の向きを変えたからか。
私は新たな事実に気づいた。
棚の向こうに、不自然な空気の流れを感じる。
己の絵の腕前は置いておいて、なにを描いているのか全くわからないそれに思わず笑ってしまった。
ぐにゃぐにゃとのたくったような線は、動物にはとても思えない。
ただの丸が描かれているかと思えば、次のページには床に叩きつけられた吐瀉物のようなものが全面に描かれていたりした。
これを描いた者は絵心をどこかの悪神にでも捧げたのだろうか。
もしこれらの絵が同じ存在を描いているのだとしたら、こんなに形を変えられるものなどアメーバか、もしくは──
「……まさかな」
背筋にイヤな予感が走ったが、パタリと日誌を閉じて封じ込めた。
しかし湧いた寒気は治まってくれない。
自分は今、とても恐ろしいものを暴こうとしているのではないか。
キィ、黒鎧が擦れて嫌な音を立てる。
私がためらいを感じたがゆえの無駄な動きが生んだものだ。
一瞬ではあるが、迷ってしまった。
知らずにいる方が良いこともあるのではないか、と。
「ええい、サムニエ国軍部所属スライ指揮官! 民を守る立場がなんたるていたらくか!」
ぐ、と拳を握りしめる。
掌部分に強く突きたった指の先が、多少なりとも私に冷静さを取り戻させた。
黒幕が私をここへ閉じ込めた理由がサムニエ国出身だからか、スライムだからかはわからないが。
ここで情報を集めなければ後手に回る。
防衛に徹するか攻勢に回るか判断に迷えば、待っているのは無辜の民達の蹂躙だ。
彼らを守れるのは私しかいない。
大げさでもなんでもなく、これは事実だ。
「……? あれは……?」
ふと、力を込めて体の向きを変えたからか。
私は新たな事実に気づいた。
棚の向こうに、不自然な空気の流れを感じる。
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