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穴の部屋5
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「ええい、ままよ!」
不可解な状況、なにするものぞ。
ここで臆せば男がすたるというもの、私は頭部を穴の中へと突っ込んだ。
「むっ……もう、少し、なんだが……」
兜の可動域では首がなかなか上へ曲げられない。
どうにか文字を読み取って離脱しようともがくが、位置が悪く視界にプレートが入り切らない。
「この、よっ……み、えた!」
片腕をねじ込み、両肩をひねり出して、穴のヘリに腹がつくほどに体を突っ込んで、ようやく見えたもの。
それは絵だった。
文字も書かれてはいたのだが、あいにく私が習得していない言語のおかげでどういう意味かは理解できなかった。
その赤い文字と同じ内容を表しているだろうと思われる絵には。
穴にはまる人。
丁度自分と同じようなポーズになっている人間の、下半身部分に矢印が描かれている。
「あー、……なるほど、……」
私は思い返す。
今自分の下半身がある方の部屋にもプレートがあったことを。
破損がひどく読取れなかったが、なんとなく、あれは上半身に矢印が向けられた絵が描かれていたのでは、と予想していた。
「つまり、あれだな」
なんにせよ、穴についての説明には違いない。
「今の私は、ちょうど逆だということだな?」
うぃん、という機械音。
嫌な予感がして、視線を向ける。
デザインによるものかな、それともただの傷かな、と思っていた線が境目となって開いていく。
中から出てきたのは、ぞるりと紐状の肢体をくねらせるコード。
なんというか、先程のものより先端についている物がえぐい印象を受ける。
私は腹の底から声を上げた。
「罠だったチクショウ!!!」
不可解な状況、なにするものぞ。
ここで臆せば男がすたるというもの、私は頭部を穴の中へと突っ込んだ。
「むっ……もう、少し、なんだが……」
兜の可動域では首がなかなか上へ曲げられない。
どうにか文字を読み取って離脱しようともがくが、位置が悪く視界にプレートが入り切らない。
「この、よっ……み、えた!」
片腕をねじ込み、両肩をひねり出して、穴のヘリに腹がつくほどに体を突っ込んで、ようやく見えたもの。
それは絵だった。
文字も書かれてはいたのだが、あいにく私が習得していない言語のおかげでどういう意味かは理解できなかった。
その赤い文字と同じ内容を表しているだろうと思われる絵には。
穴にはまる人。
丁度自分と同じようなポーズになっている人間の、下半身部分に矢印が描かれている。
「あー、……なるほど、……」
私は思い返す。
今自分の下半身がある方の部屋にもプレートがあったことを。
破損がひどく読取れなかったが、なんとなく、あれは上半身に矢印が向けられた絵が描かれていたのでは、と予想していた。
「つまり、あれだな」
なんにせよ、穴についての説明には違いない。
「今の私は、ちょうど逆だということだな?」
うぃん、という機械音。
嫌な予感がして、視線を向ける。
デザインによるものかな、それともただの傷かな、と思っていた線が境目となって開いていく。
中から出てきたのは、ぞるりと紐状の肢体をくねらせるコード。
なんというか、先程のものより先端についている物がえぐい印象を受ける。
私は腹の底から声を上げた。
「罠だったチクショウ!!!」
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