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啓蒙犯罪~仕組まれた危機意識~Light ver
最終話 陰謀
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<事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。>
~ニーチェ~
ここは霞が関にあるオフィスビルの一室
様々なキャストが集められていた
一見普通のサラリーマンからヤンキーや女子高生に幼稚園児まで
しばらくすると部屋にスーツを着た役人が現れた
係員
「えぇ~これからあなた方に犯罪を行って貰います」
「あなたにはパパ活をしてもらいます」
女子高生
「女子高生ってだけでそんな風に見られるのは嫌です」
係員
「だからこそパパ活は犯罪だと言う事を世間に知らしめる為に」
「当然実際に体を売るとかではなくそこのサラリーマンの方と
街を歩いてもらって我々が用意したマスコミの取材を受けて
その内容を提携雑誌にリークします」
係員
「えぇ~そこのあなたには特殊詐欺をして貰います」
「電話でコンビニに行きギフトカードを買うように指示して下さい」
「そして横のあなたには実際コンビニに行きギフトカードを買って下さい」
「その事をメディアにリークして世間に特殊詐欺の啓発を促します」
係員
「えぇ~そちらのあなたにはSNSに誹謗中傷の書き込みをして頂きます」
「その記事を警察が摘発して世間には誹謗中傷はダメなんだと啓発します」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浅倉
「桃井さん・・・どう思います?」
桃井
「・・・何とも言えないわ」
浅倉
「1975年6月16日に佐藤栄作元首相の国民葬に参加していた三木氏を
暴漢が殴打すると言う事件が起きましたが」
「当時の警護法では、護衛の警察官は要人を遠巻きに見守ることしかできず、
暴漢に気づけなかったといいます」
「事件から約3か月後の9月13日、警視庁の要人警護専門チーム「SP隊」が発足しました」
桃井
「SP隊を創る為に?わざとそう言う犯罪を国が行ったの?」
浅倉
「はい・・・」
桃井
「他には?」
浅倉
「例えばよく<爆弾を仕掛けた>とか<運動会を中止にしないと大変な事が起こる>
などの脅迫が市役所や学校に届くのもね
実際にそう言う本当の脅迫では無く
各機関に啓発の為に国安が仕向けた啓蒙犯罪らしく・・・」
桃井
「本当に?じゃぁ学校なんかに届く児童に対する脅迫メールとかは?」
浅倉
「それも実際にあった事件の啓発の為に何件か国安が仕向けています」
「そうする事で学校の防犯対策にもなるんですよ」
渡部
「桃井さん」
桃井
「何?」
渡部
「例のあおり運転も国が用意した啓蒙犯罪らしいですよ
あの事件をきっかけにあおり運転が世に広まり
ドライブレコーダーが売れ出したみたいです」
桃井
「だったら先日のケータイの電波がつながらない通信障害は?」
渡部
「それも国によるサイバー犯罪の啓発活動で
デジタル社会に警鐘を慣らす為の国安による啓蒙犯罪だと」
桃井
「インフラが当たり前に使える事に対するアンチテーゼか・・・」
渡部
「よく嫌疑不十分で不起訴ってあるじゃないですか」
「あれは啓発でこんな犯罪がありますよって国民に訴えて
あとで裁判所が不起訴にするんですよ
実際そんな犯罪は起きて無いにも関わらずにね」
桃井
「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何故、国は啓蒙の為とはいえ
啓発の為の犯罪行為を行うのか
日本には三権分立
・司法
・立法
・行政
に権力が分散されている
実は立法の段階で
未だ起きていない新しい犯罪の例えを
国会に提出しているが
その多くは野党などの
反対により成立が難しく
仕方なく成立が難しそうな刑事法を国安が啓蒙犯罪を行った上で
再度閣議決定して国会に上げる
憲法にも
日本国憲法・第三十一条
何人も、法律の定める手続によらなければ、
その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
つまりそれら犯罪を取り締まる
法律がない限り
警察は動けない・・・
それが法治国家「日本」のもどかしい所
浅倉
「正義って何ですかね・・・私たちが信じる正義って正しいのかな?」
桃井
「正義はね自分の為にあるだけじゃ無くて相手の為にもあるの」
「被害者は勿論加害者の為にもある物なの」
渡部
「加害者もですか?」
桃井
「盗人にも三分の理ってね」
「加害者も犯行を行う理由があるのよ」
「もちろん理由があっても犯行を犯してはダメなんだけどね」
「一般的な犯罪において
加害者を殺してしまえば
犯行に至った経緯や動機などが
犯人をどうやって確保に導くかも分からずに
次の犯罪抑止や犯行への対応が分からない
だから日本の警察は
極力相手を傷つけずに捕まえます」
桃井
「私たち警察官の正義はね、加害者を生まない事、それは被害者を生まない事にもなるの」
「加害者を生まない為に警察は(職質)(パトロール)(検問)などをおこなって犯罪の芽を摘む」
「加害者がいなければ当然被害者もいないのだから」
「もちろん被害者に寄り添い被害者を救うのも警察官としてとても大切な役目だけどね」
「私も被害者にとって頼りになる警察官を目指していたからね」
渡部
「どうします?マスコミにリークしますか?」
「検察も一体になっていますから・・・」
桃井
「・・・」
~ニーチェ~
ここは霞が関にあるオフィスビルの一室
様々なキャストが集められていた
一見普通のサラリーマンからヤンキーや女子高生に幼稚園児まで
しばらくすると部屋にスーツを着た役人が現れた
係員
「えぇ~これからあなた方に犯罪を行って貰います」
「あなたにはパパ活をしてもらいます」
女子高生
「女子高生ってだけでそんな風に見られるのは嫌です」
係員
「だからこそパパ活は犯罪だと言う事を世間に知らしめる為に」
「当然実際に体を売るとかではなくそこのサラリーマンの方と
街を歩いてもらって我々が用意したマスコミの取材を受けて
その内容を提携雑誌にリークします」
係員
「えぇ~そこのあなたには特殊詐欺をして貰います」
「電話でコンビニに行きギフトカードを買うように指示して下さい」
「そして横のあなたには実際コンビニに行きギフトカードを買って下さい」
「その事をメディアにリークして世間に特殊詐欺の啓発を促します」
係員
「えぇ~そちらのあなたにはSNSに誹謗中傷の書き込みをして頂きます」
「その記事を警察が摘発して世間には誹謗中傷はダメなんだと啓発します」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
浅倉
「桃井さん・・・どう思います?」
桃井
「・・・何とも言えないわ」
浅倉
「1975年6月16日に佐藤栄作元首相の国民葬に参加していた三木氏を
暴漢が殴打すると言う事件が起きましたが」
「当時の警護法では、護衛の警察官は要人を遠巻きに見守ることしかできず、
暴漢に気づけなかったといいます」
「事件から約3か月後の9月13日、警視庁の要人警護専門チーム「SP隊」が発足しました」
桃井
「SP隊を創る為に?わざとそう言う犯罪を国が行ったの?」
浅倉
「はい・・・」
桃井
「他には?」
浅倉
「例えばよく<爆弾を仕掛けた>とか<運動会を中止にしないと大変な事が起こる>
などの脅迫が市役所や学校に届くのもね
実際にそう言う本当の脅迫では無く
各機関に啓発の為に国安が仕向けた啓蒙犯罪らしく・・・」
桃井
「本当に?じゃぁ学校なんかに届く児童に対する脅迫メールとかは?」
浅倉
「それも実際にあった事件の啓発の為に何件か国安が仕向けています」
「そうする事で学校の防犯対策にもなるんですよ」
渡部
「桃井さん」
桃井
「何?」
渡部
「例のあおり運転も国が用意した啓蒙犯罪らしいですよ
あの事件をきっかけにあおり運転が世に広まり
ドライブレコーダーが売れ出したみたいです」
桃井
「だったら先日のケータイの電波がつながらない通信障害は?」
渡部
「それも国によるサイバー犯罪の啓発活動で
デジタル社会に警鐘を慣らす為の国安による啓蒙犯罪だと」
桃井
「インフラが当たり前に使える事に対するアンチテーゼか・・・」
渡部
「よく嫌疑不十分で不起訴ってあるじゃないですか」
「あれは啓発でこんな犯罪がありますよって国民に訴えて
あとで裁判所が不起訴にするんですよ
実際そんな犯罪は起きて無いにも関わらずにね」
桃井
「・・・」
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何故、国は啓蒙の為とはいえ
啓発の為の犯罪行為を行うのか
日本には三権分立
・司法
・立法
・行政
に権力が分散されている
実は立法の段階で
未だ起きていない新しい犯罪の例えを
国会に提出しているが
その多くは野党などの
反対により成立が難しく
仕方なく成立が難しそうな刑事法を国安が啓蒙犯罪を行った上で
再度閣議決定して国会に上げる
憲法にも
日本国憲法・第三十一条
何人も、法律の定める手続によらなければ、
その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
つまりそれら犯罪を取り締まる
法律がない限り
警察は動けない・・・
それが法治国家「日本」のもどかしい所
浅倉
「正義って何ですかね・・・私たちが信じる正義って正しいのかな?」
桃井
「正義はね自分の為にあるだけじゃ無くて相手の為にもあるの」
「被害者は勿論加害者の為にもある物なの」
渡部
「加害者もですか?」
桃井
「盗人にも三分の理ってね」
「加害者も犯行を行う理由があるのよ」
「もちろん理由があっても犯行を犯してはダメなんだけどね」
「一般的な犯罪において
加害者を殺してしまえば
犯行に至った経緯や動機などが
犯人をどうやって確保に導くかも分からずに
次の犯罪抑止や犯行への対応が分からない
だから日本の警察は
極力相手を傷つけずに捕まえます」
桃井
「私たち警察官の正義はね、加害者を生まない事、それは被害者を生まない事にもなるの」
「加害者を生まない為に警察は(職質)(パトロール)(検問)などをおこなって犯罪の芽を摘む」
「加害者がいなければ当然被害者もいないのだから」
「もちろん被害者に寄り添い被害者を救うのも警察官としてとても大切な役目だけどね」
「私も被害者にとって頼りになる警察官を目指していたからね」
渡部
「どうします?マスコミにリークしますか?」
「検察も一体になっていますから・・・」
桃井
「・・・」
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