啓蒙犯罪～仕組まれた危機意識～

yami story's ゲシュタルト～狂いだした歯車～

バースデイ編

PM３：００

私の名前は愛美
今日から無人島での楽しいキャンプが始まります

みんな私の誕生日忘れてるのかな？

でも友人たちと過ごすこの時を大切にしていきたい

「まてぇ～」 「やめてよもう子供じゃないんだから」
哲夫と優子
中学生の時から付き合ってるみたいで
大学のサークル内でも有名なバカップル

「ねぇせっかくのキャンプなのに本読んでるの？」
「うるさいわねぇ～あっち行っててよ」 高志と京子

高志は誰にでも優しく気軽に話しかけてくる
女の子にあんなに接近して話しかけてくる男子は今時珍しいね

京子は本が大好きな文学少女って行ったところかな？
私が推理小説が好きでお互い本好きで意気投合！

京子はファンタジー小説が好きで時折優しい表情を浮かべながら
 いつも本を読んでいる

「みなさ～んジュースいかがっすか？」
大森君 みんなのパシリみたいな存在だけど
良く言って弟のような可愛い後輩

そして・・・ 「どうした愛美？なんか浮かない顔だぞ？」 「ん？別に」
私の彼氏の聡 大学に入ってサークルに誘ってきたんだけど

一目惚れで２年になった時に勇気を出して告白 付き合うようになってまだ半年

この間初めて彼の部屋でキスした時は人生で凄く緊張したよ

このサークル仲間たちと２泊３日で瀬戸内海の
無人島ゲシュタルト島へキャンプをしにやって来た

島は地元の観光協会が管理していて
島には管理人夫婦とアルバイトの女性一人が居るだけ

今日は完全に私たち貸切です

PM4:30 

島に到着すると管理人夫婦さんがお出迎えしてくれた

管理人
「ようこそゲシュタルト島へ疲れたでしょ　さぁ」 
私たちは小型バスに乗せられキャンプ場へ

そこはコテージが５つあり近くには清流が流れている 
セミの鳴き声が夏を演出してくれている

清流のせせらぎを眺めていると聡が管理人さんから鍵を預かってきた

荷物置こうと部屋割りを言う聡 
哲夫
「僕と優子は同じコテージだね」 「もう何する気なの哲夫♪」 
・・・
聡
「高志と俺だな」

京子
「ねぇ聡と愛美付き合ってるんだから二人で同じコテージにしなよ」 

ナイスパス

聡
「そ・・・そうか？どうする愛美？」
愛美
「うん・・・聡が良ければ一緒でいいよ」
高志
「じゃ俺は京子と～」 
京子
「あんたは大森君と！私は一人で良いよ
その方が静かで本読めるし」

おのおのコテージに行き荷物を置きに行った 
ただ気になったのは大森君の荷物がやたら多い事・・・

「早速飯の準備するか？」 やっぱキャンプの醍醐味って行ったらご飯でしょ
「やべぇ肉忘れてきた」 「嘘でしょ！何やってんの哲夫！！」 「うん嘘」
「もう哲夫ったらぁ～優子驚いちゃった♪」 また始まった・・・

聡
「飯の用意は俺たちがするから女子は休んでなよ」

京子
「じゃ私コテージに居るから出来たら呼んで」 
大森
「僕も手伝うよ」 
聡
「あぁじゃぁカレー頼む」

キャンプといえばカレーである。オーソドックスだが嫌いな人は居ないと思う

PM５：１５ 
聡
「よし出来たみんなを呼んで来てくれ」 
大森君がさっそうと京子さんのコテージへ

愛美 
「とり皿一つ足りないね」 
聡
「大森のやつに頼んだんだけどあいつ７人居るのに６人分しか用意してないんだ」

・・・うぎゃぁ～ ？？？ 「どうした大森！」 血相を変えて走ってきた
大森が信じられない事を言い出した

大森
「京子が・・・死んでる！」 ？？？ 
愛美
「何行ってんの？冗談でしょ？」

皆でコテージへ・・・ きゃぁぁ 
そこで見た物はソファで
胸にナイフが刺さった状態で血だらけの京子だった

「管理人に知らせなきゃ愛美来てくれ」 「・・・」 「愛美！」 「うん」 「哲夫達はコテージで待機しててくれ」 「私怖い・・・」 「じゃ聡達が戻ってくるまで俺たち４人は高志たちのコテージで待ってよう」

どんどんどんすいません！！管理人さん！！ 「ハイ・・・どうされました？」 「京子が・・・仲間が死んでるんです！」 「えぇ！それは大変だ」 管理人夫婦をつれ京子のコテージへ戻ってきた私たち 「んと１０４ここです」 ？？？

あれ？

そこに京子の姿はおろか辺り一面の血が綺麗に無くなっていた

PM５：３０ 高志たちとも合流した 
聡
「確かにここだよな１０４京子のコテージだよ」 
管理人
「あんたがた幻でもみたんじゃないのかい？」
愛美
 「本当に殺されてたんです！現に京子いないし・・・」 
高志
「まだ殺されたって決まったわけじゃ無いだろ？」

自殺？

聡
「この島に居るの我々だけですよね？」 
管理人
「あとうちのバイトの子がいる」 
愛美
「今どこに居るんです？」
管理人
「それが・・・PM４時頃ちょっと出かけてくるって行って」

とりあえずご飯を食べた私たち・・・生きた心地がしない

味がよく分からない・・・でもこんな時でもお腹が空くもんだと驚いている

管理人
「警察には私たちが連絡しておきますので今日は・・・」
管理人の妻
「定期便は明日にならないと来ないんです」

優子
「いやよ私！こんな事件が起こった島で一晩明かすなんて」
高志
「ひょっとして俺たちの中に犯人がいるんじゃ・・・」
聡
「高志何言ってるんだ！」

優子
「私は哲夫と二人きりでコテージに居る！」 
そう言うと哲夫と自分たちのコテージへ戻っていった

高志
「じゃ大森お前外で寝ろ」 
大森
「えぇ何で？」
高志
「俺は一人で過ごす じゃ」 
大森
「何て薄情なんだ うわぁ」

愛美
「大森君私たちのコテージに来なよ」
大森
「うん！」

PM７：００
静かな夜・・・静寂って言うのかな 部屋のエアコンが２４℃に設定されていて 快適に過ごしつつ私はある思いを巡らせていた 「愛美何やってるの？」 「このパンフレットの地図・・・コテージが５個 哲夫と裕子のコテージ１０１ 大森君と忠志のコテージ１０２ 京子のコテージ１０４ そして私たちのコテージ１０３ 空きコテージ１０５が１つ・・・ 「ねぇ聡１０５に行ってみない？」 
ここで私の推理が光る

「あの時大森君が連れて行ったコテージ パニックになっていて番号見るの忘れてたけど 
京子が居たの１０５だったかも
聡と管理人さんたちを呼びに言って戻って来た時
１０４の空きコテージに行ったんじゃないかな？

京子はその１０５の空きコテージに居るんじゃないのかな？ 」

なぜか聡も大森君もニヤニヤしてる

愛美
「聡！何か隠してるね」 私は凄い形相で聡に詰め寄った
聡
「まっまぁ愛美みんな集めて１０５のコテージへ行ってみようか」

PM７：１５分 全員揃って１０５へ 
中に入るとそこには京子の死体では無く 紙を丸めたやつが天井をつたっていて

垂れ幕には「愛美お誕生日おめでとう」の文字 えっ・・・ すると京子がソファーの影から出てきて 「一人で準備するの大変だったんだよマジで」 パンパン クラッカーの音が響き渡る 「おめでとう愛美」 「聡・・・騙したのねみんな！」

私は心の中で怒りつつもホッとしていた

「他にもトリック仕掛けてたんだけどな」 
「・・・あっ！とり皿一つ足りないとか？」 
「愛美推理小説好きでしょ？」

皆で誕生会をして凄く楽しかった 
翌日も皆で過ごす かけがえの無い仲間 素敵な夏休みになった

帰りのフェリーの中で 「哲夫～」 「まて～あはは」 バカップルな哲夫と優子 

「京子そろそろ俺たちも・・・なっ」
京子にちょっかいを出すハンサムな高志  
「ウザイ！あっち行ってて」
何より本を愛している京子

「高志君ジュース買ってきたよ！」
相変わらず大森君はジュース買って来いって言われてる愛すべきパシリ

「どうだった、キャンプまた来ような」
そして私の彼氏にしちゃもったいない位の聡

とても楽しいイベントになりました

でもふと気になったのは・・・ 
島でアルバイトしている子に出会わなかった事だった・・・

終