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第1部 高級クラブのお仕事
辿り着いた奈落
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『西天満署の柳沢です。今朝は協力いただき、ありがとうございました』
電話に出ると、今朝取り調べを受けた若い方の刑事からだった。
柳沢刑事は、萌未に最後に会った日時と場所を詳しく教えて欲しいと言う。
悪い予感がした。
「萌未が容疑者になってるんですね?」
『いや…参考に知りたいだけで…』
若いといっても年は20代後半から30代前半といったところだろう。自分よりはひと回りほども年上の人を捕まえてなぜ若いと思うか…それは、おそらく彼はまだ現場慣れしておらず、そこからくる、どっしりとしない態度や自信無さげな言葉遣いからの印象だと思う。
「なぜ事故ではなく、事件として捜査されるのか、はっきりした理由があるのなら、教えて下さい。でなければ、参考程度の話に友達の情報を話す気になれません」
『ええ!?いや~困ったなあ…』
彼にしてみれば予想外の言葉が返ってきたみたいで、柳沢刑事はしばらく沈黙した後、
『まあ、どうせすぐに報道されるし…いっか…』
と、踏ん切りをつけたように話し出した。
『実はね、宮本さんの体内から致死量の睡眠薬が検出されたんです。おそらく、車が飛び込む前にはすでに服用していたと思われます。てことは、君の名刺は誰かに握らせてもらわなければ、本人が握ることは出来ない。だから今度のことは、事件の可能性が高いんです』
柳沢刑事はそこまで早口で言うと、次は君が教えてくれるターンだというように長い間を空けた。
「おとついの晩は萌未と一緒でした。きのうは萌未と会っていません」
涼平は嘘をついた。後で偽証を問われるかもしれないが、今はそんなことはどうでもよかった。
『え!?あ、じゃあ…』
柳沢刑事は驚きの声を上げ、そして矢継ぎ早に質問を続けようとしたが、今は忙しいので、と言って、すぐに電話を切った。
いよいよ萌未が容疑者として捜査されている…今の刑事とのやり取りから、それがはっきりした。
萌未に対しての疑問…
黒田の言うことが本当ならば、涼平が初めて萌未の部屋を訪れた日、酔って潰れた自分を仕方なく泊めた、と見せかけて、それは全てそう仕向けた演出だった?
だとしたら、なぜ…?
(俺が萌未に惚れる。しかし萌未は宮本さんと一緒に住んでいる。当然、俺は嫉妬するやんなあ…で、宮本に殺意を抱く…俺、そんな安直ちゃうけど、人から見たら宮本さんのこと嫌う動機にはなるよな。で、萌未は自分の持ってる睡眠薬を宮本さんに飲ませ、美伽を誘き寄せて、事故と見せかけて車を転落させる。宮本さんの手には俺の名刺を握らせて、はい、俺が犯人です…て感じ?で、うっかり自分のバッグ忘れて?いくらなんでも、そんなに用意周到に計画した人間が最後の最後にそんなチョンボするとは考えにくいよなあ~)
でも、バッグを忘れなければ、完璧にも思える。
そして涼平が黒服にまでなるなんて誤算だったから、黒田に頼んでそれを阻止しようとした…?
萌未が涼平に最後まで体を許さないことを考えても、一応は辻褄は合っているように思える。
それが、涼平の心を暗くさせた。
涼平は首を振ってまた暗い方向に向きかけた思考を打ち消し、次にやるべきことに頭を切り替えた。
もう一人、萌未のことを知る人物、夏美に電話するが、コールだけで留守電にもならない。
そのときふと、あと一人、萌未を知る人物に思い当たった。
シャレードのマスターだ。
(そうや!まずはシャレード行って、何かマスターが知ってへんか聞いてみよ。そんで、若名が開いたら、店に電話して夏美さんを呼んでもらおう)
取り敢えず目標が出来たことで、涼平は不審の泥沼にはまり込まずに済んだ。時刻は7時前、シャレードはオープン直前の時間だ。本通りを歩いて向かうと、シャレードのマスターはいつも通り、開店前の準備を忙しそうにしていた。
「お、この時間に私服なんて…ひょっとして、これ!?」
マスターは涼平の顔を見ると、首の前で手のひらを水平に切った。当然冗談のつもりだったのだろうが、そのおどけた表情には今日起きた事件の影は微塵も感じられなかった。
「今日実は、友人が亡くなって…それで店は休ませてもろてるんです」
涼平の沈んだ声にマスターは笑みを消すと、それはお気の毒に、と神妙に言った。
涼平はマスターに昨夜から今日までのことを、第三者にニュースを伝える程度に端的に語って聞かせた。そして、涼平の名刺と萌未のバッグのことを伝え、自分と萌未が事件に関わっていることを訴えた。マスターは真剣に耳を傾けた後、それは大変やったねえ、と、もう一度神妙な顔で言った。
「マスターが萌未について知ってること、なんかありませんか?俺、どうしても、警察が見つける前に、萌未に会いたいんです」
涼平が泣きそうな顔でそう言うと、マスターは首を傾げた。
「警察が見つける前にって…めぐちゃんが警察から逃げてるってこと?」
「え?あ、そういえば…」
マスターに指摘されてやっと気づいたが、涼平はずっと、萌未は警察から逃げていると思っていた。だが、ひょっとしたら連絡取りたくても取れない状況なのかもしれないし、最悪の場合、萌未の身にも何かが起きていて連絡が取れないのかもしれない…
「涼平くん、よく聞いてや」
マスターは今まで見たことないくらい真面目な顔で涼平を見据える。
「こういう店ではね、お客さんはいろんな想いを酒飲みながら語っていく。でも、安心して飲んで帰ってもらうためには、僕と、お客さんの間に信頼がないとあかんのや。だから、お客さんが僕にしゃべってくれたことは、どんなことがあっても、他の人に言われへんねん」
マスターは涼平の前にいつも頼むバーボンをロックで出してくれた。
「涼平くんには悪いけど、めぐちゃんがこの前にいつ来たか、くらいしか答えてあげられへん。めぐちゃんが涼平くんに会わないとあかんって思ったら、きっと彼女の方から会いに来てくれるよ」
「はい…。でも、ひょっとしたら会いに来たくても来れない状況なんかも…」
「そうやねえ…俺もめぐちゃんと連絡取れそうな人に聞いてあげてもいいけど…今日はそれ飲んで、ゆっくり休んだ方がいいよ。かなり疲れた顔してるから…」
ありがとうございます、とバーボンに口を付けた涼平に、マスターはこんなことを聞いてきた。
「涼平くん、シャレードって、どんな意味か知ってるか?」
マスターの目には、不思議な光が宿っていた。
「いえ、分かりません…」
「謎解き、ていう意味なんよ。この北新地で知り合った人のこと詳しく知りたかったら、自分で辿っていくしかない。でも、本当に相手のことを大切に想っていたら、必ず出会えるよ」
(俺が教えるわけにはいかないんや。俺が言うと、意味がなくなってしまう)
涼平はそのとき、宮本と最後に交わした言葉が思い浮かんでいた。涼平はマスターの好意の一杯を時間をかけて飲み、8時になると、クラブ若名に電話をした。
だが、夏美を呼んでもらうが、本日は欠勤とのことだった。
ついに万策尽き、何か部屋で見落としている物があるかもしれない…と、涼平はマスターの言うように、とりあえず部屋に帰ることにした。
部屋に帰るとまず、開かずの部屋の箪笥から薬を探し出す。
いつか、萌未が眠れぬ日のために持ち出そうとした薬…
それはきっと、涼平が最初にここへ運ばれる前に若名で飲まされたという薬だ。
そしてもし萌未が犯人なのなら、宮本が川に飛び込む前にすでに致死量飲んでいたというのは同一の薬のはず。
薬包紙に包まれた粉薬が入ったトートバッグを箪笥の奥で見つけ、その一つを手に取って匂いを嗅ぐ。が、当然匂いがするわけではなく、薬物に詳しくない涼平にはそれが探している睡眠薬なのかどうか判断がつかない。バッグを探ってみても、薬品名も薬局の名前も見当たらず、ただ数十の薬包紙に包まれた薬だけがバッグの底に塊となっていた。
仕方がないので、一つ取って薬包紙を開き、少量を掌に移して飲んでみた。別段、何の味もしない。所持しただけで捕まる怪しいクスリの可能性もあったが、警察よりも早く萌未のことを知りたいという欲求が警戒心を上回っていた。
そのとき、携帯が鳴った。
夏美からだ。
『チャーリーにね、涼平ちゃんがめぐちゃんのこと心配してるから連絡してあげて欲しいって電話もらったんよ。何回か電話もらってたみたいやけど、出れなくてごめんね』
電話を受けた涼平の目の前の壁やクローゼットがすでにぐるぐると回り出していた。
「あの…め、萌未の居場所、知りませんか?」
激しい立ち眩みに耐えながら、何とか言葉を発する。
『ごめんねぇ、私も今日ニュース観て、心配していろいろ当たってみてるんやけど…もし分かったら、涼平ちゃんにも知らせるわね』
「あの…黒田さんが、めぐ、萌未がチンピラと付き合ってるって…な、夏美さん、その人のこと、知りませんか…?」
ついに強烈な睡魔に襲われ、必死でこらえながら携帯の声に何とか集中する。
『何言ってんのよ~涼平ちゃん、酔ってるの?呂律回ってないわよ。チンピラって、それ、たぶんリュージのことちゃうかなあ?神崎隆二…あなたとも友達でしょ?ね、大丈夫?涼平ちゃん…?』
天井が高速で回り、何とか部屋の隅にあったシングルのベッドに倒れ込んだ、そのベッドマットも沼と化し、涼平をぐるぐると渦巻く奈落へと沈めていく…そこへ埋没する寸前に、涼平は、最近親交を深めた同窓の名前を聞いた。
電話に出ると、今朝取り調べを受けた若い方の刑事からだった。
柳沢刑事は、萌未に最後に会った日時と場所を詳しく教えて欲しいと言う。
悪い予感がした。
「萌未が容疑者になってるんですね?」
『いや…参考に知りたいだけで…』
若いといっても年は20代後半から30代前半といったところだろう。自分よりはひと回りほども年上の人を捕まえてなぜ若いと思うか…それは、おそらく彼はまだ現場慣れしておらず、そこからくる、どっしりとしない態度や自信無さげな言葉遣いからの印象だと思う。
「なぜ事故ではなく、事件として捜査されるのか、はっきりした理由があるのなら、教えて下さい。でなければ、参考程度の話に友達の情報を話す気になれません」
『ええ!?いや~困ったなあ…』
彼にしてみれば予想外の言葉が返ってきたみたいで、柳沢刑事はしばらく沈黙した後、
『まあ、どうせすぐに報道されるし…いっか…』
と、踏ん切りをつけたように話し出した。
『実はね、宮本さんの体内から致死量の睡眠薬が検出されたんです。おそらく、車が飛び込む前にはすでに服用していたと思われます。てことは、君の名刺は誰かに握らせてもらわなければ、本人が握ることは出来ない。だから今度のことは、事件の可能性が高いんです』
柳沢刑事はそこまで早口で言うと、次は君が教えてくれるターンだというように長い間を空けた。
「おとついの晩は萌未と一緒でした。きのうは萌未と会っていません」
涼平は嘘をついた。後で偽証を問われるかもしれないが、今はそんなことはどうでもよかった。
『え!?あ、じゃあ…』
柳沢刑事は驚きの声を上げ、そして矢継ぎ早に質問を続けようとしたが、今は忙しいので、と言って、すぐに電話を切った。
いよいよ萌未が容疑者として捜査されている…今の刑事とのやり取りから、それがはっきりした。
萌未に対しての疑問…
黒田の言うことが本当ならば、涼平が初めて萌未の部屋を訪れた日、酔って潰れた自分を仕方なく泊めた、と見せかけて、それは全てそう仕向けた演出だった?
だとしたら、なぜ…?
(俺が萌未に惚れる。しかし萌未は宮本さんと一緒に住んでいる。当然、俺は嫉妬するやんなあ…で、宮本に殺意を抱く…俺、そんな安直ちゃうけど、人から見たら宮本さんのこと嫌う動機にはなるよな。で、萌未は自分の持ってる睡眠薬を宮本さんに飲ませ、美伽を誘き寄せて、事故と見せかけて車を転落させる。宮本さんの手には俺の名刺を握らせて、はい、俺が犯人です…て感じ?で、うっかり自分のバッグ忘れて?いくらなんでも、そんなに用意周到に計画した人間が最後の最後にそんなチョンボするとは考えにくいよなあ~)
でも、バッグを忘れなければ、完璧にも思える。
そして涼平が黒服にまでなるなんて誤算だったから、黒田に頼んでそれを阻止しようとした…?
萌未が涼平に最後まで体を許さないことを考えても、一応は辻褄は合っているように思える。
それが、涼平の心を暗くさせた。
涼平は首を振ってまた暗い方向に向きかけた思考を打ち消し、次にやるべきことに頭を切り替えた。
もう一人、萌未のことを知る人物、夏美に電話するが、コールだけで留守電にもならない。
そのときふと、あと一人、萌未を知る人物に思い当たった。
シャレードのマスターだ。
(そうや!まずはシャレード行って、何かマスターが知ってへんか聞いてみよ。そんで、若名が開いたら、店に電話して夏美さんを呼んでもらおう)
取り敢えず目標が出来たことで、涼平は不審の泥沼にはまり込まずに済んだ。時刻は7時前、シャレードはオープン直前の時間だ。本通りを歩いて向かうと、シャレードのマスターはいつも通り、開店前の準備を忙しそうにしていた。
「お、この時間に私服なんて…ひょっとして、これ!?」
マスターは涼平の顔を見ると、首の前で手のひらを水平に切った。当然冗談のつもりだったのだろうが、そのおどけた表情には今日起きた事件の影は微塵も感じられなかった。
「今日実は、友人が亡くなって…それで店は休ませてもろてるんです」
涼平の沈んだ声にマスターは笑みを消すと、それはお気の毒に、と神妙に言った。
涼平はマスターに昨夜から今日までのことを、第三者にニュースを伝える程度に端的に語って聞かせた。そして、涼平の名刺と萌未のバッグのことを伝え、自分と萌未が事件に関わっていることを訴えた。マスターは真剣に耳を傾けた後、それは大変やったねえ、と、もう一度神妙な顔で言った。
「マスターが萌未について知ってること、なんかありませんか?俺、どうしても、警察が見つける前に、萌未に会いたいんです」
涼平が泣きそうな顔でそう言うと、マスターは首を傾げた。
「警察が見つける前にって…めぐちゃんが警察から逃げてるってこと?」
「え?あ、そういえば…」
マスターに指摘されてやっと気づいたが、涼平はずっと、萌未は警察から逃げていると思っていた。だが、ひょっとしたら連絡取りたくても取れない状況なのかもしれないし、最悪の場合、萌未の身にも何かが起きていて連絡が取れないのかもしれない…
「涼平くん、よく聞いてや」
マスターは今まで見たことないくらい真面目な顔で涼平を見据える。
「こういう店ではね、お客さんはいろんな想いを酒飲みながら語っていく。でも、安心して飲んで帰ってもらうためには、僕と、お客さんの間に信頼がないとあかんのや。だから、お客さんが僕にしゃべってくれたことは、どんなことがあっても、他の人に言われへんねん」
マスターは涼平の前にいつも頼むバーボンをロックで出してくれた。
「涼平くんには悪いけど、めぐちゃんがこの前にいつ来たか、くらいしか答えてあげられへん。めぐちゃんが涼平くんに会わないとあかんって思ったら、きっと彼女の方から会いに来てくれるよ」
「はい…。でも、ひょっとしたら会いに来たくても来れない状況なんかも…」
「そうやねえ…俺もめぐちゃんと連絡取れそうな人に聞いてあげてもいいけど…今日はそれ飲んで、ゆっくり休んだ方がいいよ。かなり疲れた顔してるから…」
ありがとうございます、とバーボンに口を付けた涼平に、マスターはこんなことを聞いてきた。
「涼平くん、シャレードって、どんな意味か知ってるか?」
マスターの目には、不思議な光が宿っていた。
「いえ、分かりません…」
「謎解き、ていう意味なんよ。この北新地で知り合った人のこと詳しく知りたかったら、自分で辿っていくしかない。でも、本当に相手のことを大切に想っていたら、必ず出会えるよ」
(俺が教えるわけにはいかないんや。俺が言うと、意味がなくなってしまう)
涼平はそのとき、宮本と最後に交わした言葉が思い浮かんでいた。涼平はマスターの好意の一杯を時間をかけて飲み、8時になると、クラブ若名に電話をした。
だが、夏美を呼んでもらうが、本日は欠勤とのことだった。
ついに万策尽き、何か部屋で見落としている物があるかもしれない…と、涼平はマスターの言うように、とりあえず部屋に帰ることにした。
部屋に帰るとまず、開かずの部屋の箪笥から薬を探し出す。
いつか、萌未が眠れぬ日のために持ち出そうとした薬…
それはきっと、涼平が最初にここへ運ばれる前に若名で飲まされたという薬だ。
そしてもし萌未が犯人なのなら、宮本が川に飛び込む前にすでに致死量飲んでいたというのは同一の薬のはず。
薬包紙に包まれた粉薬が入ったトートバッグを箪笥の奥で見つけ、その一つを手に取って匂いを嗅ぐ。が、当然匂いがするわけではなく、薬物に詳しくない涼平にはそれが探している睡眠薬なのかどうか判断がつかない。バッグを探ってみても、薬品名も薬局の名前も見当たらず、ただ数十の薬包紙に包まれた薬だけがバッグの底に塊となっていた。
仕方がないので、一つ取って薬包紙を開き、少量を掌に移して飲んでみた。別段、何の味もしない。所持しただけで捕まる怪しいクスリの可能性もあったが、警察よりも早く萌未のことを知りたいという欲求が警戒心を上回っていた。
そのとき、携帯が鳴った。
夏美からだ。
『チャーリーにね、涼平ちゃんがめぐちゃんのこと心配してるから連絡してあげて欲しいって電話もらったんよ。何回か電話もらってたみたいやけど、出れなくてごめんね』
電話を受けた涼平の目の前の壁やクローゼットがすでにぐるぐると回り出していた。
「あの…め、萌未の居場所、知りませんか?」
激しい立ち眩みに耐えながら、何とか言葉を発する。
『ごめんねぇ、私も今日ニュース観て、心配していろいろ当たってみてるんやけど…もし分かったら、涼平ちゃんにも知らせるわね』
「あの…黒田さんが、めぐ、萌未がチンピラと付き合ってるって…な、夏美さん、その人のこと、知りませんか…?」
ついに強烈な睡魔に襲われ、必死でこらえながら携帯の声に何とか集中する。
『何言ってんのよ~涼平ちゃん、酔ってるの?呂律回ってないわよ。チンピラって、それ、たぶんリュージのことちゃうかなあ?神崎隆二…あなたとも友達でしょ?ね、大丈夫?涼平ちゃん…?』
天井が高速で回り、何とか部屋の隅にあったシングルのベッドに倒れ込んだ、そのベッドマットも沼と化し、涼平をぐるぐると渦巻く奈落へと沈めていく…そこへ埋没する寸前に、涼平は、最近親交を深めた同窓の名前を聞いた。
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