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第1部 高級クラブのお仕事
一流と三流の対義
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身に覚えのない席に呼ばれ、首を傾げる涼平。後ろを向いていた他店のホステスが涼平に向き、その顔を見ると何と萌未だった。
「え…萌未!?」
驚いた涼平の顔をよそに、貴代ママが、
「ぼくちゃん、こちらの宮本さんの指名よ。一杯いただきなさい」
と言った。
「君が涼平くんか。萌未の同級生なんやってね」
ママに続いて声をかけてきたのは萌未の隣にいた30代くらいの男性で、丹精な顔立ちの男前だった。フジケンさん、と呼ばれる恰幅のある方の男性が脂ぎった感じなのに対し、宮本さんはラガーマンがそのまま社会人になったような、健康的な肌艶をしていた。
「椎原くん、一杯いただきなさい」
山田常務が涼平に席に着くよう促す。
「こちらがフジケン興行の社長、フジケンさん。で、こちらが次期社長の宮本拓也さんよ」
おずおずと席に着いた涼平に、萌未が二人の男性に手をかざして紹介してくれた。
「時期社長はやめてくれよ」
宮本は萌未の言葉に、照れくさそうに頭を掻きながらフジケン社長を見る。社長はまんざらでもないというように微笑んでいる。宮本が涼平に名刺を渡し、涼平もスカウト合戦用に作ってもらった出来立ての名刺を渡した。宮本の名刺には、
フジケン興業株式会社 専務
と書いてあった。
「ね、涼平がスカウトした子ってどんな子?席に呼んでよ」
名刺を眺めている涼平に、萌未が言った。
(あ、ひょっとしてわざわざそれを見に来た!?)
萌未の思惑に気づき、涼平は由奈の今日の仕上がりを思い浮かべてにじりと嫌な汗をかく。
「い、いやあ…席に呼ぶほどのものでは…」
「席に呼ぶほどのものではない子を何で働かせてんのよ。ぼくちゃんが入れた子かいな。早よ席に呼びなさい」
貴代ママくらいの売り上げのママになると出勤時間が他のホステスよりも遅い。なので、先ほどの騒動はどうやら知らないようだ。貴代ママが山田常務を呼び、このぼくちゃんが入れた子、と言うと常務は急いで待機場所に由奈を呼びに行った。
(うわ、最悪の展開になってきた…)
涼平は居心地の悪さに身じろぎし、それを見た宮本が声をかける。
「どう?仕事は慣れたかな?」
「は、はあ…まだまだです」
涼平は話をそこそこに待機場所から由奈が現れるのを心配しながら見ていた。
「ご指名ありがとうございまーす!由奈ちゃんでーす」
由奈と、一緒に裏にいた優香が山田常務に連れられてやってきて、座ると同時に由奈が放った言葉にその席の全員がどっとうけた。涼平を除いて…。
(あ、あほ、ガールズバーとちゃうで…)
「なかなかユニークな子やないか」
フジケン社長が笑いながら言うと、
「ぼくちゃん、こんな可愛い子入れたんやったら紹介してくれなあかんやない」
と、貴代ママも笑いながら、本気とも皮肉とも取れるようなことを言う。優香がゲスト以外の人間の水割りを作り、涼平たちは乾杯した。席の横に置かれた補助テーブルには大理石のような瓶に入った焼酎、30年熟成のスコッチ、そして、萌未がクラブ若名で出してくれたのと同じ形の高級ブランデーが並べられていた。萌未が、あたしのお客さん、とあのとき言ったのはこのフジケンさんだったのかもしれない。そして、前に見かけた、一緒に萌未と寄り添って歩いていたのは宮本さんに間違いない。涼平は席の面々を見渡しながら、そんな推察をした。
ひょっとすると今日の電話の男性の声も…
そんな邪推も頭を過ぎり、涼平は何をしゃべっていいか分からず、やるせない気分に浸りながら、手元の水割りを黙々と飲み続ける。仕立ての良さそうなスーツに身を包んだ宮本は涼平の知る男の中でも群を抜いて格好よく見え、対して自分は痩せっぽちでどこまでも頼りなく感じられていた。そんな中、
「由奈ちゃん、一発芸しまーす」
突然由奈が嬌声を上げて片手を上げたかと思うと、
「にゃんにゃん、にゃんにゃんにゃん」
と招き猫の仕草をしながら子猫のような猫なで声を出し始める。
「何やの、あんたいきなり」
一同ぽかんとする中、貴代ママが聞くと、
「あれ?魔法戦士プリモモのペットのルキちゃんの真似ですけど…知りません?すっごい似てるって言われるんですよ~」
と由奈は得意気に言った。涼平は目から火が出るかと思うくらい顔を真っ赤にしたが、席ではどっとうけていた。
(か、帰りたい…)
そんな涼平をよそに萌未も黄色い声を出す。
「可愛い~!涼平、いい子スカウトしたやない」
「可愛いて、萌未と同いやで」
「ええ~!?由奈ちゃんみたいな若さ、あたしにはもうないわあ」
「萌未ちゃんは十分べっぴんさんやないの。ぼくちゃんもこんな捨て猫みたいな子やのうて、萌未ちゃんみたいなべっぴんさんスカウトしてきてや」
相変わらず声の大きい貴代ママの捨て猫という言葉が胸を刺したのか、由奈は一瞬シュンとなった。宮本と涼平、萌未と由奈、その並びが涼平には一流と三流みたいな対義語に思えた。
萌未が店に戻るとき、涼平と貴代ママが玄関まで送り出した。
「萌未ちゃん、ありがとうね」
貴代ママはそう言うと、萌未はお辞儀をして涼平に笑顔で手をふり、クラブ若名の方へ歩いていった。フジケン社長を介してだろうか、貴代ママと萌未はすでに顔見知りのようだった。店に帰る萌未の後ろ姿がビルの影に隠れると、貴代ママは涼平に、
「あの由奈って子は面白いから使わんでもないけど、もうちょっと服装と髪型を高級にせなあかんわね」
と苦情を言った。
「はい、すみません」
頭を下げながら、先に階段を降りるのを貴代ママに譲る。玄関に立っていたの鳴海部長が後ろから抱きついて涼平の首を絞めてきた。
「涼平~!お前クラブ若名の萌未と知り合いなんかあ。やるやん」
「は、はあ…く、ぐるじいでず…」
鳴海部長がスカウトする女性は美人率が高い。萌未はそんな鳴海部長が知ってるくらいのレベルなのだ。初めて萌未に連れられて新地にやってきた日、萌未に声をかける黒服の多さに驚いたが、彼女を獲得しようとする黒服に何度も声をかけられている萌未の姿が浮かんだ。
ホールに戻ると由奈をネタに席は盛り上がっているようだった。涼平がグラスに残った酒を飲み干して、ごちそうさまでした、と席を離れようとしたとき、宮本が、
「今度飯でも食いに行こう」
と白い歯を見せた。
(きっとこの人は誰にでも好かれるんやろうな)
そんな爽やかな誘い方だった。
その日の営業は、その後特に問題なく終わった。が、その前にいろいろあって、涼平は疲れ顔で由奈をタクシー乗り場まで送った。
「にゃんにゃん」
「え?何?」
「しーくんが元気ないから元気づけてるにゃん」
(お、お前のせいで疲れてるんやけどな…)
歩きながら猫ポーズする由奈を横目に睨む。
「あのさあ、それ、席ではやらんとってな」
「どうしてにゃん。由奈ちゃんのこの物真似、人気あるにゃん」
「にゃんにゃん、て…頼むから普通にしゃべってくれ。ガールズバーでは受けるかもやけど、クラブには向かへんから!」
思わず語気が強くなり、はっとした。由奈はそれからしばらく黙ってしまった。由奈にしてみれば、初めてのクラブでの接客に気後れすることなく頑張ったのだ。さすがに言い方がキツかったと思い、
「ご、ごめん…」
と謝ると、
「今日の萌未さんて美人やね。しーくんの友達?」
と、別段気を悪くしたようでない由奈の質問にホッとする。
「まあね。今日由奈が履いた靴、彼女が貸してくれたんやで。服も貸してくれてるし」
「やったー!何でそれ見せてくれへんのよ」
「いや、遅れてきたからやんか…」
「ふーん、今日お礼言いそびれちゃったな。ねえ、キツネおやじが言ってたけど、同伴ってせなあかんの?」
「うん、すぐには無理やと思うけど、2ヶ月後にはしないとあかんよ」
「何でそれ教えてくれへんのよ」
「いやだから、遅れてきたからやんか。明日教えるよ」
「う~、厳しいの、やだにゃあ…さすがの由奈ちゃんもクラブには苦戦だにゃ~」
(さすがの…て、その前のこと知らんし…)
タクシーに乗せ、最後まで猫真似でバイバイする由奈を見送りながら、スタートラインが違い過ぎるなあ、と思った。それは萌未と由奈を重ね合わせてそう思ったのだったが、宮本と涼平にもそれは当てはまるように思えた。由奈のせいで疲れたのではなく、本当は自分と宮本との萌未までの距離の差を見せつけられた気がしてテンションが下がってしまった、という方が正しかった。
(にゃんにゃん、か…)
今日の出来事を振り返ると、自分も凹むことあっただろうに、明るく自分を励まそうとしてくれた由奈は強いな、と涼平は思った。寒さの増してきた夜中の北新地の冷たい空気が胸の中に溜まる、その片隅に、ほんの少し温かい、蛍のような灯りがともっていた。
「え…萌未!?」
驚いた涼平の顔をよそに、貴代ママが、
「ぼくちゃん、こちらの宮本さんの指名よ。一杯いただきなさい」
と言った。
「君が涼平くんか。萌未の同級生なんやってね」
ママに続いて声をかけてきたのは萌未の隣にいた30代くらいの男性で、丹精な顔立ちの男前だった。フジケンさん、と呼ばれる恰幅のある方の男性が脂ぎった感じなのに対し、宮本さんはラガーマンがそのまま社会人になったような、健康的な肌艶をしていた。
「椎原くん、一杯いただきなさい」
山田常務が涼平に席に着くよう促す。
「こちらがフジケン興行の社長、フジケンさん。で、こちらが次期社長の宮本拓也さんよ」
おずおずと席に着いた涼平に、萌未が二人の男性に手をかざして紹介してくれた。
「時期社長はやめてくれよ」
宮本は萌未の言葉に、照れくさそうに頭を掻きながらフジケン社長を見る。社長はまんざらでもないというように微笑んでいる。宮本が涼平に名刺を渡し、涼平もスカウト合戦用に作ってもらった出来立ての名刺を渡した。宮本の名刺には、
フジケン興業株式会社 専務
と書いてあった。
「ね、涼平がスカウトした子ってどんな子?席に呼んでよ」
名刺を眺めている涼平に、萌未が言った。
(あ、ひょっとしてわざわざそれを見に来た!?)
萌未の思惑に気づき、涼平は由奈の今日の仕上がりを思い浮かべてにじりと嫌な汗をかく。
「い、いやあ…席に呼ぶほどのものでは…」
「席に呼ぶほどのものではない子を何で働かせてんのよ。ぼくちゃんが入れた子かいな。早よ席に呼びなさい」
貴代ママくらいの売り上げのママになると出勤時間が他のホステスよりも遅い。なので、先ほどの騒動はどうやら知らないようだ。貴代ママが山田常務を呼び、このぼくちゃんが入れた子、と言うと常務は急いで待機場所に由奈を呼びに行った。
(うわ、最悪の展開になってきた…)
涼平は居心地の悪さに身じろぎし、それを見た宮本が声をかける。
「どう?仕事は慣れたかな?」
「は、はあ…まだまだです」
涼平は話をそこそこに待機場所から由奈が現れるのを心配しながら見ていた。
「ご指名ありがとうございまーす!由奈ちゃんでーす」
由奈と、一緒に裏にいた優香が山田常務に連れられてやってきて、座ると同時に由奈が放った言葉にその席の全員がどっとうけた。涼平を除いて…。
(あ、あほ、ガールズバーとちゃうで…)
「なかなかユニークな子やないか」
フジケン社長が笑いながら言うと、
「ぼくちゃん、こんな可愛い子入れたんやったら紹介してくれなあかんやない」
と、貴代ママも笑いながら、本気とも皮肉とも取れるようなことを言う。優香がゲスト以外の人間の水割りを作り、涼平たちは乾杯した。席の横に置かれた補助テーブルには大理石のような瓶に入った焼酎、30年熟成のスコッチ、そして、萌未がクラブ若名で出してくれたのと同じ形の高級ブランデーが並べられていた。萌未が、あたしのお客さん、とあのとき言ったのはこのフジケンさんだったのかもしれない。そして、前に見かけた、一緒に萌未と寄り添って歩いていたのは宮本さんに間違いない。涼平は席の面々を見渡しながら、そんな推察をした。
ひょっとすると今日の電話の男性の声も…
そんな邪推も頭を過ぎり、涼平は何をしゃべっていいか分からず、やるせない気分に浸りながら、手元の水割りを黙々と飲み続ける。仕立ての良さそうなスーツに身を包んだ宮本は涼平の知る男の中でも群を抜いて格好よく見え、対して自分は痩せっぽちでどこまでも頼りなく感じられていた。そんな中、
「由奈ちゃん、一発芸しまーす」
突然由奈が嬌声を上げて片手を上げたかと思うと、
「にゃんにゃん、にゃんにゃんにゃん」
と招き猫の仕草をしながら子猫のような猫なで声を出し始める。
「何やの、あんたいきなり」
一同ぽかんとする中、貴代ママが聞くと、
「あれ?魔法戦士プリモモのペットのルキちゃんの真似ですけど…知りません?すっごい似てるって言われるんですよ~」
と由奈は得意気に言った。涼平は目から火が出るかと思うくらい顔を真っ赤にしたが、席ではどっとうけていた。
(か、帰りたい…)
そんな涼平をよそに萌未も黄色い声を出す。
「可愛い~!涼平、いい子スカウトしたやない」
「可愛いて、萌未と同いやで」
「ええ~!?由奈ちゃんみたいな若さ、あたしにはもうないわあ」
「萌未ちゃんは十分べっぴんさんやないの。ぼくちゃんもこんな捨て猫みたいな子やのうて、萌未ちゃんみたいなべっぴんさんスカウトしてきてや」
相変わらず声の大きい貴代ママの捨て猫という言葉が胸を刺したのか、由奈は一瞬シュンとなった。宮本と涼平、萌未と由奈、その並びが涼平には一流と三流みたいな対義語に思えた。
萌未が店に戻るとき、涼平と貴代ママが玄関まで送り出した。
「萌未ちゃん、ありがとうね」
貴代ママはそう言うと、萌未はお辞儀をして涼平に笑顔で手をふり、クラブ若名の方へ歩いていった。フジケン社長を介してだろうか、貴代ママと萌未はすでに顔見知りのようだった。店に帰る萌未の後ろ姿がビルの影に隠れると、貴代ママは涼平に、
「あの由奈って子は面白いから使わんでもないけど、もうちょっと服装と髪型を高級にせなあかんわね」
と苦情を言った。
「はい、すみません」
頭を下げながら、先に階段を降りるのを貴代ママに譲る。玄関に立っていたの鳴海部長が後ろから抱きついて涼平の首を絞めてきた。
「涼平~!お前クラブ若名の萌未と知り合いなんかあ。やるやん」
「は、はあ…く、ぐるじいでず…」
鳴海部長がスカウトする女性は美人率が高い。萌未はそんな鳴海部長が知ってるくらいのレベルなのだ。初めて萌未に連れられて新地にやってきた日、萌未に声をかける黒服の多さに驚いたが、彼女を獲得しようとする黒服に何度も声をかけられている萌未の姿が浮かんだ。
ホールに戻ると由奈をネタに席は盛り上がっているようだった。涼平がグラスに残った酒を飲み干して、ごちそうさまでした、と席を離れようとしたとき、宮本が、
「今度飯でも食いに行こう」
と白い歯を見せた。
(きっとこの人は誰にでも好かれるんやろうな)
そんな爽やかな誘い方だった。
その日の営業は、その後特に問題なく終わった。が、その前にいろいろあって、涼平は疲れ顔で由奈をタクシー乗り場まで送った。
「にゃんにゃん」
「え?何?」
「しーくんが元気ないから元気づけてるにゃん」
(お、お前のせいで疲れてるんやけどな…)
歩きながら猫ポーズする由奈を横目に睨む。
「あのさあ、それ、席ではやらんとってな」
「どうしてにゃん。由奈ちゃんのこの物真似、人気あるにゃん」
「にゃんにゃん、て…頼むから普通にしゃべってくれ。ガールズバーでは受けるかもやけど、クラブには向かへんから!」
思わず語気が強くなり、はっとした。由奈はそれからしばらく黙ってしまった。由奈にしてみれば、初めてのクラブでの接客に気後れすることなく頑張ったのだ。さすがに言い方がキツかったと思い、
「ご、ごめん…」
と謝ると、
「今日の萌未さんて美人やね。しーくんの友達?」
と、別段気を悪くしたようでない由奈の質問にホッとする。
「まあね。今日由奈が履いた靴、彼女が貸してくれたんやで。服も貸してくれてるし」
「やったー!何でそれ見せてくれへんのよ」
「いや、遅れてきたからやんか…」
「ふーん、今日お礼言いそびれちゃったな。ねえ、キツネおやじが言ってたけど、同伴ってせなあかんの?」
「うん、すぐには無理やと思うけど、2ヶ月後にはしないとあかんよ」
「何でそれ教えてくれへんのよ」
「いやだから、遅れてきたからやんか。明日教えるよ」
「う~、厳しいの、やだにゃあ…さすがの由奈ちゃんもクラブには苦戦だにゃ~」
(さすがの…て、その前のこと知らんし…)
タクシーに乗せ、最後まで猫真似でバイバイする由奈を見送りながら、スタートラインが違い過ぎるなあ、と思った。それは萌未と由奈を重ね合わせてそう思ったのだったが、宮本と涼平にもそれは当てはまるように思えた。由奈のせいで疲れたのではなく、本当は自分と宮本との萌未までの距離の差を見せつけられた気がしてテンションが下がってしまった、という方が正しかった。
(にゃんにゃん、か…)
今日の出来事を振り返ると、自分も凹むことあっただろうに、明るく自分を励まそうとしてくれた由奈は強いな、と涼平は思った。寒さの増してきた夜中の北新地の冷たい空気が胸の中に溜まる、その片隅に、ほんの少し温かい、蛍のような灯りがともっていた。
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