日本語教師日誌

藤堂Máquina

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6月9日

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6月9日

今日の授業は二つ。
現地の授業といつもの夜の学生であった。
現地の学校の授業の内容は、本来はより教科書に沿って指導していくべきなのだが、まだカタカナに不安な部分が大きいため、既存の教科書ではなく、語彙でカタカナを練習できる内容を選択した。
この日は私の持つ他のクラスから一人学生が来たため、このクラスの人数もかなり増えた。
はじめは3人か4人の学生だったのだが、今は7人いる。
もう一つのクラスははじめ12人だったが、先週ははじめて欠席者が出てきたので、クラスの人数はどのクラスも同じくらいになった。
文法や語彙は悪くはなかったのだが、この日の問題として「漢字」があがった。
この日に初めて導入したのだが、学生が戸惑っているのは明らかであった。
まだ「一」と「ニ」しか教えてないのだが、使い方や、音読み訓読み、ひらがなカタカタかなとの違いなど、消化しなければならない情報は膨大であるため仕方がない。
次の授業は2日後のため、それまでになんとか頭の中でまとめて欲しいのだが、こちらも何か準備をしなければならない。
そもそも学校から支給され、使うように言われている教科書がつまらないのだ。
あれで分かるようになる訳はないのだが、学生自身の努力を必要とするのが前提なため、いかにモチベーションを持って行くかがとにかく重要である。
もう一コマは夜のいつもの学生であった。
内容ははじめ、一緒に映画の一部を観て、解釈を考える、次に漫画を読む。
最後に読解の教材を使ってのリーディングであった。
読解はアニメや映画を観ることができる大手有料サイトから日本のアニメ映画を一つ選んで字幕をつけて観る形であった。
30分~45分間ほど映画に使ったのだが、何回も繰り返し聞いたり、単語の意味を確認するために時間を使うため、おそらく10分も進んでいないだろう。
それでも再生バーが進むことは学生の自信に繋がる上に、私以外の場所から日本語を聞くことは、勉強する上でかなり効果的である。
また漫画を読むことについても、カジュアルな言葉、自然な言葉遣いに慣れるだけではなく、様々なフォントやオノマトペに触れることになるため、学習する意味としてはかなり大きい。
単純な文法の授業をする上では身につけることができない要素であるため、きっと学生にとってかなり役に立つことだと思う。
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