草稿集

藤堂Máquina

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幸福

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幸福とは幸福を求める必要の無い状況になることである。

 人間はとても欲の深い生き物だ。

 故に理想としていた幸福に到達するとすぐにより高い理想を設定して現状に不満を覚える。

 この欲の深さは良く言えば「向上心」で、努力し続ける限り幾らでも高いところを目指すための原動力になる。

 しかし裏を返せばどこまで登っても満足できないという意味にも考えられる。

 故にはじめのように幸福を求める必要が無い状況になることが重要なのだ。

 人は幸福を相対的に見がちである。

 身近に自分よりも優れた人物がいると劣等感からか不満が生じてしまうことは致し方ないことである。

 しかしそれでは幸福になれない。 

 御察しの通り精神論に近いものではあるものの幸福を求める必要を無くすためには他人と比較しないだけの知識を身につけることが第一歩である。

 もしかすると周りのことを何も知らなければ比較せずに済むと考える人がいるかもしれないが、一人でいて幸福な人もいないのである。

 複数の条件がある中の一つとして挙げられるものは「知る」ことである。

 例えば階級社会におけるイギリスのそれぞれの身分の幸福や、日本社会における企業競争、年収格差やパートナーの有無など様々な人がいる。

 だが彼らの中には上位の立場にいる人でなくても幸福な人もいる。

 それがなぜなのかを知ることが重要なのだ。

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