日本語教師日誌2

藤堂Máquina

文字の大きさ
上 下
63 / 103

10月13日(火)

しおりを挟む
10月13日(火)

今日の授業は2つ。
一つは個人で一つは現地の授業であった。
個人の授業についてはかなり相当レベルの高い学生であり、会話の授業であった。
トークテーマは、最近よく話題になる、日本の総理大臣が、ある団体の推薦した人物の承認を拒否したことについてである。
正直なところ、政治や宗教について話すのは好きではないのだが、学生がそれについて話したいと言う以上はそうせざるを得ない。
私は日本にいないだけに、世間の動向について、日本にいる人ほど詳しくはない。
それでもニュースくらいはみるだけに、概ねの原理は把握しているつもりである。
それを踏まえた上で、できるだけ中立に話をしなければならないから大変である。
どちらかの肩を持つことは思想を押し付けることになりかねないからである。
ここでも私の立場について語るのは控える。
まぁそれほど興味もないと言いたいところであり、私の生活に直接的な影響がないためである。
だが日本の記事を外国人からすると、やはり良くないことのように見えるようだ。
そりゃそうだろうと思う。
政治なんか、批判記事の方がずっと多い。
政治家が称賛されている記事なんてあまり見たことはないし、そればっかりになったらそれこそ日本は終わりだと思う。
想像しただけで気持ち悪い。
現総理の支持率がまだいるところをみると、記事の正誤はわからないものの、まだ精査する人がいるということであり、それ自体はいいことなのかとは思う。
考える機会があるのはいいことである。
現地の授業に関しては、今日は動詞のテストをした。
明日は採点しなければならない。
みんな頑張っていたが、すぐに覚えられるものだとは思っていない。
事前に「テストをする」と言ったからか、1番成績の悪い学生は休んでしまったのは残念だったが、つくづくオンラインというのは嫌になる。
多分私がこの調子で授業をするのも1ヶ月ちょっとだと思うので、もう少し頑張ろうと思うが、結局学生たちの目的もよく分からない。
今日は学生に「漢字の読みと書きだったら読みの方が重要ですよね?」と聞かれた。
なんだか悲しい気持ちになった。
それがなぜかはわからない。
そりゃオンラインで私のクラスを受けていれば、漢字なんて書けなくても、教科書が読めれば勉強できるのだ。
それにN4までの試験は漢字に振り仮名がついており、ましてや試験はマークのため、漢字なんていらない。
だから特に初級に関して言えば、書く必要なんて全くないのだ。
だからもし学生の目的が1週間か2週間程度の日本旅行ならそうすればいいと思ったのだが多分そうではない。
勉強したいけど面倒くさいなら、それは勉強に向いていないと思う。
日本語を選んだ以上は、読み書きと付き合い続けることになるのだ。
それを分かってもらいたい。
なんだか悲しい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【ショートショート】雨のおはなし

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらは声劇、朗読用台本になりますが普通に読んで頂ける作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...