捻くれ者

藤堂Máquina

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あとがき

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私は文章の中に絵画的で色鮮やかな描写を望む。
しかし今回に関してはそれらを大きく取り除いたものとなっている。
時折自分の執筆に関する欲が出て、それらが垣間見える部分もあるのだが、それでもかなり抑えた方である。
その代わり、私の負の心情を必要以上に誇張させ、終始じめじめとした文章になるように心掛けた。
形式的な表現から外れたものを使ったのも同じ理由である。
私の感性がいかにねじ曲がっているかを訴えた上で更に学校の異常性を知っていただきたいというのが本音の部分である。
文章中でも述べたが、そのような学校は世界的に見れば決して少ないものではないことも承知しているのだが、だからと言ってそれが正しいとは思わない。
文章は、実際の日記を見ながら帰国してから半年後に完結させている。
時々内容が重複しているのは時間をかけて先の表現を忘れてしまっているためであることをお許し願いたい。
それは私自身が「美しくないこと」であると認めたうえで、避けることができなかったのである。
要は完全に私の経験不足である。
本文を書くにあたって、夏目漱石の『坊ちゃん』を思い出したが、彼の方が行動的で勇敢でかつまっすぐな人間であったことは言うまでもない。
彼の文章も読みやすく、理解しやすいという点を踏まえても、私の文章も、登場させた過去の私自身も真逆な存在であったのかもしれない。
共通点があるとすれば、まだ帰る場所があったということくらいだ。
やっぱり事実よりも小説の方がいい意味でも悪い意味でもドラマを作り出せるようなきもしています。
まあこの先の未来が奇であってくれと願うばかりです。
面白い落ちも、急展開も特にはない、たいしたことない文章ですが、お読みいただきありがとうございました。

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