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第19話「忠義ゆえに!」
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ズドォォォォォオオオン……!!
サオリの放った殲滅魔法が大地を焦がす。
爆心地からは真っ赤なキノコ雲が立ち昇り、巨大な隕石の数々が魔王軍の補給処にいた守備部隊の後方に着弾。
その余波が魔王軍を薙ぎ払っていく。
メラメラと燃えていく大地。
だが、もともとアンデッドは死なない。
奴等は炎くらいで死ぬはずがない。
なにせ、アンデッドはすでに死んでいるのだ。
死者は、それがゆえに直撃以外ではさほど効果はなかった。
腐肉と装備を、ジリジリと焼かれながらも奴等は進む。
だが、生身のヴァンプと、クリスティはそうはいかない……!!
「……ぐぁぁああああああ!!」
───あっちぃぃぃいいい!!!
押し寄せた猛烈な熱線が、ヴァンプの背を焼き、スケルトンたちを焼いていく。
ゴゥゴゥと、ボゥボゥと焼いていく!
あち!
あち!
「───ぐぅぅぅぅ…………!」
あっちぃぃぃいいいーーー!!!
いかに魔王軍四天王の隠密のヴァイパーといえど、サオリの殲滅魔法の威力は堪えた。
(直撃でもないのに、なんて威力だよ?!)
背を焼く熱───!
身体をバラバラに引き裂かん衝撃波──!
その全てが後方からヴァンプを引き焼き焼き尽くさんと襲い来る!!
「あぐぅぅぅぅ!!」
「ヴ、ヴァンプ??!!」
だが、耐える!!
耐えて見せるッッ!!
この手に掻き抱く、小さな神官のために!
勇者パーティのクリスティのために!!!
そうとも!
我は魔族!!!
その使命は勇者パーティーへの潜入することで、なにがなんでも勇者たちに信頼を得むことが優先されるのだッッッ!!
だから、
なんのこれしきぃぃぃいい!!
ひいては、魔王様のためにぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!!
「うがぁぁぁあああああああ!!!」
ボッ!
と背中が焼ける気配。
あっちゃぁぁああああ!!
あぢぃ!
あぢーーーー!!!
一張羅の防具が焼けていく。
体中に隠した装備が燃え溶けていく……。
ジュウジュウと肉が焼け……。
魂が削られていく……!!
だが負けるものか!!
我こそは、
「勇者パーティのヴァンプだぞ!!」
「もういい! もういいよ、ヴァンプ!」
もはや、ふざけた口調すらかなぐり捨てたヴァンプ!
いや、ヴァイパー!!
薄っすら開いた視線の先で、クリスティがわななき、泣いている……。
自分のことより、ヴァンプ自身をかえりみてくれという!!
「ううう。あ、ありがとう、ヴァンプ……」
クリスティーンが涙を流し、身を呈して庇う男にすがり付く。
その、遠くの視界の先ではナナミが泣き叫び、オーディが天を仰ぎ、サオリが血の涙を流している!
彼らは叫ぶ!!
最愛の仲間を思って!!
ヴァ───。
「「「ヴァンプぅぅぅぅううう!!」」」
へへ……!
どうだい?
これでミスは取り返せたかな?
「ヴァ、ヴァンプ…………?」
薄っすらと薄れゆく景色の中で、ヴァンプは間近でクリスティの顔を見た。
八重歯の映える、小柄で……まるで少女のようなあどけなさを残した、ドワーフ族の神童……。
一族最強の神官、大僧正のクリスティ。
「だ、大丈夫……ス、か?」
ようやく殲滅魔法の余波が収まった時、スケルトンの大半は焼き崩れ、動きが鈍くなっていた。
そして、ヴァンプもまた───。
「げほッ───」
ドクン、ドクン……。
「ヴァ、ヴァンプ……? ね、ねぇどうしたの? ねぇ?!」
ドクン、ドクン、ドクン……!
スケルトンに怯えるドワーフの神官は、魔法で焼かれる中、身を挺して守ってくれた男の鼓動を間近で感じた。
そして、彼女が徐々に瞳に生気を宿すと相反するようにヴァンプの意識が途切れようとする。
「へ、へへ……っス」
二人に鼓動が戦場の最中にあって、静かに……熱く響き渡った。
「ぶ、無事っすか? クリス、ちゃん……」
ガクリと膝をつくヴァンプ。
さすがに限界だった。
ドクン……ドク……。
身体を重ねる二人は、鼓動を共有し───そこで、小さきドワーフの神官は弱々しく薄れゆくヴァンプの鼓動を感じた。
そして、ようやく見た。
スケルトンが群れるという、彼女にとっての地獄の中にあっても、遂にクリスティは目を見開いた。
「ヴァン……プ───」
「ぶ、無事でよかった、ス」
ドサッ……。
「あ──────」
そこでようやく、クリスティの瞳には完全に生気が戻る。
焦点の合わない瞳が、徐々に徐々に収束していき、その中にヴァンプの顔を捉えた───。
ヴァ、
「───ヴァンプ……?! ヴァンプ!!」
ユサユサと揺らすもヴァンプは目を開かない。
さすがに殲滅魔法を一人で受けきったのは堪えたらしい……。
(くそ……)
「や、やだ?! やだ、やだ! 死んじゃ嫌だよ───」
ヴァンプの命が危ういと知ったクリスティは、ようやく周囲に向き直ることができた。
グズグズに焼けたスケルトンがジリジリと迫りつつある中、その恐怖に……。
───彼女の中にあるトラウマを押してでも、ヴァンプを救おうとする。
「ダメ……! 生きて───ヴァンプ!!」
パァ───!
淡い光がヴァンプを包み、彼の火傷を癒し、体の傷を見る見るうちに治していく。
「う……………ぅん?」
「ヴァンプ?!」
さすがはドワーフ族の秘蔵っ子、最強の神官、大僧正のクリスティ。
その癒しに力はあまたの神官の中でも随一で、あっという間にヴァンプの傷を癒してしまった。
「………………く、クリスちゃん?」
「よかったヴァンプ!!」
ガバリ!! と抱締めるクリスティの重さを感じつつも、ヴァンプは魔王軍のスパイとして彼女の力を身をもって知った。
(す、すげぇ癒しの力っス。……噂では聞いてたっスけど、この回復力はヤバイっすね)
あとで魔王様に報告しようと、心のメモ帳に仕舞ったところで、
うぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……!
地面の底からスケルトンたちが更にさらにと湧き出してきた。
ここの戦場跡は、無数の死体を飲みこんでいるらしい……!
「ひぃぃぃぃいいいい!!」
(ち……! サオリの殲滅魔法でも、死霊術士は生き残ったか……!)
魔王軍の補給処守備部隊の後方に着弾した殲滅魔法は、彼の軍の戦力をごっそりと削り落としたが、所詮は至近弾だ。
直撃でもなければしぶといアンデッドというものは中々倒せないもの。
当然のことながら、この補給処の指揮官である死霊術士も、どうやらしぶとく生き残っているらしい。
やつは戦力の補充といわんばかりに広域死霊術を連発し、地表に露出した死体やその下に埋もれていた屍を次々に起こしていく。
その様がクリスティの恐怖心に火をつける。
そうとも、一時的に克服したように見えても、彼女のトラウマは動く屍なのだ。
ここは、彼女にとっての地獄───。
サオリの放った殲滅魔法が大地を焦がす。
爆心地からは真っ赤なキノコ雲が立ち昇り、巨大な隕石の数々が魔王軍の補給処にいた守備部隊の後方に着弾。
その余波が魔王軍を薙ぎ払っていく。
メラメラと燃えていく大地。
だが、もともとアンデッドは死なない。
奴等は炎くらいで死ぬはずがない。
なにせ、アンデッドはすでに死んでいるのだ。
死者は、それがゆえに直撃以外ではさほど効果はなかった。
腐肉と装備を、ジリジリと焼かれながらも奴等は進む。
だが、生身のヴァンプと、クリスティはそうはいかない……!!
「……ぐぁぁああああああ!!」
───あっちぃぃぃいいい!!!
押し寄せた猛烈な熱線が、ヴァンプの背を焼き、スケルトンたちを焼いていく。
ゴゥゴゥと、ボゥボゥと焼いていく!
あち!
あち!
「───ぐぅぅぅぅ…………!」
あっちぃぃぃいいいーーー!!!
いかに魔王軍四天王の隠密のヴァイパーといえど、サオリの殲滅魔法の威力は堪えた。
(直撃でもないのに、なんて威力だよ?!)
背を焼く熱───!
身体をバラバラに引き裂かん衝撃波──!
その全てが後方からヴァンプを引き焼き焼き尽くさんと襲い来る!!
「あぐぅぅぅぅ!!」
「ヴ、ヴァンプ??!!」
だが、耐える!!
耐えて見せるッッ!!
この手に掻き抱く、小さな神官のために!
勇者パーティのクリスティのために!!!
そうとも!
我は魔族!!!
その使命は勇者パーティーへの潜入することで、なにがなんでも勇者たちに信頼を得むことが優先されるのだッッッ!!
だから、
なんのこれしきぃぃぃいい!!
ひいては、魔王様のためにぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!!
「うがぁぁぁあああああああ!!!」
ボッ!
と背中が焼ける気配。
あっちゃぁぁああああ!!
あぢぃ!
あぢーーーー!!!
一張羅の防具が焼けていく。
体中に隠した装備が燃え溶けていく……。
ジュウジュウと肉が焼け……。
魂が削られていく……!!
だが負けるものか!!
我こそは、
「勇者パーティのヴァンプだぞ!!」
「もういい! もういいよ、ヴァンプ!」
もはや、ふざけた口調すらかなぐり捨てたヴァンプ!
いや、ヴァイパー!!
薄っすら開いた視線の先で、クリスティがわななき、泣いている……。
自分のことより、ヴァンプ自身をかえりみてくれという!!
「ううう。あ、ありがとう、ヴァンプ……」
クリスティーンが涙を流し、身を呈して庇う男にすがり付く。
その、遠くの視界の先ではナナミが泣き叫び、オーディが天を仰ぎ、サオリが血の涙を流している!
彼らは叫ぶ!!
最愛の仲間を思って!!
ヴァ───。
「「「ヴァンプぅぅぅぅううう!!」」」
へへ……!
どうだい?
これでミスは取り返せたかな?
「ヴァ、ヴァンプ…………?」
薄っすらと薄れゆく景色の中で、ヴァンプは間近でクリスティの顔を見た。
八重歯の映える、小柄で……まるで少女のようなあどけなさを残した、ドワーフ族の神童……。
一族最強の神官、大僧正のクリスティ。
「だ、大丈夫……ス、か?」
ようやく殲滅魔法の余波が収まった時、スケルトンの大半は焼き崩れ、動きが鈍くなっていた。
そして、ヴァンプもまた───。
「げほッ───」
ドクン、ドクン……。
「ヴァ、ヴァンプ……? ね、ねぇどうしたの? ねぇ?!」
ドクン、ドクン、ドクン……!
スケルトンに怯えるドワーフの神官は、魔法で焼かれる中、身を挺して守ってくれた男の鼓動を間近で感じた。
そして、彼女が徐々に瞳に生気を宿すと相反するようにヴァンプの意識が途切れようとする。
「へ、へへ……っス」
二人に鼓動が戦場の最中にあって、静かに……熱く響き渡った。
「ぶ、無事っすか? クリス、ちゃん……」
ガクリと膝をつくヴァンプ。
さすがに限界だった。
ドクン……ドク……。
身体を重ねる二人は、鼓動を共有し───そこで、小さきドワーフの神官は弱々しく薄れゆくヴァンプの鼓動を感じた。
そして、ようやく見た。
スケルトンが群れるという、彼女にとっての地獄の中にあっても、遂にクリスティは目を見開いた。
「ヴァン……プ───」
「ぶ、無事でよかった、ス」
ドサッ……。
「あ──────」
そこでようやく、クリスティの瞳には完全に生気が戻る。
焦点の合わない瞳が、徐々に徐々に収束していき、その中にヴァンプの顔を捉えた───。
ヴァ、
「───ヴァンプ……?! ヴァンプ!!」
ユサユサと揺らすもヴァンプは目を開かない。
さすがに殲滅魔法を一人で受けきったのは堪えたらしい……。
(くそ……)
「や、やだ?! やだ、やだ! 死んじゃ嫌だよ───」
ヴァンプの命が危ういと知ったクリスティは、ようやく周囲に向き直ることができた。
グズグズに焼けたスケルトンがジリジリと迫りつつある中、その恐怖に……。
───彼女の中にあるトラウマを押してでも、ヴァンプを救おうとする。
「ダメ……! 生きて───ヴァンプ!!」
パァ───!
淡い光がヴァンプを包み、彼の火傷を癒し、体の傷を見る見るうちに治していく。
「う……………ぅん?」
「ヴァンプ?!」
さすがはドワーフ族の秘蔵っ子、最強の神官、大僧正のクリスティ。
その癒しに力はあまたの神官の中でも随一で、あっという間にヴァンプの傷を癒してしまった。
「………………く、クリスちゃん?」
「よかったヴァンプ!!」
ガバリ!! と抱締めるクリスティの重さを感じつつも、ヴァンプは魔王軍のスパイとして彼女の力を身をもって知った。
(す、すげぇ癒しの力っス。……噂では聞いてたっスけど、この回復力はヤバイっすね)
あとで魔王様に報告しようと、心のメモ帳に仕舞ったところで、
うぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……!
地面の底からスケルトンたちが更にさらにと湧き出してきた。
ここの戦場跡は、無数の死体を飲みこんでいるらしい……!
「ひぃぃぃぃいいいい!!」
(ち……! サオリの殲滅魔法でも、死霊術士は生き残ったか……!)
魔王軍の補給処守備部隊の後方に着弾した殲滅魔法は、彼の軍の戦力をごっそりと削り落としたが、所詮は至近弾だ。
直撃でもなければしぶといアンデッドというものは中々倒せないもの。
当然のことながら、この補給処の指揮官である死霊術士も、どうやらしぶとく生き残っているらしい。
やつは戦力の補充といわんばかりに広域死霊術を連発し、地表に露出した死体やその下に埋もれていた屍を次々に起こしていく。
その様がクリスティの恐怖心に火をつける。
そうとも、一時的に克服したように見えても、彼女のトラウマは動く屍なのだ。
ここは、彼女にとっての地獄───。
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