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Episode② 港区ラプソディ
第9章|弱肉強食の世界 <33>密森さんが『株式会社E・M・A』にやって来た
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<33>
その日、いつものように鈴木先生と外回りをしていると、緒方先生から連絡が入った。
私と鈴木先生が帰社したタイミングに合わせて、『ジュリー・マリー・キャピタル』の密森さんが、『株式会社E・M・A』に訪ねて来るという。
密森さんからは、もう契約終了にする、と言われたばかりなのに。
いったい、何の用だろう…………。
『株式会社E・M・A』に戻ると、エントランスのソファで、密森さんが足を組んで座っていた。
私と鈴木先生に気付くと、笑顔で立ち上がる。
「あ~、鈴木先生、里菜さん。突然押しかけちゃって、すみません」
受付のソファではなんだからと、3人で会議室に移動したところで、密森さんが話し始めた。
「いやぁ、実は『株式会社E・M・A』の皆さんに、一言、御礼を申し上げたいと思いましてね」
「御礼………ですか? 」鈴木先生が問いかけた。
「ほら、先日、江鳩が産業医面談のためにこちらのオフィスにお伺いしたタイミングで、江鳩が『株式会社TAU-KAPPA』の南野社長と偶然、再会したでしょう。
実はあれが、弊社が経営権を持っていた『X社』の売却先を見つけるきっかけになりましてね。好条件での譲渡が決まり、江鳩もすっかり元気になりました。今は生き生きと、元通りに働いております。ですから、感謝の気持ちをお伝えしたいと」
密森さんは上機嫌だった。
「そんな偶然が…………? 」私は声を上げた。
確かにあの日、南野さんと江鳩さんは、2人で喫茶店に行くと話していた。
でもまさか、その話が『X社』の売却にまでつながるなんて。驚きだ。
「ええ。今回、南野さんのお取引先の某上場企業で、バイオ関連の研究所を欲しがっているところがある、という情報を喫茶店で聞いて、江鳩が『X社』の案件を話したら、とんとん拍子に売却の話が決まったそうです。
さすが一流どころは違いますねぇ。“元・マックエクセル”のブランド人脈、そして御社のような、一流の産業医事務所………ハハッ」
密森さんが、上目遣いで私達を見た。
「その件は弊社や我々が意図したものではなく、偶然起きたことです。弊社にとって、M&A業のお手伝いは全くの対応範囲外ですから」
鈴木先生が静かに答えた。
「栗栖さんと江鳩さんがおっしゃっていた『イグジット期限』に間に合ったんですね……。江鳩さんもお元気になられたなら、良かったです。
あ、でも………………『X社』は………」
―――江鳩さんは面談で、『X社』にはデータ不正事件があり、だから売却先を探すのが難しい、という話をしていた。
私たち産業保健スタッフには守秘義務があって、面談で聞いた話をペラペラ外で話すわけにはいかない。
だけど、問題があるとわかっている『X社』を売ってしまって大丈夫なのか、少し気がかりだった。
「あれ? 里菜さん、もしかして『X社』の件、江鳩から詳しく聞かれてましたか? 」
私の頭の中に浮かんだ不安を見透かしたように、笑いながら密森さんが言った。
「大丈夫ですよ。『X社』のデータに問題があること、僕はとっくに気付いていましたし、懸念点は栗栖にも共有していました。あれは3か月くらい前かな」
「そ、そうですか…………」
これ以上、どこまで密森さんと話していいかわからず、助けを求めて鈴木先生を見ると、この話題を続けることについて、肯定とも否定とも取れない表情だった。
私の懸念をよそに、密森さんは話を続けた。
「今回『X社』をご購入くださる会社は、いわゆる“伝統的な日本の大企業”です。資金力は盤石で、彼らにとっては『X社』なんて、即断即決できる程度の買い物なんです。
しかも買い取り手は、バーゲン価格でバイオ研究設備を手に入れたいご意向でしたから、『X社』の開発した商品になど、最初から興味がないんです。つまりデータ不正の件など、どうでもいい。不問です。
買い取り手の企業も、自前の研究所は既にお持ちなんですけどね。なんせ場所が辺鄙で、設備も古くなっていたんですよ。
『X社』は、ベンチャーキャピタルブームで注入された豊富な資金とデフレ時代の不動産価格で、都内の良い場所にバイオ研究所を構えていたんでね。このディールは、お互いにとってwin-winです。ご安心ください」
「そうですか………。僕はビジネスのことは門外漢ですが、結果的にメンタルの状態も回復されたのならば、江鳩さんは今後も御社での勤務を続けられそうですね」
鈴木先生が言った。
「当然です。今回弊社の一員として、しっかり結果を出してくれましたからね。江鳩には引き続きウチで、存分に能力を発揮してもらうつもりです」
「良かった…………」
密森さんの言葉に、私は安堵した。
まさかトモコのためにIT社長の南野さんを『株式会社E・M・A』をお呼びしたことが、江鳩さんの仕事にプラスになるなんて予想外の展開だったけれど、江鳩さんが会社を追い出されなくて済むなら、その点は本当に嬉しかった。
栗栖さんと江鳩さんの関係も、このまま少しずつ良くなっていくといいな……。
その時、密森さんが言った。
「ま、『X社』の研究員は、今月末をもって、全員解雇なんですけどねぇ」
「えっ………? 」
「そりゃそうですよ。我々は『X社』のオーナーです。意図してオーナーに不利益を及ぼすような社員は、飼い主の手を遠慮なく噛む出来の悪いペットと同じだ。残念ですが、去ってもらうしかない。
買い取り手の上場企業にご迷惑をおかけしてもならないし、『X社』の内部は、しっかりお掃除してから、引き渡さないとなりませんから」
密森さんがニヤリと笑った。
見たことも会ったこともない『X社』の研究員に対して、私は特別の思い入れが無い。
だから密森さんの言うこと、理解できる気はしたけれど、密森さんの表現は、相変わらずちょっと過激すぎると思った。
その日、いつものように鈴木先生と外回りをしていると、緒方先生から連絡が入った。
私と鈴木先生が帰社したタイミングに合わせて、『ジュリー・マリー・キャピタル』の密森さんが、『株式会社E・M・A』に訪ねて来るという。
密森さんからは、もう契約終了にする、と言われたばかりなのに。
いったい、何の用だろう…………。
『株式会社E・M・A』に戻ると、エントランスのソファで、密森さんが足を組んで座っていた。
私と鈴木先生に気付くと、笑顔で立ち上がる。
「あ~、鈴木先生、里菜さん。突然押しかけちゃって、すみません」
受付のソファではなんだからと、3人で会議室に移動したところで、密森さんが話し始めた。
「いやぁ、実は『株式会社E・M・A』の皆さんに、一言、御礼を申し上げたいと思いましてね」
「御礼………ですか? 」鈴木先生が問いかけた。
「ほら、先日、江鳩が産業医面談のためにこちらのオフィスにお伺いしたタイミングで、江鳩が『株式会社TAU-KAPPA』の南野社長と偶然、再会したでしょう。
実はあれが、弊社が経営権を持っていた『X社』の売却先を見つけるきっかけになりましてね。好条件での譲渡が決まり、江鳩もすっかり元気になりました。今は生き生きと、元通りに働いております。ですから、感謝の気持ちをお伝えしたいと」
密森さんは上機嫌だった。
「そんな偶然が…………? 」私は声を上げた。
確かにあの日、南野さんと江鳩さんは、2人で喫茶店に行くと話していた。
でもまさか、その話が『X社』の売却にまでつながるなんて。驚きだ。
「ええ。今回、南野さんのお取引先の某上場企業で、バイオ関連の研究所を欲しがっているところがある、という情報を喫茶店で聞いて、江鳩が『X社』の案件を話したら、とんとん拍子に売却の話が決まったそうです。
さすが一流どころは違いますねぇ。“元・マックエクセル”のブランド人脈、そして御社のような、一流の産業医事務所………ハハッ」
密森さんが、上目遣いで私達を見た。
「その件は弊社や我々が意図したものではなく、偶然起きたことです。弊社にとって、M&A業のお手伝いは全くの対応範囲外ですから」
鈴木先生が静かに答えた。
「栗栖さんと江鳩さんがおっしゃっていた『イグジット期限』に間に合ったんですね……。江鳩さんもお元気になられたなら、良かったです。
あ、でも………………『X社』は………」
―――江鳩さんは面談で、『X社』にはデータ不正事件があり、だから売却先を探すのが難しい、という話をしていた。
私たち産業保健スタッフには守秘義務があって、面談で聞いた話をペラペラ外で話すわけにはいかない。
だけど、問題があるとわかっている『X社』を売ってしまって大丈夫なのか、少し気がかりだった。
「あれ? 里菜さん、もしかして『X社』の件、江鳩から詳しく聞かれてましたか? 」
私の頭の中に浮かんだ不安を見透かしたように、笑いながら密森さんが言った。
「大丈夫ですよ。『X社』のデータに問題があること、僕はとっくに気付いていましたし、懸念点は栗栖にも共有していました。あれは3か月くらい前かな」
「そ、そうですか…………」
これ以上、どこまで密森さんと話していいかわからず、助けを求めて鈴木先生を見ると、この話題を続けることについて、肯定とも否定とも取れない表情だった。
私の懸念をよそに、密森さんは話を続けた。
「今回『X社』をご購入くださる会社は、いわゆる“伝統的な日本の大企業”です。資金力は盤石で、彼らにとっては『X社』なんて、即断即決できる程度の買い物なんです。
しかも買い取り手は、バーゲン価格でバイオ研究設備を手に入れたいご意向でしたから、『X社』の開発した商品になど、最初から興味がないんです。つまりデータ不正の件など、どうでもいい。不問です。
買い取り手の企業も、自前の研究所は既にお持ちなんですけどね。なんせ場所が辺鄙で、設備も古くなっていたんですよ。
『X社』は、ベンチャーキャピタルブームで注入された豊富な資金とデフレ時代の不動産価格で、都内の良い場所にバイオ研究所を構えていたんでね。このディールは、お互いにとってwin-winです。ご安心ください」
「そうですか………。僕はビジネスのことは門外漢ですが、結果的にメンタルの状態も回復されたのならば、江鳩さんは今後も御社での勤務を続けられそうですね」
鈴木先生が言った。
「当然です。今回弊社の一員として、しっかり結果を出してくれましたからね。江鳩には引き続きウチで、存分に能力を発揮してもらうつもりです」
「良かった…………」
密森さんの言葉に、私は安堵した。
まさかトモコのためにIT社長の南野さんを『株式会社E・M・A』をお呼びしたことが、江鳩さんの仕事にプラスになるなんて予想外の展開だったけれど、江鳩さんが会社を追い出されなくて済むなら、その点は本当に嬉しかった。
栗栖さんと江鳩さんの関係も、このまま少しずつ良くなっていくといいな……。
その時、密森さんが言った。
「ま、『X社』の研究員は、今月末をもって、全員解雇なんですけどねぇ」
「えっ………? 」
「そりゃそうですよ。我々は『X社』のオーナーです。意図してオーナーに不利益を及ぼすような社員は、飼い主の手を遠慮なく噛む出来の悪いペットと同じだ。残念ですが、去ってもらうしかない。
買い取り手の上場企業にご迷惑をおかけしてもならないし、『X社』の内部は、しっかりお掃除してから、引き渡さないとなりませんから」
密森さんがニヤリと笑った。
見たことも会ったこともない『X社』の研究員に対して、私は特別の思い入れが無い。
だから密森さんの言うこと、理解できる気はしたけれど、密森さんの表現は、相変わらずちょっと過激すぎると思った。
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