上 下
46 / 373
Episode① 産業保健ってなあに

第5章|サクラマス化学株式会社 南アルプス工場 <16>鳴り響くアラーム

しおりを挟む
<16>


――――ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ。ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ。


「矢豆さん、この音はいったい、なんですか?」
 ふだん東京本社に勤務している岩名さんは、私と同じで、状況がよく呑み込めないみたいだ。耳をつんざくような不愉快な音が社屋全体に鳴り響いて止まらない状況に、戸惑っている。


「あぁ……! まずい、まずいですねェ。これは工場内で何か問題があった時に鳴るアラームなんです。炉の温度管理が異常値になったときや、機械にエラーが起きて作動停止したとき……。私は事務職なので、中の機械のことはよくわからないが……そろそろ三交代の時間です。『日勤チーム』から『準夜勤チーム』にメンバーが入れ変わっている頃と思いますので、皆が大丈夫か、状況を見に行ってきます!」矢豆さんの顔色が変わり、急ぎ足で工場の方へ向かう。


 それと同時に、事務所の扉から、血相を変えた工場長が飛び出てきた。


「おい! 矢豆! まずいぞ緊急アラームだ!工場に行こう!」


 ほどなく、後ろから鈴木先生も出てきて「僕たちも行きましょう」と囁く。私もうなずいて、工場入口へ足早に向かった。岩名さんも一緒についてきた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

甘い失恋

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
私は今日、2年間務めた派遣先の会社の契約を終えた。 重い荷物を抱えエレベーターを待っていたら、上司の梅原課長が持ってくれた。 ふたりっきりのエレベター、彼の後ろ姿を見ながらふと思う。 ああ、私は――。

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...