夏休み、隣の席の可愛いオバケと恋をしました。

みっちゃん

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夏休み

8月9日  夏休み、隣の席の女の子と海に行きました。

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「和奏、ごめんって。」

昨日のあれから和奏の機嫌が治らず、朝ごはんも抜きの状態だ。
よく考えてみれば、今まで誰とも会話出来なかった彼女にとって会話が出来ない苦しみを思い出させてしまったような気がする。

「もう無視しないからさ。ねっ。」
「嫌。もう知らない。」

何を言っても嫌の一点張りでどうしようもないと思った俺はしばらく考えて一つ提案をする。

「今から海に行こう!」

俺がそう言うと和奏が少し顔を上げる。

「海はいいぞ。綺麗だし、開放感がすごい。なにせ、この時期にしか楽しめないからな。和奏が行かないって言うなら俺一人で行ってこようかな。」

俺は大きめの独り言のように海のいいところを上げていく。

「私も行く。」
「そっか、じゃあ行くか!」

少しいたたまれないような顔をしながら言ってきた彼女を俺は笑顔で迎え、海に向けて出発したのだった。






「わ~!綺麗だね!」

海について早速、波打ち際の方まで和奏は走って行く。
海には海開きされた事もあって沢山の人で賑わっている。

「大地~、えいっ!」

和奏の方に近づいていくと、思いっきり水をかけられた。

「うわっ、俺水着じゃないのに。」
「しーらないっ。おりゃ~。」
「やったな。」

俺は和奏に向かって水をかける。
が、和奏に水は掛かったものの一滴も濡れていない。

「へへーん。私は濡れないもんね~。」

そう言って俺に再び水を掛けてくる。



そんな水の掛け合いを永遠とし続け海の向こう側に太陽が沈み始め、海で遊んでいた。

「和奏、ちょっとこれ着てみて。」

俺は彼女に持ってきたものを渡す。

「麦わら帽子に、サングラス?」
「そう。和奏初めての海記念で写真を撮ろう!」

俺はそう言ってスマホのカメラを構える。
そして、シャッターをおそうとした時ひとつのメッセージが届いた。

『明日、君の家に行ってもいいかな。』

送ってきた人は松田《まつだ》 栞《しおり》だった。
来てしまった。
どうしよう。

「大地、早く!」
「ああ、ちょっと待ってて。」

俺はもうどうにでもなれと思い、松田さんに『分かった。』
と、返信した。

「はい、撮るよー。はいチーズ!」

撮れた写真にはいつものように和奏の姿自体は写っていなかったが、麦わら帽子とサングラス、そしてバックの夕日が作る影が和奏を作っていた。

「よし、帰るか。」
「帰ろ~!!」

いつの間にか俺たちの喧嘩は収まっていた。
海には全てを包み込んでくれる母性のようなものがあると言うのは本当だったようだ。


――――――――――――――――


残り22日。
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