96 / 114
Chapter_3:機械工の性
Note_78
しおりを挟む
【タイタン号】内、閑静な空間が廊下を支配する。サドは自室にて【Kerキャンプ】の仲間と連絡を取ろうとする。
「こちらC-901【タイタン号】、記録部は応答せよ。オーバー。」
返事が来ない。本来、姉弟の力が無ければ【タイタン号】は政府の手に落ちていた。それを予期してレジスタンスに伝えたのだろう。この機体は彼らからすれば、今や政府の物だ。
故に、連絡が返ってくるはずもない。それでもサドは連絡を試みた。かつてパイロットであったコーヴァスの記録を見て、隈無く通信を行う。
「こちらC-901【Titan】、司令部は応答せよ。オーバー。」
滅気ずに通信を行う。その努力が実る。
『こちらC-191【Ker】、本ネットワークを介した通信を確認する。しばし待たれよ、オーバー。』
ようやく繋がった。サドは仲間が無事であることについて素直に喜ぶ。相手の男は確認を終え、彼に話しかける。
『失礼。C-901【Titan】、セキュアなネットワークに接続していることを確認した。
至急の事態により、要件のみ言ってくれ。オーバー。』
怪しげだが、サドは要件だけ伝える。
「C-191【Ker】、街に到着次第そちらのキャンプ地に向かいたい。今日の街の情勢について教えてほしい。オーバー。」
『C-901【Titan】、警護ロボが配備されており危険。巨大機体を秘密裏に回収するため、【大空洞】を除く場所に隠しておけ。』
『ユーちゃん!一気にやったほうが良いと思うよ!そのタイタンって機体が、唐突にやってきたら敵はみんなビックリすると思う!』
唐突に女が割り込んできた。仲間っぽいが少々抜けているところがある。
『今、通信中。出ちゃ、ダメ。』
『あ、ごめんごめん。』
『それに表に出て、不意を何度つけると思うんだ?』
『巨大機体が出たら、誰だってそっちに向かうでしょ?私達で挟み撃ちにすれば余裕でしょ?』
『増援が来たら』
『来たら……倒すだけ。』
『お前は構わねえだろうけど、俺らは無理だ。お前をまた見捨てるために助けたわけじゃねえんだぞ。』
『負けないよ。私がいるもの。貴方には後方で逃げるための機体を用意してほしい。』
自信ある女の言葉を無視して、男は話を続けた。
『C-901【Titan】、聞こえるか?遅れてしまって申し訳ない。
【キエラ】に防壁は無い。安直に巨大機体をひけらかすのは良くない。』
『ちょっと……』
『したがって、街から離れた場所にて駐機し、移動用機体で街に来てほしい。落ち着いてから回収に向かう。搭乗者全員で向かうよう留意せよ。
そちらの搭乗者の人数を教えてほしい。ただし人造人間は除いて数えよ。オーバー。』
「C-191【Ker】、搭乗者は男性1名、女性3名。オーバー。」
サドは戸惑うことなく続けた。相手の応答を待つ。
『了解。C-901【Titan】、移動用機体を2機だけ使い、それぞれ2人ずつ乗って街に来てくれ。
……“戦火を越えてまた会えるよう祈る。”アウト。』
通信が切れた。サドは表情を変えずにコンピュータの電源を切り、2つのバッグを担いで自室を出る。自室に鍵をかけて司令室へと向かう。
…扉を開けると、既に3人が待ち構えていた。黒猫のエボニーはサドのバッグの中にいる。
しかし、レオとライラの荷物が見当たらない。サドは理由を聞き出す。
「準備はできてる?荷物は大丈夫?」
「あそこ。」
レオが指を指した先に、両腕が塞がっているウルサの姿が見えた。何か幸せそうに意気揚々とバッグを下げている。
「えぇ……。」
「こいつをどうにかしないと、いつ暴れるか分からねえからな。“罰ゲーム”のはずが、奴からすれば“ご褒美”らしい……だよな?」
「当前よ。可愛い女の子から与えられるのに、何を躊躇う必要があるの?これは彼女達が賜った“ご褒美”。ありがたく受け止めるわ。」
笑顔で素直に聞こえることから、彼女の本心と確信する。サドは半ば苦笑した。
「そ、そこまで言われたら……反論も無いけど。」
「これで気を抜くなよ。まだ街にも行ってねえから。仲間に手を出したこと、まだ反省してないようだな。
……持ち物に何かすんなよ。」
鋭い眼光で威圧をかける。ウルサは頷き、口を開けずに息を呑む。険悪な雰囲気をライラは察した。
「そ、それはそれとして、サド君。連絡は取れたの?」
サドは深刻な表情で報告する。
「……司令部から受け取った通信です。敵が動いており、交戦中かと思われます。既に多数の部署を侵入され、避難しているそうです。到着後の戦闘は避けられないでしょう。
移動用機体を2機、用意します。それぞれ2人ずつ乗れとの指令です。」
「サドとウルサで。」
「ええっ!?」
「当然だね。」
即答した。レオはライラと乗ることになる。男と一緒に乗ることになったウルサは不満を垂れる。
「何で?優しくしたじゃない。普通は2人で仲良く談話する展開のはずなのに……。」
「“スキンシップ”と言って好き勝手されないよう、一定の距離を取るのは普通じゃねえのか?」
ぐうの音も出ない。これ以上の異論は出なかった。ライラも頷き、2人は立ち上がる。
「よっし、それじゃあ行くか。」
「到着時はいつでも戦えるように、ウルサ含めて武器を使えるようにしてください。」
「……嫌だ。」
ウルサはサドの意見に全否定するつもりだ。彼も負けじと反論する。
「2人を見捨てるんだね……。」
「!?」
辛辣な眼差しと共に、サドはウルサを侮蔑の目で見つめていた。先程まで寄せていた期待を返してほしいと目で訴えてきている。
彼女自身も、“女性を見捨てる行為”を許すわけにはいかなかった。
「そんな事……できるわけないでしょ!」
「決まりだね。」
(分かりやすい奴。)
レオは呆れて、1人で先に向かった。
「あ、ちょっと!」
後を追うように3人も付いていく。
_____
海辺が見える碁盤目状の町並み。その正体は70m級の高層ビル群。道幅も桁外れの広さでありながら、その車線は見当たらない。まるで好きに使えとばかりに、ロボットに乗った暴走族が走り回る。
闘争心に飢えた貴族が創造した街。全ては力によって決まる。機械霊への恐れを知らず、壁を持たぬ都市。白く高い建造物が蛮族達の夢の跡。“国境なき理想郷”に最も近しい都市の1つ、【キエラ】。
物騒な音が近づくにつれて顕著になる。姉弟は集中して、移動用機体を街へと走らせた。
しかし、人型ロボット5体が入り口で出迎えていた。全員がこちらに銃を構えている。
『現在、都市部への侵入を禁じております。またのお越しをお待ちしております。』
姉弟は移動用機体を止めて降りる。命令に逆らい、堂々と前に進む。
『モード3移行。3名を指定。戦闘準備。直ちに退却せよ!』
サドを除く3人が狙われている。レオは意気込む。
「説得は終わりか?……その程度で止められると思うな!」
レオは前線に立つ。固められた地面を駆け抜けて、颯爽と道を走る。【デルタシールド】を張り、強引に近接戦へと持ち込む。
3体が彼女に襲いかかり、もう2体は残った3人に撃ち込む。サドが前衛に出て【ビームソード】で破壊する。
もう1体が、ライラとウルサに襲いかかる。
「ええっ!?ちょっと!待って!いやああああ!」
ひたすらに近づいてくる敵に向けて3発ほど撃ち込んだ。全部外れた。おまけにオーバーヒートして、一時的に撃てなくなった。
「あ、ああ……」
ライラは満身創痍になっていた…その時であった。
「大丈夫かい、お嬢さん。」
2つの小型機が、ウルサの武器から飛んでいく。そして武器を発動する。軽快に振り回し、光で敵を穿つ。【デュアルサーチャー】も敵を狩らんと唸っている。
ウルサは自信を持って、この武器を握りしめる。近づく敵の距離を見極め…
「私に手も足も……」
「遅い!」
(!!?!?)
その敵はサドによって後ろから斬られ、正面からもう一撃刻まれた。折角の初陣をサドに取られた。彼は伝える。
「ライラさん、後方から支援をお願いします。」
「うん!ありがとう!サド君!」
サドは囲まれているレオの方へと走り出す。ウルサは手を震わせていた。理由は無論…
「……赤っ恥かかせてやるッ……!」
ウルサは怒りを力に変えて、サドの後を追う。そして3人がそれぞれ相対する。
ウルサの刺突はロボットの装甲を貫く。何度も突き刺し、小型機から光線を放ちながら戦う。敵を小型機の補助で一手ずつ詰めていき、蜂の巣にしていく。
一度嵌めたら、もう逃がさない。脅威の連撃がロボットに襲いかかり、一瞬にして機能停止に陥った。
「はあっ!」
サドは重い一撃を入れて、敵を打ち上げた。その隙に空かさず一閃が敵を射抜く。機転を利かせてもう1つ【光線銃】を使うことで、ライラの支援が上手くいったようだ。
レオは剣で敵を吹き飛ばす。
「通らせてもらうよ。」
敵が倒れた所に剣を突き刺して、【デルタシールド】を発動させた。シールドが敵機を切断し、一撃で倒した。
5体全滅。彼らは先に進まなければならない。移動用機体にすぐに乗り込み、先へと続く。レオは懸念していた。
『レジスタンスキャンプは大丈夫か!?』
『分からない。でも、進むしかない!』
移動用機体は前方へと走り抜く。謎の1人が彼らを囲むように並走する。
謎のライダーから通達が入る。
『君達、ユーちゃんと連絡取ってた人?』
聞き覚えのある声と口調であった。しかしレオにはちっとも分からない。
「あんた誰だ?」
「はい!司令部に連絡を取りました。【タイタン号】のパイロットです。」
『事情は後!私に付いてきて!』
3機は裏路地の狭い道を使って、先へ進んだ。その最中にライラは街を眺める。広い道に静寂が広がり、人の気配が1つも無かった。
「こちらC-901【タイタン号】、記録部は応答せよ。オーバー。」
返事が来ない。本来、姉弟の力が無ければ【タイタン号】は政府の手に落ちていた。それを予期してレジスタンスに伝えたのだろう。この機体は彼らからすれば、今や政府の物だ。
故に、連絡が返ってくるはずもない。それでもサドは連絡を試みた。かつてパイロットであったコーヴァスの記録を見て、隈無く通信を行う。
「こちらC-901【Titan】、司令部は応答せよ。オーバー。」
滅気ずに通信を行う。その努力が実る。
『こちらC-191【Ker】、本ネットワークを介した通信を確認する。しばし待たれよ、オーバー。』
ようやく繋がった。サドは仲間が無事であることについて素直に喜ぶ。相手の男は確認を終え、彼に話しかける。
『失礼。C-901【Titan】、セキュアなネットワークに接続していることを確認した。
至急の事態により、要件のみ言ってくれ。オーバー。』
怪しげだが、サドは要件だけ伝える。
「C-191【Ker】、街に到着次第そちらのキャンプ地に向かいたい。今日の街の情勢について教えてほしい。オーバー。」
『C-901【Titan】、警護ロボが配備されており危険。巨大機体を秘密裏に回収するため、【大空洞】を除く場所に隠しておけ。』
『ユーちゃん!一気にやったほうが良いと思うよ!そのタイタンって機体が、唐突にやってきたら敵はみんなビックリすると思う!』
唐突に女が割り込んできた。仲間っぽいが少々抜けているところがある。
『今、通信中。出ちゃ、ダメ。』
『あ、ごめんごめん。』
『それに表に出て、不意を何度つけると思うんだ?』
『巨大機体が出たら、誰だってそっちに向かうでしょ?私達で挟み撃ちにすれば余裕でしょ?』
『増援が来たら』
『来たら……倒すだけ。』
『お前は構わねえだろうけど、俺らは無理だ。お前をまた見捨てるために助けたわけじゃねえんだぞ。』
『負けないよ。私がいるもの。貴方には後方で逃げるための機体を用意してほしい。』
自信ある女の言葉を無視して、男は話を続けた。
『C-901【Titan】、聞こえるか?遅れてしまって申し訳ない。
【キエラ】に防壁は無い。安直に巨大機体をひけらかすのは良くない。』
『ちょっと……』
『したがって、街から離れた場所にて駐機し、移動用機体で街に来てほしい。落ち着いてから回収に向かう。搭乗者全員で向かうよう留意せよ。
そちらの搭乗者の人数を教えてほしい。ただし人造人間は除いて数えよ。オーバー。』
「C-191【Ker】、搭乗者は男性1名、女性3名。オーバー。」
サドは戸惑うことなく続けた。相手の応答を待つ。
『了解。C-901【Titan】、移動用機体を2機だけ使い、それぞれ2人ずつ乗って街に来てくれ。
……“戦火を越えてまた会えるよう祈る。”アウト。』
通信が切れた。サドは表情を変えずにコンピュータの電源を切り、2つのバッグを担いで自室を出る。自室に鍵をかけて司令室へと向かう。
…扉を開けると、既に3人が待ち構えていた。黒猫のエボニーはサドのバッグの中にいる。
しかし、レオとライラの荷物が見当たらない。サドは理由を聞き出す。
「準備はできてる?荷物は大丈夫?」
「あそこ。」
レオが指を指した先に、両腕が塞がっているウルサの姿が見えた。何か幸せそうに意気揚々とバッグを下げている。
「えぇ……。」
「こいつをどうにかしないと、いつ暴れるか分からねえからな。“罰ゲーム”のはずが、奴からすれば“ご褒美”らしい……だよな?」
「当前よ。可愛い女の子から与えられるのに、何を躊躇う必要があるの?これは彼女達が賜った“ご褒美”。ありがたく受け止めるわ。」
笑顔で素直に聞こえることから、彼女の本心と確信する。サドは半ば苦笑した。
「そ、そこまで言われたら……反論も無いけど。」
「これで気を抜くなよ。まだ街にも行ってねえから。仲間に手を出したこと、まだ反省してないようだな。
……持ち物に何かすんなよ。」
鋭い眼光で威圧をかける。ウルサは頷き、口を開けずに息を呑む。険悪な雰囲気をライラは察した。
「そ、それはそれとして、サド君。連絡は取れたの?」
サドは深刻な表情で報告する。
「……司令部から受け取った通信です。敵が動いており、交戦中かと思われます。既に多数の部署を侵入され、避難しているそうです。到着後の戦闘は避けられないでしょう。
移動用機体を2機、用意します。それぞれ2人ずつ乗れとの指令です。」
「サドとウルサで。」
「ええっ!?」
「当然だね。」
即答した。レオはライラと乗ることになる。男と一緒に乗ることになったウルサは不満を垂れる。
「何で?優しくしたじゃない。普通は2人で仲良く談話する展開のはずなのに……。」
「“スキンシップ”と言って好き勝手されないよう、一定の距離を取るのは普通じゃねえのか?」
ぐうの音も出ない。これ以上の異論は出なかった。ライラも頷き、2人は立ち上がる。
「よっし、それじゃあ行くか。」
「到着時はいつでも戦えるように、ウルサ含めて武器を使えるようにしてください。」
「……嫌だ。」
ウルサはサドの意見に全否定するつもりだ。彼も負けじと反論する。
「2人を見捨てるんだね……。」
「!?」
辛辣な眼差しと共に、サドはウルサを侮蔑の目で見つめていた。先程まで寄せていた期待を返してほしいと目で訴えてきている。
彼女自身も、“女性を見捨てる行為”を許すわけにはいかなかった。
「そんな事……できるわけないでしょ!」
「決まりだね。」
(分かりやすい奴。)
レオは呆れて、1人で先に向かった。
「あ、ちょっと!」
後を追うように3人も付いていく。
_____
海辺が見える碁盤目状の町並み。その正体は70m級の高層ビル群。道幅も桁外れの広さでありながら、その車線は見当たらない。まるで好きに使えとばかりに、ロボットに乗った暴走族が走り回る。
闘争心に飢えた貴族が創造した街。全ては力によって決まる。機械霊への恐れを知らず、壁を持たぬ都市。白く高い建造物が蛮族達の夢の跡。“国境なき理想郷”に最も近しい都市の1つ、【キエラ】。
物騒な音が近づくにつれて顕著になる。姉弟は集中して、移動用機体を街へと走らせた。
しかし、人型ロボット5体が入り口で出迎えていた。全員がこちらに銃を構えている。
『現在、都市部への侵入を禁じております。またのお越しをお待ちしております。』
姉弟は移動用機体を止めて降りる。命令に逆らい、堂々と前に進む。
『モード3移行。3名を指定。戦闘準備。直ちに退却せよ!』
サドを除く3人が狙われている。レオは意気込む。
「説得は終わりか?……その程度で止められると思うな!」
レオは前線に立つ。固められた地面を駆け抜けて、颯爽と道を走る。【デルタシールド】を張り、強引に近接戦へと持ち込む。
3体が彼女に襲いかかり、もう2体は残った3人に撃ち込む。サドが前衛に出て【ビームソード】で破壊する。
もう1体が、ライラとウルサに襲いかかる。
「ええっ!?ちょっと!待って!いやああああ!」
ひたすらに近づいてくる敵に向けて3発ほど撃ち込んだ。全部外れた。おまけにオーバーヒートして、一時的に撃てなくなった。
「あ、ああ……」
ライラは満身創痍になっていた…その時であった。
「大丈夫かい、お嬢さん。」
2つの小型機が、ウルサの武器から飛んでいく。そして武器を発動する。軽快に振り回し、光で敵を穿つ。【デュアルサーチャー】も敵を狩らんと唸っている。
ウルサは自信を持って、この武器を握りしめる。近づく敵の距離を見極め…
「私に手も足も……」
「遅い!」
(!!?!?)
その敵はサドによって後ろから斬られ、正面からもう一撃刻まれた。折角の初陣をサドに取られた。彼は伝える。
「ライラさん、後方から支援をお願いします。」
「うん!ありがとう!サド君!」
サドは囲まれているレオの方へと走り出す。ウルサは手を震わせていた。理由は無論…
「……赤っ恥かかせてやるッ……!」
ウルサは怒りを力に変えて、サドの後を追う。そして3人がそれぞれ相対する。
ウルサの刺突はロボットの装甲を貫く。何度も突き刺し、小型機から光線を放ちながら戦う。敵を小型機の補助で一手ずつ詰めていき、蜂の巣にしていく。
一度嵌めたら、もう逃がさない。脅威の連撃がロボットに襲いかかり、一瞬にして機能停止に陥った。
「はあっ!」
サドは重い一撃を入れて、敵を打ち上げた。その隙に空かさず一閃が敵を射抜く。機転を利かせてもう1つ【光線銃】を使うことで、ライラの支援が上手くいったようだ。
レオは剣で敵を吹き飛ばす。
「通らせてもらうよ。」
敵が倒れた所に剣を突き刺して、【デルタシールド】を発動させた。シールドが敵機を切断し、一撃で倒した。
5体全滅。彼らは先に進まなければならない。移動用機体にすぐに乗り込み、先へと続く。レオは懸念していた。
『レジスタンスキャンプは大丈夫か!?』
『分からない。でも、進むしかない!』
移動用機体は前方へと走り抜く。謎の1人が彼らを囲むように並走する。
謎のライダーから通達が入る。
『君達、ユーちゃんと連絡取ってた人?』
聞き覚えのある声と口調であった。しかしレオにはちっとも分からない。
「あんた誰だ?」
「はい!司令部に連絡を取りました。【タイタン号】のパイロットです。」
『事情は後!私に付いてきて!』
3機は裏路地の狭い道を使って、先へ進んだ。その最中にライラは街を眺める。広い道に静寂が広がり、人の気配が1つも無かった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
学園都市型超弩級宇宙戦闘艦『つくば』
佐野信人
SF
学園都市型超弩級宇宙戦闘艦『つくば』の艦長である仮面の男タイラーは、とある病室で『その少年』の目覚めを待っていた。4000年の時を超え少年が目覚めたとき、宇宙歴の物語が幕を開ける。
少年を出迎えるタイラーとの出会いが、遥かな時を超えて彼を追いかけて来た幼馴染の少女ミツキとの再会が、この時代の根底を覆していく。
常識を常識で覆す遥かな未来の「彼ら」の物語。避けようのない「戦い」と向き合った時、彼らは彼らの「日常」でそれを乗り越えていく。
彼らの敵は目に見える確かな敵などではなく、その瞬間を生き抜くという事実なのだった。
――――ただひたすらに生き残れ!
※小説家になろう様、待ラノ様、ツギクル様、カクヨム様、ノベルアップ+様、エブリスタ様、セルバンテス様、ツギクル様、LINEノベル様にて同時公開中
GIGA・BITE
鵤牙之郷
SF
「鷹海市にはゾンビがいる」 2034年、海沿いののどかな町で囁かれる奇妙な都市伝説。 ごく普通の青年・綾小路 メロは、ある日ゾンビのように変貌した市民の乱闘に遭遇し、重傷を負う。そんな彼を救ったのは1人の科学者。彼はメロに人体改造を施し、【超獣】として蘇生させる。改造人間となったメロを待っていたのは、1つの町を巻き込む邪悪な陰謀だった…。
※2024年4月より他サイトにて連載、既に完結した作品を加筆・修正したものです。
Imposter
Primrose
SF
2026年、ある少年は未来を見通す力を持っていた。そして同時に、彼の力を狙う者もいた。少年はいままでなんとか逃げてきたが、ある少女との出会いがきっかけとなり、物語は急展開を迎える。
怪獣特殊処理班ミナモト
kamin0
SF
隕石の飛来とともに突如として現れた敵性巨大生物、『怪獣』の脅威と、加速する砂漠化によって、大きく生活圏が縮小された近未来の地球。日本では、地球防衛省を設立するなどして怪獣の駆除に尽力していた。そんな中、元自衛官の源王城(みなもとおうじ)はその才能を買われて、怪獣の事後処理を専門とする衛生環境省処理科、特殊処理班に配属される。なんとそこは、怪獣の力の源であるコアの除去だけを専門とした特殊部隊だった。源は特殊処理班の癖のある班員達と交流しながら、怪獣の正体とその本質、そして自分の過去と向き合っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる