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13.知らされた事実
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エリーゼは戸惑いながらも考える。侯爵家の利益とはなにか仕事上の事だろうか。でもエリーゼがクラウスと結婚して得られる利益はそれほどないはずだ。何故なら現ヘンケル公爵夫人は元ハイゼ侯爵令嬢であり侯爵夫人の実の娘なのだから。すでに深い縁が結ばれているのでエリーゼを養女にしてまで強固にする必要性はない。そして侯爵夫人に感謝される理由に全く心当たりがなかった。
首を傾げ困惑するエリーゼに長い話になると前置きをしてその理由を話してくれた。
「エリーゼは私の一番上の娘の事は知っているわね?」
「はい。クリスタ様、現ヘンケル公爵夫人のことですね。学生時代に何度かお話する機会がありました。残念なことに今回私が公爵邸に行っている間にお会いすることはありませんでしたが」
当時はクリスタ・ハイゼ侯爵令嬢だった。学園時代は同級生だったがクラスは一緒になったことはなく、何度か話すことはあったがヘンケル公爵様との婚約が決まって学園を辞められたあとにエリーゼも平民になりお会いすることはなかった。エリーゼが住み込みで雇って頂いた時には花嫁教育の為にすでに侯爵家を出てしまっていた。クリスタは内気だが穏やかで優しい人だと思う。
「それはね。過保護なヘンケル公爵様が、悪阻が重いと言って王都から少し離れた穏やかな土地に別荘を買って落ち着くまでそちらで過ごすと引き籠っているのよ。それであなたにお礼が言いたかったのはクリスタのことよ」
「まあ、クリスタ様はご懐妊されていたのですね。おめでとうございます。でも私にお礼……ですか」
「私はハイゼ侯爵家に嫁いで直ぐにクリスタを身ごもったわ。可愛い娘を得て幸せだった。ねえエリーゼ、この国では女性でも爵位を継げるけどやはり男児が継ぐ方が圧倒的に多いでしょう。だから周りも私も第二子に男児を望んだわ。けれど授からなかった。それでクリスタが5歳になってすぐ嫡子として厳しい教育を施したの。夜布団の中で泣いていても将来そんな事では女侯爵としてやっていけないと見ぬ振りをしてしまった。今思えば抱きしめて慰めるべきだったのにね」
その瞳には後悔の色があった。ご自分を責めている。
「クリスタは内気で人見知りがある子だった。それでも私たちの期待に応えようと努力してくれた。それなのにそれを踏みにじったのよ。私はクリスタが12歳の時に男女の双子を生んだわ。そしてクリスタから長男に嫡子を変更してしまった。あの時は純粋にクリスタの負担を失くしてあげたられると思っていた。嫡子であるプレッシャーから解放したつもりだったの。そして今まで厳しく育てた分甘やかしてあげようと思っていのに……久しぶりの育児と双子の世話に追われて何もしてあげられなかった。手のかからないクリスタに甘えてしまっていたのね。せめていい縁談を探そうとクリスタに希望を聞いたら、家のためになる人ならお任せしますと言われて初めてあの子が私たちに失望していることに気付いたのよ。自分でも呆れるほど遅すぎるわ。私は酷い母親ね。せめてあの子にとって不本意な結婚だけはさせないようにしようと夫と話し合あったわ。そしたらある日、ヘンケル公爵様がクリスタを見染めたといらして、クリスタもそれを望んでいたので婚約が決まったの」
侯爵夫人はティーカップを取り紅茶を飲んで一息ついた。そして寂しそうな笑みを浮かべる。
「結婚式までの時間こそ母親らしいことをしたいと思っていたら、自分から花嫁修業で公爵家に行くと言ってすぐに移ってしまった。私たちがあの子に贈ってきたプレゼントは部屋に置いたまま……持っていきたいと思えるものがなかったのでしょう。クリスタにとって私たちは親とは呼べない存在だった」
「そんなことは……」
エリーゼはなんと言葉をかけていいか分からなかった。侯爵家はみんな仲がいいのだと思っていた。クリスタが侯爵家に里帰りをしたところを見たことがなかったが筆頭公爵家に嫁いで忙しいからだと思っていた。
「そのクリスタがある日突然訪ねて来てお願いがあると言ってきたの。正直嬉しかったわ。頼ってもらえると。でも話を聞いて自己嫌悪に陥った……。そのお願いはね。エリーゼのご両親が亡くなって仕事を探しているという噂を聞いたらしくて力を貸してほしいというの。それほど仲の良い友人なのかと聞いたら学園の同級生でクリスタが辛い思いをしている時に唯一助けてくれた令嬢だから助けたいと。最初はヘンケル公爵様に頼もうかと思ったらしいけど、エリーゼは素敵な人だから会わせたりしたら公爵様が好きになってしまうかもしれない。だから侯爵家で雇えないかと相談されたわ。調べたらあなたは成績も優秀で人柄も問題なさそうだし、なによりクリスタの恩人ですもの。学園長に我が家への紹介状を書くように依頼したのよ。クリスタには自分が頼んだことはエリーゼが気にしないように言わないでくれと頼まれていたの」
エリーゼは初めて聞く話に驚いて声も出ない。両親が亡くなったとき学園長に呼び出されて成績が良かったことで仕事先を紹介してもらえると言われた。エリーゼは身の振り方に不安を覚え夜も眠れないほどだったので、その住み込みの仕事にすがる思いで面接に赴いたのを覚えている。世界にたった一人取り残されてしまった恐怖の中、温かく迎えてくる人々とこの場所にいられてようやくエリーゼは両親の死を悼み、泣くことができたのだ。それも全てクリスタのお陰だった。感謝しなければならないのはエリーゼの方ではないか。胸に込み上げてくるものがあり涙が零れた。
「奥さま、お礼を言わなければならないのは私の方です」
侯爵夫人は首を振った。
「私たちはこの時までクリスタが学園で嫌がらせを受けていたことを知らなかったわ。何故相談してくれなかったと問い詰めたら、あれ程嫡子教育を頑張ってきても女性だというだけで切り捨てられた自分には、価値がないと思っていたから言えなかったと。自信を喪失して訴えないクリスタに対して教師も見て見ぬ振りだったらしいわね。周りの子も巻き込まれるのを恐れて助けてくれなかった。クラスが違うのにただ一人エリーゼだけが味方になってくれたと言っていたわ。ありがとうエリーゼ」
侯爵夫人の目は潤んでいた。立ち上がるとエリーゼの手を取り、その手を自分の額に当てるともう一度ありがとうと呟いた。
学園にいた時、高位貴族でありながら控えめなクリスタはアデリアの格好の標的となって嫌がらせを受けていた。クラスが違うのでその場に居合わせることはなかったが困っているクリスタを見たことがあった。次の授業に使う教科書を池に投げられて途方に暮れている姿を見たときはエリーゼの教科書と交換した。池に落ちていた教科書はエリーゼが拾い乾かして使った。よれよれになっていたが読めれば問題ないと特に気にならなかったからだ。お昼もお弁当を隠されて中庭のベンチで泣いているときに会ったことがある。エリーゼは自慢話が飛び交う食堂を使うのが嫌でお昼は中庭に行っていた。せっかくだからとお弁当を一緒に食べたのだ。
エリーゼには何の力もなくて助けることはできなかった。自分自身もアデリアの嫌がらせには我慢するしかなかったのだ。だからほんの少し一緒に過ごしただけで、そんな些細なことを覚えていてくれてエリーゼが困っている時に助けてくれた。二人のやり取りする機会は少なかったしエリーゼのことは忘れてしまったと思っていた。侯爵家の仕事を紹介されたのも偶然だと。それを今まで言わずにいたなんてクリスタは思っていた通り謙虚で優しい人だ。
ふとエリーゼは思いついて聞いてみることにした。
「奥さま。もしかして私にヘンケル公爵家のお茶会に出席するように言ったのは……」
「そうよ。クリスタに頼まれたのよ。エリーゼを参加させてほしいと。でも参加はさせるけどクラウス様と縁ができるかは分からないと言っておいたわよ。エリーゼにはデザートを食べてくるようにとしか伝えていないし、あなたは結婚する気がなさそうだったからこればかりは本人の意思によるものでしょう。クリスタもそれは承知しているけどいい切っ掛けになる可能性もあるって言い張るのよ。結果的にクリスタの希望通りになったわね。私も出来る事ならエリーゼには幸せな結婚をしてほしかった。今はもうあなたは娘同然なのよ」
「……ありがとうございます。奥様。クリスタ様にもお礼を言いたいわ」
エリーゼは嬉しくて涙が止まらない。
「そういう訳で全てはクリスタを喜ばせる為なの。親としての打算と利益よ。だからエリーゼには遠慮をしてほしくないわ。もちろんクラウス様との結婚の助力も惜しまないから安心して頂戴」
「奥様、エリーゼの嫁入り準備に腕が鳴りますわ。早速、ドレスのデザインを集めましょう」
侍女長が侯爵夫人にとんでもない提案をする。
「いえ、そこまでは流石に――――」
「駄目よ。私の娘として恥ずかしくない支度をしますから覚悟しておきなさい」
二人の息を巻く様子が可笑しくてエリーゼは止まらない涙を拭いながら心で感謝を捧げた。
首を傾げ困惑するエリーゼに長い話になると前置きをしてその理由を話してくれた。
「エリーゼは私の一番上の娘の事は知っているわね?」
「はい。クリスタ様、現ヘンケル公爵夫人のことですね。学生時代に何度かお話する機会がありました。残念なことに今回私が公爵邸に行っている間にお会いすることはありませんでしたが」
当時はクリスタ・ハイゼ侯爵令嬢だった。学園時代は同級生だったがクラスは一緒になったことはなく、何度か話すことはあったがヘンケル公爵様との婚約が決まって学園を辞められたあとにエリーゼも平民になりお会いすることはなかった。エリーゼが住み込みで雇って頂いた時には花嫁教育の為にすでに侯爵家を出てしまっていた。クリスタは内気だが穏やかで優しい人だと思う。
「それはね。過保護なヘンケル公爵様が、悪阻が重いと言って王都から少し離れた穏やかな土地に別荘を買って落ち着くまでそちらで過ごすと引き籠っているのよ。それであなたにお礼が言いたかったのはクリスタのことよ」
「まあ、クリスタ様はご懐妊されていたのですね。おめでとうございます。でも私にお礼……ですか」
「私はハイゼ侯爵家に嫁いで直ぐにクリスタを身ごもったわ。可愛い娘を得て幸せだった。ねえエリーゼ、この国では女性でも爵位を継げるけどやはり男児が継ぐ方が圧倒的に多いでしょう。だから周りも私も第二子に男児を望んだわ。けれど授からなかった。それでクリスタが5歳になってすぐ嫡子として厳しい教育を施したの。夜布団の中で泣いていても将来そんな事では女侯爵としてやっていけないと見ぬ振りをしてしまった。今思えば抱きしめて慰めるべきだったのにね」
その瞳には後悔の色があった。ご自分を責めている。
「クリスタは内気で人見知りがある子だった。それでも私たちの期待に応えようと努力してくれた。それなのにそれを踏みにじったのよ。私はクリスタが12歳の時に男女の双子を生んだわ。そしてクリスタから長男に嫡子を変更してしまった。あの時は純粋にクリスタの負担を失くしてあげたられると思っていた。嫡子であるプレッシャーから解放したつもりだったの。そして今まで厳しく育てた分甘やかしてあげようと思っていのに……久しぶりの育児と双子の世話に追われて何もしてあげられなかった。手のかからないクリスタに甘えてしまっていたのね。せめていい縁談を探そうとクリスタに希望を聞いたら、家のためになる人ならお任せしますと言われて初めてあの子が私たちに失望していることに気付いたのよ。自分でも呆れるほど遅すぎるわ。私は酷い母親ね。せめてあの子にとって不本意な結婚だけはさせないようにしようと夫と話し合あったわ。そしたらある日、ヘンケル公爵様がクリスタを見染めたといらして、クリスタもそれを望んでいたので婚約が決まったの」
侯爵夫人はティーカップを取り紅茶を飲んで一息ついた。そして寂しそうな笑みを浮かべる。
「結婚式までの時間こそ母親らしいことをしたいと思っていたら、自分から花嫁修業で公爵家に行くと言ってすぐに移ってしまった。私たちがあの子に贈ってきたプレゼントは部屋に置いたまま……持っていきたいと思えるものがなかったのでしょう。クリスタにとって私たちは親とは呼べない存在だった」
「そんなことは……」
エリーゼはなんと言葉をかけていいか分からなかった。侯爵家はみんな仲がいいのだと思っていた。クリスタが侯爵家に里帰りをしたところを見たことがなかったが筆頭公爵家に嫁いで忙しいからだと思っていた。
「そのクリスタがある日突然訪ねて来てお願いがあると言ってきたの。正直嬉しかったわ。頼ってもらえると。でも話を聞いて自己嫌悪に陥った……。そのお願いはね。エリーゼのご両親が亡くなって仕事を探しているという噂を聞いたらしくて力を貸してほしいというの。それほど仲の良い友人なのかと聞いたら学園の同級生でクリスタが辛い思いをしている時に唯一助けてくれた令嬢だから助けたいと。最初はヘンケル公爵様に頼もうかと思ったらしいけど、エリーゼは素敵な人だから会わせたりしたら公爵様が好きになってしまうかもしれない。だから侯爵家で雇えないかと相談されたわ。調べたらあなたは成績も優秀で人柄も問題なさそうだし、なによりクリスタの恩人ですもの。学園長に我が家への紹介状を書くように依頼したのよ。クリスタには自分が頼んだことはエリーゼが気にしないように言わないでくれと頼まれていたの」
エリーゼは初めて聞く話に驚いて声も出ない。両親が亡くなったとき学園長に呼び出されて成績が良かったことで仕事先を紹介してもらえると言われた。エリーゼは身の振り方に不安を覚え夜も眠れないほどだったので、その住み込みの仕事にすがる思いで面接に赴いたのを覚えている。世界にたった一人取り残されてしまった恐怖の中、温かく迎えてくる人々とこの場所にいられてようやくエリーゼは両親の死を悼み、泣くことができたのだ。それも全てクリスタのお陰だった。感謝しなければならないのはエリーゼの方ではないか。胸に込み上げてくるものがあり涙が零れた。
「奥さま、お礼を言わなければならないのは私の方です」
侯爵夫人は首を振った。
「私たちはこの時までクリスタが学園で嫌がらせを受けていたことを知らなかったわ。何故相談してくれなかったと問い詰めたら、あれ程嫡子教育を頑張ってきても女性だというだけで切り捨てられた自分には、価値がないと思っていたから言えなかったと。自信を喪失して訴えないクリスタに対して教師も見て見ぬ振りだったらしいわね。周りの子も巻き込まれるのを恐れて助けてくれなかった。クラスが違うのにただ一人エリーゼだけが味方になってくれたと言っていたわ。ありがとうエリーゼ」
侯爵夫人の目は潤んでいた。立ち上がるとエリーゼの手を取り、その手を自分の額に当てるともう一度ありがとうと呟いた。
学園にいた時、高位貴族でありながら控えめなクリスタはアデリアの格好の標的となって嫌がらせを受けていた。クラスが違うのでその場に居合わせることはなかったが困っているクリスタを見たことがあった。次の授業に使う教科書を池に投げられて途方に暮れている姿を見たときはエリーゼの教科書と交換した。池に落ちていた教科書はエリーゼが拾い乾かして使った。よれよれになっていたが読めれば問題ないと特に気にならなかったからだ。お昼もお弁当を隠されて中庭のベンチで泣いているときに会ったことがある。エリーゼは自慢話が飛び交う食堂を使うのが嫌でお昼は中庭に行っていた。せっかくだからとお弁当を一緒に食べたのだ。
エリーゼには何の力もなくて助けることはできなかった。自分自身もアデリアの嫌がらせには我慢するしかなかったのだ。だからほんの少し一緒に過ごしただけで、そんな些細なことを覚えていてくれてエリーゼが困っている時に助けてくれた。二人のやり取りする機会は少なかったしエリーゼのことは忘れてしまったと思っていた。侯爵家の仕事を紹介されたのも偶然だと。それを今まで言わずにいたなんてクリスタは思っていた通り謙虚で優しい人だ。
ふとエリーゼは思いついて聞いてみることにした。
「奥さま。もしかして私にヘンケル公爵家のお茶会に出席するように言ったのは……」
「そうよ。クリスタに頼まれたのよ。エリーゼを参加させてほしいと。でも参加はさせるけどクラウス様と縁ができるかは分からないと言っておいたわよ。エリーゼにはデザートを食べてくるようにとしか伝えていないし、あなたは結婚する気がなさそうだったからこればかりは本人の意思によるものでしょう。クリスタもそれは承知しているけどいい切っ掛けになる可能性もあるって言い張るのよ。結果的にクリスタの希望通りになったわね。私も出来る事ならエリーゼには幸せな結婚をしてほしかった。今はもうあなたは娘同然なのよ」
「……ありがとうございます。奥様。クリスタ様にもお礼を言いたいわ」
エリーゼは嬉しくて涙が止まらない。
「そういう訳で全てはクリスタを喜ばせる為なの。親としての打算と利益よ。だからエリーゼには遠慮をしてほしくないわ。もちろんクラウス様との結婚の助力も惜しまないから安心して頂戴」
「奥様、エリーゼの嫁入り準備に腕が鳴りますわ。早速、ドレスのデザインを集めましょう」
侍女長が侯爵夫人にとんでもない提案をする。
「いえ、そこまでは流石に――――」
「駄目よ。私の娘として恥ずかしくない支度をしますから覚悟しておきなさい」
二人の息を巻く様子が可笑しくてエリーゼは止まらない涙を拭いながら心で感謝を捧げた。
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