続・君につづく道

びぅむ

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第32部 旦那さま

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明日は、私の実家に改めて事後報告の挨拶をしにいく。理は長い顔をして、

「俺、お前の親父さんに殴られそうだから、いや、マジで殴らないにしても、精神的ダメージを与えられそう。とても耐えられなそうだから、範子さん連れてかね?」

と提案してきた。私は吹き出したけど、少し納得。まぁ、範子おばさんにも報告したいし。お父さん、どんな反応するんだろう。娘の私からしてもやっぱり不安だ。理がコテンパンにやられそう。…ちょっと見たい。←楽しんでる?

そして、区役所に到着。既に家で書いてきた婚姻届を窓口に提出した。職員のおじさんが婚姻届を受け取り不備を確認すると、ニッコリ微笑んで私たちを交互に見つめて、

「おめでとうございます。お祝いの『幸福の木』です」

と祝福の言葉と小さな鉢に入れられた緑色の15センチくらいある『幸福の木』を受け取った。私と理は顔を見合わせて、お互いに何だか照れ笑いになってしまった。

理は頭をかきながら区役所を出ていくと、私はその後ろを歩いて理の背中を見つめていた。胸がジン…と熱く感動している。ずっと一緒に住んでいたのに、まさかこんな『入籍』に、感動するなんて…、不思議…。それに、その背中。凄く照れてるの、分かるよ。

「雪子」

向こうを向いたまま、理が言う。私は顔を上げて、理の頭を見つめた。

「なに?」

「…坂井、雪子…かぁ」

独り言だったの?

もしかして、理も今、実感してた?感動してた?
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