続・君につづく道

びぅむ

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第31部 サヨナラなんか出来ない

21

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尻餅をついて茫然としている理は、何を思い立ったのか立ち上がり、トイレの前で凜ちゃんを待っている私に歩み寄ると、壁ドンしてきた。

「ゆ、雪子、お前。今突き飛ばしたな」

「え。あ、だって…。凜ちゃんいるんだもん。駄目でしょ」

「まだ大事な話は終わってないぞ」

「話の前に押し倒したくせに」

「…グッ…!」

理は次の言葉が出てこないみたいだ。壁ドンまでしたくせに。でも…。

本当はすごく嬉しい。

だって、諦めてた夢が、ここで叶うなんて思わなかった。結婚するなんて、言ってくれると思わなかった…。そのことがすごく嬉しい。

私は言葉がうまく出なくて、少し照れて俯いてしまった。すると、理は私の顎を摘んで上に上げると、唇が近づいてきた。私もゆっくりと目を閉じていくと、

ジャーーッ。

「すっきりした。眠いぃ」

と言ってトイレから凜ちゃんが出てきた。理と唇が重なる寸前で、理は眉間に怒りマークが浮かんだ。理は私の体から離れて凜ちゃんの前に立ち、少し屈むと、

「凜」

と言って凜ちゃんの頭を優しく撫でた。

「美夜と滋と祐がな、やっぱり凜と寝たいんだって。俺は雪子と二人だけになりたいから、祐《パパ》んとこで寝ろ!」

と言って、背中を押して部屋から追い出すと、私は驚いて理の背中から凜ちゃんを見た。
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