続・君につづく道

第25部 理の反撃

3

俺は三つほど重なった事件を全部解決に向けて動いて、犯人を捕まえることに成功した。

榊原さんは、さゆりさんが出産を終えて少し落ち着いたら、また東京に戻ってくるそうだ。さゆりさんの言動に、実は振り回されているのだろうか。榊原さんは、さゆりさんの言葉一つで職場を簡単に変える。が、俺はそんな榊原さんが少し羨ましいとさえ思った。俺もたまには、そういう我儘を言っても、いいのかもしれない。


そして。

東京に戻ってきた。

松林に連絡した後、横溝弁護士に会って、詳しい状況を説明してもらった。ただのセクハラ問題なら、そんなに証人とか証拠はいらない。が、俺はそれでも相手を徹底的に追い詰める作戦に出た。雪子と同じ保険会社に入る前に勤務していた会社のことを調べると、なかなか面白い証言をとることができた。

高野の所属していた同じ課の女性社員が、数年前に突然自主退職をされたという。彼女に会いに行ってみると、肩を震わせて泣き出した。

会社の飲み会の帰りに、ホテルに連れ込まれて酔った勢いで襲われて、嫌がってるのに、無理やり抱かれた、と教えてくれた。しかも、それで妊娠して中絶もしたという。中絶の同意書にサインをしたのは、高野だった。それが決定的な打撃になる。彼女はそのこともあって、退職に追いやられたそうだ。