続・君につづく道

びぅむ

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第21部 嵐の前の温泉旅行 後編

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なるほど。誰かに見られてるかも、っていう不安があるわけね。なかなか面白い不安だな。

「何?お姫様抱っこがいい?」

「えっ」

「恥ずかしいなら、俺にしがみついとけ。露天風呂まで運んでやるから」

「え?!あ、じゃあ」

雪子はパッと俯いて、また左右見回していると、俺の肩の後ろに腕を回して飛びついてきた。

「このまま連れてって!!」

マジで可愛いすぎて、俺、早死にするかもしんない。普段とのギャップがね。あのクールな表情見てるとね。こんな可愛いとこもあるのかと思うと、ほっとけないや。

「濡れてるから危ないかもな」

「えっ?!ぬ、濡れて?!」

「うん。床。タイルが」

「床!!!」

はいはい。なにを勘違いしたのか。聞かなくても分かるけど。俺はプッと吹き出して、一応、フェイスタオルは2枚雪子の肩にかけるとして、もう片方の腕で雪子を支えて、大浴場のドアを開けた。タイルだから滑りそうだけど、気をつけよう。露天風呂に出るドアを横開きでカラカラと開けると、結構岩場が入り組んでいて、大きな木や植木もあり、その合間から小樽の街の夜景が見れた。

「雪子。降りて」

「え?うん」

雪子はゆっくりと下に降りると、俺は手桶を見つけて温泉のお湯を掬い雪子の肩から掛けてあげた。
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