続・君につづく道

びぅむ

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第17部 真夏の北国 ①

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すると、「ふふふ」と怪しい笑みを浮かべて、榊原さんは顔を上げた。

「東京の俺らがいた課では、ちょっとした有名人だったよな。差し入れくれたり、心配でよく来てたしな。みんなのマドンナみたいな存在だ。気が効くし綺麗で可愛い。ちょっとクールなとことか、みんな面白がってたな」

「榊原さん。それ以上は」

「坂井のやつ、忍耐ないから、仮眠室で…」

「警部ッッ!!!?」

俺は耐えきれなくなって思わず叫ぶと、榊原はまたニヤリと笑い、

「さーて。朝礼始めるぞー」

と叫んで手を叩くと、みんなもゾロゾロと周りに集まり始めた。

完全に楽しんでるな、榊原さんは!

俺は舌打ちして立ち上がり、榊原さんの隣に並んで顔を上げた。

北海道に出向する、と言った時、雪子は悲しそうな顔をした。一緒に暮らし始めて3年くらい経って、全然飽きることもなく付き合って、喧嘩もして、順調だった。なのに、警部補に昇進して、半年くらいで出向の話が浮上した。榊原さんが俺を推薦したんだけど、俺は断りたかった。雪子のそばにいたかったから。でも、そんな理由を言えるわけもない。
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