続・君につづく道

第17部 真夏の北国 ①

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「口説かれてますね。交通課のお姫様に」

「あいつ、ほんとに勘弁。疲れる」

「いいじゃないですか。デート」

「やだよ」

「即答…！でも、所帯持ちでもないでしょ？」

デスクに身を乗り出して聞いてくると、俺は眉間にシワを寄せた。

「なんですぐ結婚してるのかって話になるんだ？」

「え？いやぁ。年齢的に？坂井さんくらいの年の人は結構してるし。してそうだし」

「してない。彼女はいるけど」

「彼女？！」

一ノ瀬は驚いて目を丸くした。

「そんなに驚くか？」

「いや、彼女はいないだろうと思ってましたから」

まだかなり動揺して言うと、俺はコーヒーをズズッとすすった。

「結婚してそうで、彼女はいなそう、っていう所見がおかしい」

「それこそ、めんどくさいとか言いそうで」

「は？東京では彼女とずっと同棲してるし、めっちゃメロメロだよ、俺が」

「坂井さんが？！」

かなり驚かれた。ふと気付くと、3人くらいの男たちが真後ろに立っていて、みんな食い気味に俺の顔を覗き込んだ。