続・君につづく道

びぅむ

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第11部 旅行先では溜めときましょう

16

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すると、理は腕時計で時間を確認して、

「19時でお願いします」

と言うと、女将さんは滑るように畳の上を歩いて廊下に出ると、廊下で正座してこちらに向き直り、

「では、19時にお食事のご用意をさせて頂きますので、それまでゆっくりとお寛ぎくださいませ」

と言って深々と頭を下げると、ドアをゆっくりと横に引いて閉まった。

「あと二時間ね」

私は立ち上がって窓の襖を開けると、三階とはいえ山の上にあるので、温泉郷の町の夜景が煌めいていて、とても綺麗だ。

「うわ…、綺麗!ねぇ、理、見て!」

理に振り向いて言うと、理はお膳に手をついて立ち上がり、私に歩み寄って肩を抱き寄せた。

「ほんとだ。すげぇ、綺麗だな」

「うん!凄い。感動する!」

理に肩を抱かれて眺める夜景は、憧れのシチュエーションだ。こんなロマンティックな夜は初めてかもしない。理と夜景を見ることなんて、なかったし。すると、理は私の後ろから両手で抱きしめてくると、

「さて。どうする?ここでお風呂はいる?それとも、一回ヤッとく?」

と耳元で囁いてうなじに軽くキスをした。うなじフェチの理は、いつも私の髪をかき分けてまで、うなじに口づけをしてくる。

「大浴場行く!」

「え?」

「アメニティもらってきたいし。部屋の露天風呂は、後で。ご飯前だし」
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