続・君につづく道

第5部 別れてもすきな人

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そこに芳沢が起きてきて、後ろから話しかけてきた。

「それね。家族よ。息子が一人いるの。で、別れた旦那。子供は、旦那が引き取ってるの」

芳沢が腕を組んでそう言うと、俺は振り向いて芳沢を見た。

「あんたが母親なのに、別々に暮らしてるのか？親権、取られたのか？」

「刑事なんて仕事してるのは、子供にとって影響がよくないんだって。保護者会にも出られないし、運動会とか、何も出られないし、約束も守れないのよ。母親として失格でしょ。裁判で、負けたわ。親権は、旦那の方に取られたの。それでも、私は刑事をやめられないのよね」

芳沢の瞳に涙が潤んでくると、俺は芳沢から目を逸らして俯いた。

「あんたが彼女と別れた理由も、そういうことだったんじゃないの？」

「…そうだな。刑事なんかじゃ、彼女を幸せにできないし、結婚する気も無い。それでも、…すげぇ好きでさ。あんな子供なのに、ちっとも子供じゃなくて。ちゃんと、オンナでさ。こんな俺のこと、全身で愛してくれたような人だったんだ」