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79話 信頼
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「俺のぉぉぉぉ!!! 俺の努力を否定しやがってぇぇぇぇぇ!!! お前ら全員殺してやる!!!」
グラファは、まるで何かに取り憑かれたように暴れ出し、近くに生えている木々を素手で薙ぎ倒していく。
「カロスやばいぞ。あれはやばい」
「そうだな。さっきとはまるで違い過ぎる」
一体何が原因であんな風になったのかは知らないが、とにかく今は距離を取るべきだ。
冷静さを欠いている奴を相手にするのは容易いが、奴の場合は訳が違うのだ。
己の体がどれだけ傷つこうとも、相手を殺そうとするやつは、攻撃パターンは単純になるがその一撃の重さが違う。
とにかく今は、ヴァミアの元に行くしかあるまい。
ヴァミアもカロス達と同じ判断をしたのか、グラファから距離を取って大きな岩の影に身を潜めている。
「ヴァミアよ、こんなところにいたのか」
「なんだカロス。逃げて来たのか」
「貴様も逃げているだろう」
「私は逃げているのではない。撤退しているだけだ」
「つまり逃げているのだな」
「だから、逃げてなど――」
「おいお前達。今はそんなことはどうでもいい。とにかく奴をどうするか話し合うのではないのか」
黄金の髪を靡かせながらそう言い放つベルゼルフに、カロス達は考え込むような表情をする。
奴をどうにかすると言っても一体どうするのか。
誰も全く考えが浮かばない。
「あんを出し合う前に一つ聞いて置きたい。お前は誰なのだ?」
皆が悩んでいる中、腕を後ろで組んで微笑みながらグラファを眺めている奴にカロスは問う。
こんな状況で微笑むなど、頭がおかしいのではないか。
「これは失礼致しました。私はリウス様の配下であるゼウスと申します」
「リウス様の配下だと。それは本当か? それに貴様、悪魔だろう」
「その通りです。ですが悪魔がリウス様の配下とは何か可笑しなことですか?」
カロスはゼーラが悪魔というだけあり、信用できないようだ。
恐らく、この世界で悪魔という言葉を聞いていい気分になる者は滅多にいないだろう。
しかもこの状況で笑っていた。
通常なら関わろうとは思わない。
「カロス、こいつなんか胡散臭いぞ」
ベルゼルフは、眉間に皺を寄せながらボソッと言う。
我もこいつが本当の事を言っているのかどうかは分からない。
しかし、ただ一つ正しいことを言えるとすれば、この悪魔がヴァミアとミルマを守ったということだ。
これは紛れもない事実である。
「お前は怪しいところがある。だが、仲間として歓迎する。我らと共にグラファを倒そうではないか」
「クフフ。認めて頂いて光栄です。氷結の白狼様」
「カロスでいい」
「では、カロス様とお呼びします。それでどうしますか? あのクレイジーを倒すには」
カロスはすぐに答えない。
それは他の者も同じだった。
そんな簡単に決めることのできることではない。
かと言って、いつまでも時間をかけていたら逆にやられてしまう。
緊張と焦りで、この場にいる者達の思考を鈍らせていく。
「我に考えがある」
「本当か」
「流石カロスだな!」
期待を抱く、多くの目線がカロスに集中する。
グラファは、まるで何かに取り憑かれたように暴れ出し、近くに生えている木々を素手で薙ぎ倒していく。
「カロスやばいぞ。あれはやばい」
「そうだな。さっきとはまるで違い過ぎる」
一体何が原因であんな風になったのかは知らないが、とにかく今は距離を取るべきだ。
冷静さを欠いている奴を相手にするのは容易いが、奴の場合は訳が違うのだ。
己の体がどれだけ傷つこうとも、相手を殺そうとするやつは、攻撃パターンは単純になるがその一撃の重さが違う。
とにかく今は、ヴァミアの元に行くしかあるまい。
ヴァミアもカロス達と同じ判断をしたのか、グラファから距離を取って大きな岩の影に身を潜めている。
「ヴァミアよ、こんなところにいたのか」
「なんだカロス。逃げて来たのか」
「貴様も逃げているだろう」
「私は逃げているのではない。撤退しているだけだ」
「つまり逃げているのだな」
「だから、逃げてなど――」
「おいお前達。今はそんなことはどうでもいい。とにかく奴をどうするか話し合うのではないのか」
黄金の髪を靡かせながらそう言い放つベルゼルフに、カロス達は考え込むような表情をする。
奴をどうにかすると言っても一体どうするのか。
誰も全く考えが浮かばない。
「あんを出し合う前に一つ聞いて置きたい。お前は誰なのだ?」
皆が悩んでいる中、腕を後ろで組んで微笑みながらグラファを眺めている奴にカロスは問う。
こんな状況で微笑むなど、頭がおかしいのではないか。
「これは失礼致しました。私はリウス様の配下であるゼウスと申します」
「リウス様の配下だと。それは本当か? それに貴様、悪魔だろう」
「その通りです。ですが悪魔がリウス様の配下とは何か可笑しなことですか?」
カロスはゼーラが悪魔というだけあり、信用できないようだ。
恐らく、この世界で悪魔という言葉を聞いていい気分になる者は滅多にいないだろう。
しかもこの状況で笑っていた。
通常なら関わろうとは思わない。
「カロス、こいつなんか胡散臭いぞ」
ベルゼルフは、眉間に皺を寄せながらボソッと言う。
我もこいつが本当の事を言っているのかどうかは分からない。
しかし、ただ一つ正しいことを言えるとすれば、この悪魔がヴァミアとミルマを守ったということだ。
これは紛れもない事実である。
「お前は怪しいところがある。だが、仲間として歓迎する。我らと共にグラファを倒そうではないか」
「クフフ。認めて頂いて光栄です。氷結の白狼様」
「カロスでいい」
「では、カロス様とお呼びします。それでどうしますか? あのクレイジーを倒すには」
カロスはすぐに答えない。
それは他の者も同じだった。
そんな簡単に決めることのできることではない。
かと言って、いつまでも時間をかけていたら逆にやられてしまう。
緊張と焦りで、この場にいる者達の思考を鈍らせていく。
「我に考えがある」
「本当か」
「流石カロスだな!」
期待を抱く、多くの目線がカロスに集中する。
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