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33話 魔獣の力
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怒りで支配された影響で、俺はほとんど何も考えることができなくなった。
「リウス……」
「エンファ、こいつらを先導して獣人の国まで案内してやってくれ。ミミィのこと頼んだぞ」
俺は、隣に立つエンファの顔を見ないままミミィ達のことを頼んだ。
「でもお前はどうするんだよ……」
「俺は……」
歯が砕けてしまいそうなほどの力で奥歯を噛み、目の前いるナーシャを睨んだ。
「こいつを殺してから行く」
「ハハッ、余を殺すつもりでいるんだ。無理だよ、君みたいな弱い人間には。だから諦めて大人しく余に殺されろ」
俺の身体はどんどん怒り呑まれていき、そして完全に呑まれた。
「死ねよ」
俺が小さな声で呟くと、身体中に凄まじいほどの力が流れた。
そして俺は唐突にあることが思い浮かんだ。
今なら……どんな魔獣の力でも使える……。
俺は怒りで支配される頭の中で、様々な魔獣の姿を思い浮かべた。
すると俺の体は今までからは考えられないほどのスピードで変化していった。
「なんだ……お前……その姿は……」
ナーシャは俺が人間とは全く異なる姿に変化したことに驚きを隠せないようだった。
俺は、両腕が雷光虎の腕に変化し、背中からは死神鳥の翼、腰からは岩砕龍の太い尻尾が生えた状態に変化した。
「早くいかねぇとお前らも巻き込んじまうぞ」
俺の後ろでただ呆然と立っていたエンファに声をかけ、ここから去るように促した。
「リウス……死ぬなよ」
俺の背後からそう告げると、急いで魔獣に飛び乗り大声で周りのファイアーウルフ達に声をかけた。
「俺が獣人の国まで案内する!だから俺の後をついて来てくれ!」
ありがとう、エンファ。これで何も気にせず戦える。
「リウス……!死なないでね!ミミィ、待ってるから!」
俺がこんな姿になっても怖がらずに好いてくれるなんて嬉しいな。てっきり怖がって似げてしまうと思っていたんだがな……。
俺は後ろを振り返り、ミミィに向けて腕を伸ばし親指を立てた。
「大丈夫。俺は死なない。俺もまだしたいこと沢山あるからさ」
俺はミミィに返事をして、ナーシャの方へ目線をやった。
(おいリウス。一人で大丈夫か?)
その声は、フェロックか?でもなんで……ああ、そうか。もしかしたら俺はマジックストーンの力を完全にではないが、使いこなせるようになったのかも知れないな。
(ああ。一人で問題ない。ミミィ達のこと頼んだぞ)
(勿論だ)
「出発するぞ!!!」
エンファの掛け声とともに、エンファの仲間達をはじめ、ファイアーウルフたちは全速力で走っていった。
「ちっ!逃すか!」
ナーシャは俺から目線を外すと、離れて行くエンファ達を追いかけようと足を踏み込んだ。
「させねぇよ」
俺は素早く地面を踏み込み、一瞬にしてナーシャの目の前に移動した。
「速い……!」
魔獣の力を宿せば宿すほど自身の力は増していく。そして今俺は3種類の魔獣の力を宿している。つまり今の俺の力は……
「お前よりは絶対に強いぞ」
そして、大量の電気を帯びる太い腕をナーシャのみぞおちに打ち込んだ。
「リウス……」
「エンファ、こいつらを先導して獣人の国まで案内してやってくれ。ミミィのこと頼んだぞ」
俺は、隣に立つエンファの顔を見ないままミミィ達のことを頼んだ。
「でもお前はどうするんだよ……」
「俺は……」
歯が砕けてしまいそうなほどの力で奥歯を噛み、目の前いるナーシャを睨んだ。
「こいつを殺してから行く」
「ハハッ、余を殺すつもりでいるんだ。無理だよ、君みたいな弱い人間には。だから諦めて大人しく余に殺されろ」
俺の身体はどんどん怒り呑まれていき、そして完全に呑まれた。
「死ねよ」
俺が小さな声で呟くと、身体中に凄まじいほどの力が流れた。
そして俺は唐突にあることが思い浮かんだ。
今なら……どんな魔獣の力でも使える……。
俺は怒りで支配される頭の中で、様々な魔獣の姿を思い浮かべた。
すると俺の体は今までからは考えられないほどのスピードで変化していった。
「なんだ……お前……その姿は……」
ナーシャは俺が人間とは全く異なる姿に変化したことに驚きを隠せないようだった。
俺は、両腕が雷光虎の腕に変化し、背中からは死神鳥の翼、腰からは岩砕龍の太い尻尾が生えた状態に変化した。
「早くいかねぇとお前らも巻き込んじまうぞ」
俺の後ろでただ呆然と立っていたエンファに声をかけ、ここから去るように促した。
「リウス……死ぬなよ」
俺の背後からそう告げると、急いで魔獣に飛び乗り大声で周りのファイアーウルフ達に声をかけた。
「俺が獣人の国まで案内する!だから俺の後をついて来てくれ!」
ありがとう、エンファ。これで何も気にせず戦える。
「リウス……!死なないでね!ミミィ、待ってるから!」
俺がこんな姿になっても怖がらずに好いてくれるなんて嬉しいな。てっきり怖がって似げてしまうと思っていたんだがな……。
俺は後ろを振り返り、ミミィに向けて腕を伸ばし親指を立てた。
「大丈夫。俺は死なない。俺もまだしたいこと沢山あるからさ」
俺はミミィに返事をして、ナーシャの方へ目線をやった。
(おいリウス。一人で大丈夫か?)
その声は、フェロックか?でもなんで……ああ、そうか。もしかしたら俺はマジックストーンの力を完全にではないが、使いこなせるようになったのかも知れないな。
(ああ。一人で問題ない。ミミィ達のこと頼んだぞ)
(勿論だ)
「出発するぞ!!!」
エンファの掛け声とともに、エンファの仲間達をはじめ、ファイアーウルフたちは全速力で走っていった。
「ちっ!逃すか!」
ナーシャは俺から目線を外すと、離れて行くエンファ達を追いかけようと足を踏み込んだ。
「させねぇよ」
俺は素早く地面を踏み込み、一瞬にしてナーシャの目の前に移動した。
「速い……!」
魔獣の力を宿せば宿すほど自身の力は増していく。そして今俺は3種類の魔獣の力を宿している。つまり今の俺の力は……
「お前よりは絶対に強いぞ」
そして、大量の電気を帯びる太い腕をナーシャのみぞおちに打ち込んだ。
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